北朝鮮との国境ギリギリまでがソウル首都圏というシュールな光景
「いや、ソウルは北朝鮮国境から60km離れている」という詭弁
韓国の首都ソウル。
どこからどこまでをソウルというかについては韓国人によっていろいろ幅があります。
厳密にはソウル特別市25区のことをいいますが、実質的には首都圏を構成する周辺都市も含めてソウルと言う人が多いようです。
ただ、ソウル地下鉄が運行しているところがソウルかと言われると、これまた微妙です。
ソウルの地下鉄は忠清南道天安市まで運行されていて、天安市はソウルのベッドタウンですが、さすがに道境を越えたら、ソウルとは言わないのが韓国人。
ところで、ソウルは北朝鮮国境から60km離れているといいますが、それはソウル特別市の大統領府あたりと国境との距離であって、首都圏は北朝鮮と接しています。
北朝鮮国境のギリギリのところまで高層アパートが林立しているというなかなかシュールな光景になっています。
日本人の感覚だと、北朝鮮が大砲を撃ったらどうするんだということになりますが、もちろん間違いなく高層アパートに当たります。
京畿道坡州市のマンモスニュータウン。仁川国際空港を離陸する旅客機からはよく見える。ちなみに川の向こうは朝鮮民主主義人民共和国開城市。実際に肉眼で見ると、ニュータウンから国境までかなり近い。北朝鮮からみれば、完全に韓国からナメられているという実態が浮き彫りとなっている図。もちろん北朝鮮の開城市の住民も、マンモスニュータウン建設の一部始終を見ているので、南朝鮮が米帝傀儡の乞食の国ではないことぐらいよく知っている。北朝鮮では、この川を地獄と天国を隔てる川と言っている。
北朝鮮の砲弾より、爆騰する家賃と大気汚染のほうがよっぽど危いソウル事情
なぜこんな状況になったのかと問われれば、韓国人の約７割が首都圏に住むという、極度のソウル一極集中が原因です。
地方に住民登録がある人でも、大抵はソウルにもう１軒家があって、親だけが地方に残って、子供たちはソウルの家に住んでいるというパターンも結構あります。
韓国は面積的には狭い国なので、最も離れているソウル・釜山間の距離といっても、東京・名古屋間ぐらいのの距離にすぎないので、そういうことが可能になります。
ソウルの過密問題は、北朝鮮侵攻問題よりはるかに深刻です。
交通渋滞の悪化、家賃高騰、物価上昇、通勤地獄。
特に大気汚染を中心とした生活環境悪化は年々深刻化する一方で、結膜炎や慢性の喘息、鼻炎を患う人も増える一方です。
そんなソウルの中でも、ありえないほど家賃が安く、水も空気もソウルでいちばん清浄といわれるのが北朝鮮国境周辺。
地下鉄も通っているとあれば、なし崩し的に人気の住宅地となってしまっています。
ちなみに、こういうところに住んでいる人たちが、親北政権を強く望んでいるといえます。
それでもやっぱり、北朝鮮との国境に、韓国人の約７割が住んでいるのはまずい
ただ韓国の建前としては、国防上、北朝鮮との国境に、韓国人の約７割が住んでいるというのはまずいということは昔から言われています。
そこで、首都を韓国中部の大田市あたりに移転して、国土の均衡ある発展を促そうということは昔からいわれています。
そこで、盧武鉉大統領が発起人となり、大田市の隣に新首都、世宗市を作りました。
益山市のフードポリスも世宗市関連の施設となっています。
管理棟だけできたフードポリス
政府主導の首都移転構想は、大統領が交代すると頓挫して、意味不明の地名と大量の更地を生み出してしまうことがある。
盧武鉉大統領が世宗市を首都にしようとしたら、憲法違反で訴えられた
ところが、韓国には首都はソウルだと規定する法的根拠があります。
憲法で首都はソウルだと規定しているのに、新首都を作ったら憲法違反になります。
案の定、憲法裁判所から憲法違反の判決がでました。
それで、世宗市への首都移転は現在頓挫して、あちこちに更地のままの残骸が散在しています。
世宗市の開発は、首都移転反対の李明博大統領の意向で長らく凍結されていましたが、大規模な土木事業案件だったため、朴槿恵大統領の時代になり、世宗市を日本の筑波研究学園都市のような行政新都市として整備するという方向で決着したようです。
