大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

ソウル・セントラル・バスターミナルの怪

高速バスターミナルの横にある総合バスターミナル

韓国人の多くも勘違いしているようなのですが、ソウル高速バスターミナルとは、ピラミッドみたいな外見のオンボロバスターミナルのことを言うのであって、その隣の豪華な宮殿のようなバスターミナルはまったく別のバスターミナルです。

f:id:sirius-B:20191203171831j:plain
ソウル・セントラル・バスターミナルは宮殿のような豪華さ。
ビルの外壁は全面赤御影石貼り。

後ろの高層ホテルもソウル・セントラル・バスターミナルの一部。
しかも、主要部分は、すべて地下に建設されていて、北朝鮮による空爆対策も万全というのだから、バケモノである。

 

f:id:sirius-B:20210328141507p:plain



高速バスターミナルの乗降場不足・駐車場不足が生んだ怪物

さて、高速バスターミナルの乗降場不足・駐車場不足に端を発した問題の対策から、隣接地にバスターミナルとホテルとデパートが合体したセントラルシティーが2000年に開業し、本数が多かった湖南線がこちらに移管されました。ソウル発着の市外バス長距離便の多くもこちらに収容されています。

 

韓国人は特に気にしないこのターミナルの正しい名称について

正式名称は、セントラルシティー(株)というらしいです。
ただ、一般的にはソウル・セントラル、ソウル江南という名称で通用しているので、ここに行くバスの切符を地方のバスターミナルで買うとき、「ソウル・セントラル」「ソウル江南」という必要があります。

他に「東ソウル」があって、便数的には「東ソウル」行きの方が圧倒的に多く、普通にソウルに行きたいと言って切符を買うと「東ソウル」行きの切符を売ってくれることが多いです。

 

 

f:id:sirius-B:20191203172052j:plain

地下コンコース
ここが、地下にあるソウル・セントラルの主要部分。
よほど注意しなければここが地下なんて全然想像もつかない。

 

セントラルシティーの地下構造

ちなみに、セントラルシティーの地下には、10階建てビルにも相当する巨大な防空壕兼駐車場があり、バスだけでなく、ものすごい台数の乗用車も駐車できるようになっています。
もちろんこれは、絶対に北朝鮮に爆撃される場所であるだけに、避難設備として準備されたものであるとのこと。
地下を伝って、広範囲に避難できるようにもなっています。
とはいっても、防空壕兼地下駐車場、そんなものものしいものではなく、外が氷点下25℃という真冬日でも、半袖で買い物できるってところが高く評価されていて、たいへん人気があります。
高級車は地下駐車場へ、ボロい車は地上の駐車場に誘導されるという都市伝説があります。

f:id:sirius-B:20191203172155j:plain
バス発着所からセントラルシティーの地下へ。・・・て、どこがどう地下なのかもさっぱりわからず。

 

f:id:sirius-B:20191203172334j:plain
セントラル・ステーションから地上への出口。
ここは一応地下3階なんだけど、そんなこと全然わからない。
北朝鮮空爆されても気付かないかも。

f:id:sirius-B:20191203172515j:plain
地下バス待合所
植木の陰に待合椅子がある。
でも、どうみてもショッピングモールのような気もする。
椅子に座って待つより、お店をまわっていたほうが楽しいような気がする。

f:id:sirius-B:20191203172650j:plain
バス発着所(地上)
日本最大のバスターミナルである福岡天神のソラリアプラザをぶっちぎりで引き離す規模とクオリティー

 

この超絶怪物級バスターミナルにまとわりつく醜聞

国営事業で建設された殺風景な隣のオンボロ高速バスターミナルとは対照的に、民営のセントラルシティーはものすごい人でにぎわっており、今や、東大門市場、ロッテワールドに匹敵するソウルきっての巨大な商業施設を形成しています。

で、そんなすごいセントラルシティーを作ったのは誰なのかというと、

文鮮明(故人)。

正確に言うと・・・統一教会

あの、カルト教団ともいわれる統一教会が、日本の信者から吸い上げた(韓国の信者からも容赦なく吸い上げたらしいが)膨大な献金を惜しげもなく投入し、北朝鮮からの爆撃にもびくともしないであろうこの超絶宮殿を建築し、経営していたというのだから、ぶっとびます。

 

ソウル・セントラルと統一教会の関係は、国家機密級のスキャンダルだったわけ

そこが大韓民国大韓民国たるゆえん。

事情を知る韓国人が皆、口をつぐんでいたこともあって、このことを知る韓国人も少なく、普通のショッピングセンターに行く感覚でセントラルシティーに、みんなお買い物に出かけていたんですね。
日本の観光案内書で、これだけ巨大な商業施設のソウル・セントラル・バスターミナルが、長らく完全に黙殺されていた理由もここにあります。

最近、このことが暴露されて、ソウルの人々は、腰を抜かしたんだそうです。

核爆弾級の大スキャンダルだったのはいうまでもありません。

だって、週末はセントラルシティーでお買い物・・・なんて、ソウル市民の当たり前の日常だったわけですが、それをやっていた人々は、仏教徒もクリスチャンも、みんな、統一教会に長年莫大なお金を献金していたってことになりますから。

そりゃあ、みんな怒ったのなんの。
特に、統一教会と厳しい対立関係にあったキリスト諸教会が、実はみんな知らずにセントラルシティーでお買い物して、統一教会に長年莫大なお金を献金していたってことがバレたんですから。
さすがに、これは韓国内各方面からの猛烈な反発を招き、文鮮明の遺産相続争いがこじれた隙を突いて、テナントとして入居していた百貨店経営、物流大手の新世界が強引に土地・建物の権利を買収した・・・ということで幕引きとなりました。

現在、セントラルシティー(株)は、統一教会の子会社ではなく、物流大手の新世界の子会社になっています。ちなみに、新世界って、元は三越京城支店だったのだそうで。