新潟県の西端に、外輪山に囲まれた秀麗なちょっと変った山がある。
日本人にはあまり知られていない山ではある。
しかしこの山は、国際的にはよく知られた山で、韓国を含め、東アジアから東京に飛んでくる飛行機のパイロットで知らない人はまずいない。
韓国方面から東京に飛行してくる飛行機は、日本の国内線がひしめきあう航空路を避け、米軍の横田基地の空域を避けるため、日本海上空を飛行し、この山の上空から東京へと進路を変える。
この山が最も美しい季節は冬だ。
実は、冬の大陸では、あまりまとまって雪が降らないため、見渡す限り一面の雪景色、銀世界というのは珍しい。
荒涼とした茶色の大地。
暖房のため燃やした石炭の煙に煙った見通しの効かない灰色の空。
それが大陸の冬景色だ。
日本上空に到達して、まず目を見張るのが、澄んだ青空に映える真っ白な雪。
見渡す限り一面の雪景色、銀世界。
秀麗な妙高山の美しさに息をのむ。