韓国の農村部では普通にみられる草花です。
「スミレ」の名はその花の形状が墨入れ(墨壺)を思わせることによる、という説を牧野富太郎が唱え、牧野の著名さもあって広く一般に流布していますが、そうでないという意見もあります。
学名は、 Viola mandshurica ですが、「満洲のスミレ」という意味になります。
この学名にあるように、満洲から朝鮮半島、日本列島にも広く分布しています。
スミレは、移植に弱く、特に断根すると枯れることが多いです。
繁殖は専ら種子によるものですが、種子は非常に小さく、長さは2mm以下です。
そのため、スミレ栽培を行う園芸家は、断根しないように土ごと堀り取って集めるようです。
にもかかわらず、これだけ広範囲に生息しているのは、種子に、アリが好む脂肪の塊(エライオソーム)があり、種子をアリが巣に持ち帰るためで、アリの移動とともに生育域を広げているのです。