昔からなのであるが、ソウルと偽タクシーは、切っても切り離せない大問題。それゆえ、タクシーに関する法規制は厳しい。正規のタクシーに偽装したことがバレたら道路運送法違反と詐欺罪が同時に成立する。ただし、見た目が一般車両と変わらない車なら「友達をむかえにきただけ」と運転手に言われてしまえば、警察もそれ以上の取調べはできない。それゆえ、あえてタクシーに偽装するケースはまれ。
正規のタクシーには、行灯の掲出が義務付けられており、行灯の前方側に営業地域を表示しなければならない。ソウル市内で法人タクシーならば『서울(ソウル)』、個人タクシーならば『개인(個人)』と表示されていなければタクシー営業はできない。赤色の『빈차』は、空車を意味する表示。『빈차』を掲出している車両に、挙手などで乗車意志を表明して乗車する。
正規のタクシーの行灯の後方には「TAXI」と書かれている。ちなみに、東大門市場や、明洞に深夜出没する偽装タクシーに関しては、行灯の前方も後方も「TAXI」と書かれている。警察に通報されると厄介な韓国人はすぐに偽装タクシーだと見破ることができるが、警察に通報するだけの韓国語能力のない外国人だと偽装タクシーだと見破れない。そこを狙って摘発までの時間を稼いでいる節がある。
韓国人も怖がるソウルのタクシー
ソウルのタクシーは怖い?
地方に住む韓国人なら、ソウルのタクシーに乗るのはやっぱり避けます。
確かに、ソウルのタクシーのイメージというと、
- 接客がきつい
- ぶっきらぼう
- 運転手の警戒度MAX
こんな感じです。
しかし、これには、致し方ない面も多々あります。
- 同じ地名、似たような地名が複数存在するカオスなソウルの地理
- まっすぐに目的地に向かえない複雑怪奇な交通規制
- 地理不案内で迷走する一般車両からの妨害行為
- タクシーを狙い撃ちする警察の交通取り締まり
- 軍隊仕込みの暴行、恫喝が当たり前の韓国最悪といわれる乗車マナー
こんな悪条件の下、タクシー営業するとなれば、運転手にも、それなりに覚悟が必要なのです。
ソウルで、タクシーは、使うのを躊躇する交通機関
客からしてみても、タクシーは乗りたくて乗るものではありません。
基本、地下鉄で移動可能ならば、極力、市内バス、タクシーは避けるのがソウル市民の常識。
しかし、それでは生活できないのがソウルという街の矛盾。
地下鉄は移動に時間がかかりすぎるゆえ、どうしても、市内バスで移動せざるをえない事態は頻繁に発生します。
また、ソウルの家賃は、地下鉄駅周辺は、信じ難いほど高額であるがゆえに、多くの人は、市内バスでしか行けない場所に住んでいますが、その肝心のソウル市内バスが、初見殺しのアテにならない交通機関だという事情とも密接に関連しています。
市内バスといえば、
- 運行経路がなぜか事実上非公開(公開はしているらしいが、調べるのが極度に難しい)
- ダイヤがなぜか事実上非公開(公開はしているらしいが、調べるのが極度に難しい)
- 運行会社都合で突然コロコロ変わる運行経路とダイヤ
という、実に信用おけないものであるがゆえに、タクシーに乗らざるをえない事態は頻繁に発生します。
ソウル市民は、どんなときにタクシーを使う?
- 鉄道で行けない場所に行くとき
- どのバス(市内バス)に乗ればいいかわからないとき
- 荷物が多いとき
というわけで、ソウルでのタクシー利用は、昼・夜関係なく多いです。
韓国は、日本と比べて、タクシー料金が約半額程度なので、利用しやすいです。
日本のタクシーでは、目的地までの時間短縮を目的に乗る人が多いです。
しかし、ソウルでそういう乗り方をすると、ひどいめに遭います。
韓国は、自動車の運転が下手な人でも事故をおこさないように設計された『安全な信号システム』を採用しているというのですが、こいつは、とにかく車は止めておけば、事故を起こさんだろうという発想の下、赤信号時間が日本の信号の2倍以上あるという代物。
このため、特にソウルの道路は、少ない交通量でもひどい渋滞が発生しやすいのです。
タクシーは、あくまで、バスや電車の乗り降りの手間を省くとか、どのバスに乗ればいいかわからないけれど(バスはないという場合も含む)、時間がかかっても確実に目的地に着きたいというときに使うものです。