大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

ソウルでタクシーに乗る時の作法

未熟なタクシー運転手のミスを誘発しない乗り方をする・・・これが作法

ソウルで起こるタクシートラブルで、悪質なケース、違法スレスレまたは、最初から法律を守る気がないというムチャクチャなケースは、稀なことです。
ソウルで起こるタクシートラブルの7割、8割は、未熟なタクシードライバーの営業上の失敗が発端となって、大騒ぎに拡大するというパターンです。
つまり、未熟なタクシードライバーのミスを誘発しない乗り方をするということが、ソウルのタクシーを利用するのが基本といえます。


(1) 乗車する場所に気をつける

駅前のタクシー乗り場など、所定の場所で駅待ちしているタクシーに乗る場合は別として、道路の目的地方向へ向かう側でタクシーをつかまえるのが基本といえます。
逆方向でタクシーをつかまえた場合、当然、Uターンすることになりますが、ソウルの場合、Uターン可能な場所が厳格に指定されており、しかも数は少ないです。
かなりの遠回りになることも少なからずあり、その分料金が加算されます。
これを遠回り詐欺だといって、ソウル市のタクシーセンター(タサンコールセンター)に通報する輩(もちろん韓国人だが)は多いので、逆方向でタクシーをつかまえると、タクシー運転手は、クレームに発展することを非常に警戒します。
タクシーに乗りたい人が多いにも関わらず、空車タクシーがあまりにも少なくて、どうしてもタクシーをつかまえなければならないという緊急事態の場合は、多少のトラブル覚悟、料金が高くなることは覚悟の上で、逆方向でタクシーをつかまえるというのはアリです。

 

 

(2)【빈차】(空車)を目印に手を上げてタクシーを止め、ドアは自分で開けて乗る

韓国のタクシーは、基本的に客が自分でドアの開閉をします。
タクシーが自分の前に止まったら、自分でドアを開けて乗り込みましょう。

 

(3)タクシーに乗り込んだら、あわてず、正確に、行先を伝える

模範タクシーや、個人タクシーでない場合、相手は、大半がタクシードライバー歴1年未満の新人ドライバーです。
高圧的な態度、威圧的な態度で接すれば、必ずミスを誘発します。
相手は、だいたい新人ドライバーなのですから、わかりやすく目的地を伝えることが大切です。
「ジュソ・プッタカド・テヨ?」「ナビ、OK?」とか何とか言って、住所をナビに入れてもらうのが、いちばん良いかもしれません。
目的地の住所は、事前にハングルでメモしておいて、運転手に渡すのが吉です。
どっちみち、よほどのベテランでもない限り、タクシーはナビに頼って営業しています。
むしろ、ナビを使って怒られはしないかとビクビクしているのがタクシードライバーですから、ナビを使ってくださいと言われた方が、面倒がなくてよいのです。
タクシーのナビは、往々にして、自車位置を見失ったり、遠回りを指定したりする『おバカ・カーナビ(気狂いナビとも言う)』ではありますが、そうはいっても、当たらずとも遠からずのルートを示しますし、なにより、目的地を間違うことはありません。
運転手がリラックスして接客していれば、ナビの誤表示は、おかしいと気づきますし、適度に修正もしてくれます。
韓国に観光旅行で来た日本人が、超絶紛らわしい目的地に行くことなど、まずないでしょうから、この程度で何とかなります。

 

ナビに登録された地図が間違っていることの多い韓国では、ナビを複数用意しているタクシーは多い。このタクシーは3つ。ということは、3つそれぞれ目的地を入力しなければならないので、赤信号で停車中でも、運転手はやる仕事は多い。ちなみに、発車してから、最初の信号機までは、駐禁取締対策で、すぐ発車して、ナビなしで走っていく関係上、すぐに右左折が必要な客や、すぐにUターンしなければならない逆方向客は、運転手から嫌われる傾向がある。

 

(4)最短、最安、最速にこだわるなら、ソウルでタクシーに乗るのはやめておけ

なお、最短距離、最低運賃、最速移動にこだわるなら、ソウルでタクシーに乗ってはいけません。

  • 目的地に確実に行きたい
  • 目的地に行くまでの乗り換えの手間を省きたい

ソウルのタクシーとは、以上のような目的で乗るものです。
まあ、日本人旅行者より、ソウル在住の韓国人の方が、そういう基本的なことをわかっていなくて、日々トラブルが発生するのが、ソウルのタクシーというものです。
市内バスの方が、よっぽど運賃は安く、到着までの時間も早いので、市内バスに乗ってください。
経路検索や乗り換えが不要で、安くて早い交通機関は、ソウルには存在しません。

