大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

雲助タクシー・違法運送サービス(エセ・タクシー)との攻防

眠らない街、東大門市場。観光客の捌けた深夜の時間帯が、東大門市場が最も活気づく衣料品取引の中心的な時間帯である。午前2時頃から午前4時頃までと、短時間であるがゆえに、周辺の道路にまで商品が溢れかえる。もちろん、観光客相手の店も開いているが、商品仕入れの時間帯と重なるため、せわしない。

 

客の捌けた深夜の東大門市場。で、このカオスっぷりだから、客がMaxの東大門市場のものすごさは推して知るべし。雲助タクシーや違法コールバンが出没しても、わけがわからないままに終わる可能性が大。



ソウルではびこる、これはガチで、違法なタクシー営業

正規のタクシーがいくら接客レベルを向上しても、違法営業する偽タクシーが滅茶苦茶する限り、ソウルのタクシーの評判はいつまでたってもよくならない。

 

(1)雲助タクシー編(正規ながら、低レベルな旅客運送)

雲助タクシーとは

地下鉄終電後の、繁華街(明洞、東大門市場など)に出没するのは、雲助タクシー。

雲助タクシーとは、一発十万(ウォン)収狙いの正規タクシーのこと。
昼間遊んでいても、夜、十万(ウォン)収が5回出れば、法人タクシーの営業ノルマは達成できるので、それを目指して営業する輩のこと。

東京でも、夜の六本木、歌舞伎町、道玄坂へ行くと同様のタクシー運転手はいます。
夜8時頃から銀座でウオーミングアップして、六本木か歌舞伎町につけて、朝は道玄坂のラブホテル街を攻めるというルートですかね。
5〜6回という極端に少ない営業回数で、収益をあげているのが特徴です。

まあ、タクシーごときに十万(ウォン)使う人々は、そもそも、金銭感覚が普通じゃない。
運転手が運転手なら、客も客・・・のブラックな世界です。

 

乗禁地区営業をやって、タクシーセンター職員にとっつかまる正規のタクシー

そもそも、まっとうな超絶お金持ちはタクシーがお嫌い

東京でも、成城、深沢あたりに住む資産100億レベルの超絶お金持ちは、基本、タクシーなど使いません。
電車に乗って、家までバスを使ったり、バスがなければ、ひたすら歩きます。

超絶金持ちは、基本的に、日々生活のために仕事をする必要がなく、遊び暮らしても、豊かな資産が生み出すお金が、常に銀行に振り込まれるという生活を送っています。
定職に就かないという意味では、無職生活(ニート生活)を謳歌している人達が多いのではあるのですが、そのお気楽な生活が破綻することを非常に恐れています。

昭和の高度成長期なら、豊かな資産が生み出すお金は、大河のような奔流にもなりえたのですが、デフレ経済が慢性化した令和の日本にあって、豊かな資産が生み出すお金といっても、前立腺が肥大した男性の小便のように、はっきりいって少ない。

土地・建物を持っていても、もっていかれる固定資産税、維持管理コストはうなぎのぼり。
株を持っていても、企業は内部留保にまわすお金は熱心で、東証から株主価値改善要請を喰らっても、どこ吹く風で、株主配当金は限界を超えて削ろうとするから、株価は万年割安、三菱UFJフィナンシャル・グループのような財務も収益も良好な超大手企業株だって、株を売ろうとすれば、額面の4割引にして叩き売らないと売れないという有様。

お金を使いさえしなければ、比較的低収入でも、ニート生活を謳歌することは、理論上、誰にでもできるがゆえに、倹約、節約はニート生活の基本中の基本。
そういう知識のある連中が、タクシーなんて、基本、使うわけがありません。
家のまわりが森など鬱蒼としていて、夜間、治安上問題でタクシーを使う必要があるという人ぐらいはタクシーを使いますが、乗っても短距離です。

それは、韓国でも同じこと。

 

深夜時間帯に繁華街で付け待ちしているタクシーには乗らないというのが、危険地帯で遊ぶ遊び人の掟。それなりに金回りがよくて、10万ウォン出す気がある時は使うが、絶対に気を許してはいけないという。

 

カカオタクシーは、こういうシチュエーションの時、本当に助かる。

強メンタルを誇るやり手タクシー運転手が、雲助タクシー化するカラク

ソウルでタクシーごときに十万(ウォン)使う人々は、よほど特殊な事情を抱えているか、その他の感覚、いわゆる、人間としての礼節、感情、遵法意識、どれをとっても、おかしい人達なのですが、そういう人達を専門に営業するタクシー運転手がいます。

そういう運転手は、よほど面の皮が厚いというのですかね。
どんなに暴言吐かれても、暴行されてもへっちゃらというタクシー運転手は一定数います。

しかし、普段乗せる客が、あまりに変な人ばかりだと、それが当たり前になって、運転手も、おかしなことを平気でやるようになってしまうのです。
雲助タクシー稼業は、一度やったら抜けられないというのは、こういうことからきています。
そんなタクシーには、善良な市民は近づいてはいけません。

 

警察だって取り締まる

危険地帯で遊び慣れた人は、巧みに雲助タクシーを避ける

地下鉄終電後の、繁華街(明洞、東大門市場など)の道路端で付け待ちしているタクシーは避けるのが基本です
この界隈で遊び慣れた人は、他所から客を乗せてきたタクシーが、客を下ろすやいなや乗り込むというのが基本で、その方が、雲助タクシーに遭遇する危険がないことを知っているからです。

