大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

反政府運動家が結構まともなことを言っている大韓民国

韓国の主要な政治的対立軸は、親政府 vs 反政府

右派、左派もあるにはあるけれど、ほとんど意味をなしていない

日本で政治的思想を表現する場合
右派・・・保守派、再軍備主義、国粋主義民族主義
左派・・・革新派、共産主義、国際協調主義
だいたいこんな形に右と左が分けられ、中間的な政治思想の団体も多数あるという構成になっています。

韓国の場合はどうか。
右派・・・革新派、経済優先主義、国際協調主義
左派・・・革新派、共産主義共産主義は違法なので、実態は共産主義でも「共産」という言葉は使わず「民主」と言う)、国粋主義民族主義
日本で普通に保守派という括りになる『軍事政権復活:財閥・権威主義』が欠落しているというのが韓国の特徴とも言えます。

しかも、民族主義日本なら右派韓国なら左派が標榜しています。

 

軍事政権時代の悪行が祟って、右派が徹底的に嫌われるのが韓国

なぜ韓国で、本来の意味での保守派が欠落するかというと、虐殺事件が頻発した軍事政権時代のイメージが強いので、選挙では票がとれないという事情があるためです。
そうはいっても、人口の少ない江原道、忠清北道慶尚北道慶尚南道の一部には、軍事政権時代を懐古する人々がいるような超保守的な地盤があります。
多数の国会議員を出すほどの勢力がないというだけのことのようです。

 

韓国政府と日本国政府が協力するのは、自民党共産党が連立政権を作るくらい難しい

ちなみに、文大統領の政権は革新系左派ということになります。
国は違いますが、保守系右派の安倍政権と文政権が手を結ぶということは、自民党共産党が連立政権を組むぐらい難しいことですから、そう簡単にできるわけがありません。

 

韓国が絶対に認めない本当の政治的対立軸とは、親政府と反政府

ところで、韓国には、右派、左派以外に、韓国政府が認めたくないもうひとつの政治的思想を表す軸が存在します。
韓国政府を信用するか、信用しないかという軸です。

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さもありなんといったチャートである。日本人にはあまり馴染みのないソウル江南地域の住民は、反日運動をガチガチにやる人は少ない。反日運動をやる連中が垢抜けないむさくるしい連中が多いということに起因する。オシャレな連中が格好良く反日運動してたら、結果は違ったかもしれない。
ジブリアニメが好きな奴を「売国奴」と罵る韓国人は少なからずいるが、それをソウル江南地域でやると、「反日厨ウザイ」とみんなからフルボッコにされる。

これは、右派、左派の対立軸より、はるかにハッキリした政治的思想を表す軸ですが、うかつに公言すると、国家保安法違反で逮捕される危険性をはらんでいるので、世論調査にはでてこない政治的思想ということになります。
韓国政府を信用するか、信用しないかという軸は、軍事政権時代起きた大規模虐殺事件と関係があります。

 

反政府運動の温床となっている過去の大規模虐殺事件の事後処理の恨みつらみ

過去の軍事政権の行った大規模虐殺事件の事後処理には2つのパターンがあります。
(1)揉み消し
(2)放置

「(1)揉み消し」の典型的な例は、大規模虐殺事件の起こった慶尚南道馬山市でみることができます。
現在、慶尚南道馬山市は存在しません
韓国政府によって、慶尚南道馬山市は格下の昌原市に吸収合併させられ、消滅しました。
消滅と引き換えに、馬山自由貿易地域が設定され、旧馬山市地域への輸出入関税や海外送金に関する規制が撤廃され、貧困地域であった馬山が一気に経済発展をすることになりました。

「(2)放置」の典型的な例は、全羅南道全域と、済州道全域において見ることができます。
これは、政府の「(1)揉み消し」政策に反発した住民らによる反政府運動が原因で、揉み消し政策が一向に進まず、「(2)放置」になったという経過をたどっています。

 

全羅南道全域と、済州道で大規模虐殺事件の揉み消しが不発に終わった要因

なぜ失敗したのかという点については、全羅南道、済州道の歴史と深い関係があります。
現在の韓国は中国東北部満洲)に起源を持つ高句麗人(一部新羅人)を中心とする国家であるのですが、大雑把に言って、全羅南道と、済州道全域に存在した百済国、耽羅国とは敵対関係が強かったという経緯があります。

特に百済国は極めて親日的であり、滅亡しても後百済として復活するなど、高句麗人・新羅人に対する敵対意識は強く、高句麗人との敵対関係は連綿と続いていました。

ちなみに、韓国史上最大の裏切り者として著名な親日的開国論者、李容九もこの地域の出身です。

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上図と比べると、忠清道が比較的反政府寄りになっているが、ソウル江南が入るか入らないかで、若干位置づけが変化する。ソウル江南より、忠清南道の方が親政府的であるということによる。

 

公務員が全羅南道や、済州道に赴任するとなったら命懸け

決して言葉には表しませんが、全羅南道と、済州道全域においては、現在でも、韓国政府及び、そこに勤務する国家公務員、地方公務員に対する敵対心を態度で表す傾向があります。

実は、全羅道全域と、済州道全域においても、旧全羅南道庁解体、光州事件跡地の再開発、済州島の大規模観光開発など、あらゆる手を尽くして大規模虐殺事件の揉み消しが画策されたのでありましたが、揉み消しを担当する国家公務員、地方公務員に対する個人的な仕打ちが跡を絶たず、逆に5.18記念公園に代表される大規模虐殺事件の記念碑が住民によって全羅道全域と済州道全域に相次いで建設されるなど、手のつけられない事態が続いています。

 

至極テキトーに仕事をするのが、全羅南道や、済州道に赴任した公務員の処世術

運悪く全羅南道や済州道に赴任した国家公務員、地方公務員ともなれば、下手に仕事をして地元住民の陰湿な報復を受けるよりかは、仕事を適当にサボり、なんかいいことがあれば、大げさに宣伝、報告して、任期が過ぎるのをひたすらに待つか。

または、日本語を覚えて(日本語を覚えると、なぜか地元住民と仲良くなれる)、本庁からの命令を適当に無視して(これをやると本庁からは厳重注意を受けるが)、地元住民と仲良くなって、停年退職まで全羅道や済州道に居座って、適当によろしくやるか、だいたいこの2択になってきます。

かつて慰安婦像設置を巡って、韓国の日本大使館の大使、領事が帰国してしまい、事実上の断交状態にあったとき、唯一、反政府寄りの済州市に、日本の済州領事館がありますが、ここだけは韓国当局の対応が至極テキトーだったことも幸いし、領事が残り、機能していたという歴史があります。