大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

中部内陸高速道路

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ソウル−釜山の抜け道 中部内陸高速道路

釜山→ソウル の方が若干使いやすい

慶尚南道昌原市から大邱広域市を経由して京畿道楊平郡までに至る高速道路です。

一見、かなり中途半端な場所を走る高速道路ですが、実際使ってみると、釜山からソウルに行く場合(逆も同じことですが)、渋滞が少ないため、非常に使い勝手のよい高速道路です。
どちらかというと、釜山からソウルへ行く場合に使うほうが使いやすいです。

渋滞の少ないのは、起点と終点が、昌原市と楊平郡という、韓国人でもほとんど知らない場所になっているというのがそもそもの理由。

ただ、ソウル側の起点が楊平という一般道路でしかアクセスできない辺鄙なところにあるので、ソウルから出発する場合、京釜高速道路が空いている正午頃の時間帯に京釜高速道路から入って嶺東高速道路を経由し、中部内陸高速道路に入るのが一般的。
釜山からだと、午後釜山を出発して、夕方、楊平から江辺北路経由でソウル入りするというルートをとると、京釜高速道路盤甫ICの大渋滞を避けることができて便利です。

 

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ひたすら全く変化のないこんな山の中を走る。京釜高速道路が渋滞していなければ、誰が好き好んでこんな道走るかというとんでもなく退屈な道。

 

釜山から中部内陸高速道路を使うには

釜山第二都市高速道路と直結する沙上ICから、南海高速道路第二支線を西進して、冷井JCTで南海高速道路に合流後、漆原JCTから中部内陸高速道路に入れば、あとは楊平ICまで単調な一本道です。

楊平からは、ソウルの漢江北岸を走る高規格道路、江辺北路と直結しています。

将来的には、首都圏第二循環高速道路と直結し、オリンピック大路まで直通できるようにするのではないかといわれています。

昌原から楊平までを一直線に結んでおり、全線110km/h規制となっている(京釜高速道路は100km/h規制)関係で、通過時間は、渋滞していなければノンストップで4時間ほど。

KTXで釜山、ソウル間を移動するのといい勝負(自動車だと荷物と一緒にドアtoドアで目的地に移動できる)というのが魅力です。

 

途中通過するのは辺鄙な山の中

途中、金泉、善山、聞慶、忠州、驪州を通っていきますが、街があるというより、見渡す限り山があって、たまに農村風景があるだけ。
普通の韓国人でも「どこ?それ?」というレベルの知名度の場所で、慶尚北道にあるのか、忠清北道にあるのかすら見当がつかないというすごさ。
普通、こういう辺境の高速道路だと、休憩所なんてものは期待できないのですけれど、ここには大きな休憩所が4箇所あり、京釜高速道路同等の水準です。

 

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中部内陸高速道路が、何もない辺鄙な山の中で突如大渋滞するのは、サグ(すり鉢状の地形にある道路で、谷底に到達して上り坂に差し掛かる、ゆるいV字形の箇所)が普通にあるからで、サグを極力作らない日本の高速道路とは設計が違う。これは中部内陸高速道路に限ったことではなくて、ただでさえ渋滞の頻発する京釜高速道路でもサグはあちこちにある。

 

軍事基地を結ぶ高速道路

この道路ができた理由は、渋滞対策もさることながら、軍事的理由であることは容易に想像できます。

実は、中部内陸高速道路。
ソウル東部に集中する韓国軍の駐屯地と、韓国海軍最大の基地、鎮海軍港を直結するように作られています。

鎮海軍港は、かつての日本海軍鎮海鎮守府で、現在は、これまた韓国最大の港湾、釜山港(釜山新港)西端に接する韓国海軍最大の基地、鎮海軍港となっています。

昌原は、軍事的な理由で韓国人に実態があまり知られていないだけで、慶尚南道の極めて重要な都市なのであります。

昌原市を知らない韓国人には、朴正煕大統領政権末期、激烈な民主化運動(反政府運動)の果てに取り潰された馬山市のなれの果てが昌原市だと説明すると、ああ、それなら知っていると言われるのですが。