 

(5)「フリーインタープリテーション(無料翻訳)」という奥の手がある

なお、どうしても、運転手さんが理解してくれないときは、「FREE INTERPRETATION(無料通訳)」を利用しましょう。
こちらのサービスは、ソウル内を走るほとんどのタクシーで利用可能です。
運転手に「フリーインタープリテーション」と言えば、無料で携帯電話を通した通訳サービスが利用できるそうです。

 

 

(6)タクシーが走り出したら、メーターを作動させたかどうかの確認をしてください

これは、新人ドライバーは、よく忘れます。
このままで目的地に着いてしまって、「あっ!!」ということがよくあります。
そういう場合は、基本、運転手の自腹となります。
とはいえ、これがあると、一騒動になるわけで、韓国語ができれば、なんのことはなくても、韓国語のできない旅行者にとっては、致命的な状況になってしまいます。
そこで、後々の面倒を回避するため、タクシーが走り出したら、メーターを作動させたかどうかの確認をしてください。
メーターを作動させていなかったら、
「メーター・プッタカムニダ」
と言えばOKです。
ホテルに前もって(1時間以上前)タクシー迎車をお願いした場合、目的地が仁川国際空港だった場合、空港定額(割引)料金(65,000W:2023年)が適用になることがあります。
空港発の場合は、空港タクシー専用案内デスクから、ソウル市内まで、迎車依頼した場合に、空港定額(割引)料(65,000W:2023年)が適用になります。
この場合、メーターで定額運賃計算ができないなどの理由で(後々の運賃集計の都合上)メーターを作動させないケースがあります。

 

 

(7)支払いは、交通カードかクレジットカードで

タクシー料金の支払いには、以下の決済方法が使えます。

  • T-Moneyカード(交通カード)
  • クレジットカード
  • 現金

韓国では、現金払いが一般的ではなく、交通カードかクレジットカード払いが原則となります。
どちらかというと、現金払いは迷惑がられます。
というのも、現金払いは運転手の個人的なサービスとして行っているケースが一般的で、釣り銭切れが起こりやすくなっています。
釣り銭切れで端数の小銭のおつりをくれない場合がよくあります。

日本だと、端数の小銭のおつりをくれないということは、たとえ1円であっても、窃盗罪が成立し、刑事告訴可能です。

一方、国家をあげてキャッシュレスを推進している韓国の場合、窃盗罪での刑事告訴は不可能であり、端数の小銭のおつりをくれないということは普段よくあることです。

日本のクレジットカードでも、VISAかMasterと提携したカードならば、使用できます。
T-Moneyカード(交通カード)なら、サインとか暗証番号とか入力する必要がないため、韓国語で会話する必要がないので、楽ではあります。

タクシーでT-Moneyカード(交通カード)を使う予定があるなら、事前に多めにチャージしておく必要があります。

なお、新人ドライバーが多いというソウルのタクシー事情ゆえ、支払い中に、メーターの支払いボタンを押し忘れて、料金跳ね上がりを起こすという初歩的ミスを犯すタクシードライバーも少なからずあるので、支払いに時間のかかる現金支払いより、支払いがすぐに終わるカード払いの方がよいです。
カード支払い後、料金跳ね上がりを起こすというケースも、まれにありますが、追加で料金を請求されるということは、現金払いと違って、まずありません。

 

 

一般タクシーの料金
一般タクシーの基本料金(2023年)

初乗り料金    3,800ウォン(約380円)
追加料金(距離料金)    100ウォン/132m(約10円)
追加料金(時間料金)    100ウォン/31秒(約10円)

日本の東京のタクシー料金の約半額と覚えておけばよいです。
午前0時から4時のあいだは、深夜割増(青タン)として20%割増になります。

営業区域外(ソウルのタクシーなら、ソウル市外)まで乗車した場合、20%の割増料金がかかります。

 


模範タクシーの料金
模範タクシーの基本料金(2023年)

料金の種類    金額
初乗り料金    6,500ウォン(約650円)
追加料金(距離料金)    200ウォン/151m(約20円)
追加料金(時間料金)    200ウォン/36秒(約20円)

日本の東京のタクシー料金と同程度と覚えておけばよいです。
模範タクシーには割増料金(青タン)がありません

営業区域外(ソウルのタクシーなら、ソウル市外)まで乗車した場合、20%の割増料金がかかります。