他所から来たタクシーは、基本的に、繁華街の雲助タクシー事情には詳しく、あえて繁華街を避けるような安全志向のドライバーが多いです。
ただし、その分、繁華街を苦手としますから、乗客が事細かに道案内する手間が必要ではあります。

危険地帯で遊ぶということがどういうことかわかっている人達は、この手の道案内の手間など気にする人はいません。
こういう乗り方をする場合、タクシーに乗る以前に、客がソウルの道をよく知っているのが条件にはなってきます。

ソウル駅などで、きちんとしたタクシー乗り場に付けている駅待ちタクシーは、深夜でも、だいたい安全です。
一旦、繁華街などから、安全なターミナルまで他所からきたタクシーに乗せてもらって、安全なターミナルで別のタクシーに乗り換えるという乗り方をする人もいます。

これは、東京でも一緒で、歌舞伎町、六本木、道玄坂、池袋、新橋あたりの路上で付け待ちしているタクシーは避けるのと同じ理屈です。

 

タクシーが客を下ろすや否や、人が群がる。もっとも、京畿道のタクシーや、仁川のタクシーは、ソウルの繁華街で人を乗せてはいけないので、立ち去ろうとするが、それでも乗せてくれと食い下がる客も多い。法人タクシーだと、つれなく断られる。個人タクシーなら、メーター不使用(違法)が条件だが、それなりにお金を払えば、乗せてもらえるケースもある。ここらへんは、人を見る目と交渉力がモノをいう。

 

(2)コールバン(韓国版傭車)制度の悪用編(はなから違法な旅客運送)

悪用される貨物乗合車(コールバン)という制度

韓国には、貨物乗合車(コールバン)という制度があります。
運転手つきでトラックを貸し出す制度、日本の傭車と似たような制度と考えればいいです。

日本の傭車と根本的に異なるのは、荷主がこのトラックに添乗してもOKということ。
登録上、貨物自動車であれば、トラックでなくても、乗用車でもOKという雑な制度であるということ。

では、普通乗用車でも、貨物自動車として届けてあれば、傭車営業は可能なのか?
可能です。

客の荷物が財布1個でも、合法的な貨物営業といえるのか?
合法的な貨物営業といえます。

韓国の貨物乗合車(コールバン)という制度は、そんなとんでもなく雑な制度なのです。

真面目に傭車営業をするコールバンがある一方、財布1個運ぶために客を乗せる舐めた営業をするコールバンがあります。
どちらも合法というところが、大韓民国クオリティー

 

空港で営業する正規のコールバン。基本的に貨物車なのである。

 

コールバンは、荷物を運ぶ構造になっていなければならず、基本的に旅客を乗せる構造になっていてはいけない。そもそも、コールバンは、あくまで貨物車なので、タクシー乗り場に付けてはいけない。これも正規のコールバン


傭車の運賃は、荷主との交渉で決まるというところが制度悪用の目のつけどころ

タクシーの場合は法定運賃が決まっていますが、貨物乗合車(コールバン)の運賃に法定運賃はありません。
運賃は、荷主との交渉で決まります。
そりゃ、傭車ですから。

そもそも、韓国語のできない海外旅行客がコールバンと運賃交渉できるようなものではありません。
このことに目をつけた悪徳業者が、ソウル市内でタクシーのように偽装して、現地事情に明るくない外国人観光客を相手にぼったくり営業をしています。

観光客は、大抵手ぶらではなく、財布ぐらいは持っているので、財布を運ぶと同時に、荷主として添乗してもらうという考え方です。

ただ、犯行の手口は警察にすべてバレています。
狙った獲物は、違法捜査してでも絶対に逃さないことで世間を騒がすソウル警察ですから、どんな言い訳しても警察は許すはずはありません。

警察もあらゆる手段を用いて違法コールバンを逮捕していますが、タクシーに偽装するような悪徳業者は、捕まること前提に、短期間に大儲けすることを狙って、開き直ってゲリラ営業しているので、ボッタクリも甚だ盛大で、ありえない法外な運賃を吹っかけられます。

これは、全部インターナショナルタクシーに偽装した違法コールバン。タクシー乗り場を集団で占拠すれば、外国人は本物と誤解するだろうという目論見による。仁川空港は広すぎて、係員の目が届かないことをいいことに、こういうことをする輩がいる。

 

本物のインターナショナルタクシーはこれ。車体は、下部やバンパーまで黒くなければいけない。オレンジの帯のデザインが微妙に異なるのと、地球儀マークのシールが後部座席の窓ガラスにある。そして、行灯もある。離陸する飛行機のシールがあるのは偽物。

 

これは、ソウル駅付近の路上で違法営業をしている車。一般車両用のナンバーの一般車によるタクシー営業。いわゆる白タク。かなり悪質なケース。

 

これは、ナンバーを見ると、タクシーとして登録された事業車両であるにも関わらず、「フンダル貨物」と表記があり、「日本語・英語できます」と書かれたムチャクチャな車両。多分、違法コールバン営業するのであろう。タクシーセンターの取り締まりには、コールバンだから関係ないと言って逃げ、警察には、タクシーだから合法だと言って逃げるつもりであろう。こういう凶悪車両には近づいてはいけない。

 

これも、ナンバーを見ると、タクシーとして登録された事業車両であるにも関わらず、「フンダル貨物」「コールバン」と表記があり、明らかに偽造とわかる正規のタクシーを模した行灯を搭載し、「日本語」と書かれたムチャクチャな車両。多分、上の写真と同じ組織のもので、組織的に違法コールバン営業するのであろう。こういうアッパレなまでに悪の限りを尽くした感のある極悪車両は、日本ではまずみない。こういう極悪車両には近づいてはいけない。