大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

韓国の鉄道は『列車』と『電鉄』の2階建

日本の鉄道は「新幹線」と「在来線」の二階建て。韓国の鉄道は「電鉄」と「列車」の二階建て

新しい都市近郊電車の「電鉄」(ジョンチョル)と、昔からの都市間輸送の「列車」(ヨルチャ)

日本の朝鮮鉄道を引き継いだKorailは、昔は、日本の在来線同様、特急から各駅停車まで様々な種別の列車を運転していました。
しかし、現在はやめてしまっています。

都市近郊電車『電鉄(ジョンチョル)』と、KTXを含む都市間輸送列車『列車(ヨルチャ)』の2種類になっています。

なお、近郊電車『電鉄(ジョンチョル)』は地下鉄に直通する関係上、『地下鉄(チハッチョル)』と言う人が多いです。

ところで、『電鉄(ジョンチョル)』と『列車(ヨルチャ)』。
切符の買い方も、乗車方法もまったく違うので、別な鉄道と考えるのがよいです。

ちなみに、ここでの韓国語の表記ですが、ハングル通りには表記していません。
日本人がハングル通りに発音しようとすると、パッチムの発音が韓国語ではありえない発音になってしまうので、現地ではまず通じなくなります。
日本人が発音することが可能な発音で、現地の韓国人に通じる発音にアレンジして表記しています。

 

基本的に韓国人は、鉄道に無頓着

韓国の鉄道についての説明は多くのサイトで行われていますが、やっぱり鉄道大国、日本人の視点によるところが大きいです。
韓国人は基本的に、鉄道にはえてして無頓着です

なんせ、鉄道駅は、アメリカの鉄道駅と同じで、待合設備が貧弱、駅周辺には食堂もホテルもなく、バス停がないのはもちろん、タクシーすら客待ちしていないケースが目立つので、出かける用事があったら、自然と脚は、これら鉄道駅にないものが揃っているバスターミナルに向かいます。

それじゃいかんということで、Korailは、せっせと鉄道の改革を進めているというわけです。

 

電鉄(ジョンチョル)。一般的には地下鉄(チハッチョル)と言うことが多い

1974年、日本の技術援助で誕生したソウル地下鉄1号線が発端となった新しいタイプの鉄道。

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早い話が地上を走る通勤電車なのですが、ソウル地下鉄1号線が発端となった新しいタイプの鉄道なので、地下鉄という人が圧倒的に多いです。

標準軌(1,435mm)で、交流25kV60Hz(地下鉄区間は直流1500V)。
電車は基本的に交直両用車。
時速180km運転が可能な高速車で、プラットホームの高さ以外、KTXと同じ仕様のため、KTX高速線も走れます。
実際、京釜電鉄線光明シャトルは、KTX高速線を定期運行しています。

ちなみに、『通勤電車』とは言いません。

というのも、都市間輸送列車の種別で、『通勤(トングン)』という、遅い、本数が少ない、よく遅れるの3拍子揃った超不人気列車(絶滅寸前)があるため(ややこしい)。
『通勤(トングン)』の評判は最悪ですが、地下鉄は人気があります。

高床式ホームに発着し、基本的にバリアフリー
韓国の鉄道がほとんど非電化であった時代より電鉄線は全線電化しており、ホームドアの整備も進んでいます。

ちなみに、電鉄区間は送電能力に余裕のある交流2万5千ボルト送電。
地下鉄区間はトンネル断面を小さくするため直流1500ボルト送電。

1970年代の日本の技術支援で導入した日本の技術がもとです。

当時、技術移転が行われた当時の日本の鉄道は、全般的に変電所の容量不足に苦しんでおり、電車を走らせたら変電所のブレーカーが上がって運行停止という事故が頻発していました(当時の日本の技術ってそんなレベル)。

ブレーカーが落ちた場合、下手にブレーカーを上げると、全列車が一度に起動してしまい、膨大な起動電流が流れて変電所が焼けてしまうので、必ず全列車のノッチOFFを確認した後、ブレーカーを復旧し、1本ずつ順番に再始動させる必要が生じるという厄介な話になります。

もし、エアセクションで停止してしまった列車があったら、ディーゼル機関車で引っ張り出してからノッチをONしないと架線が焼き切れるので、そもそもブレーカーを復旧できません。

電車を走らせたら変電所のブレーカーが上がったなどという無様な真似を、軍事独裁バリバリだった時代の韓国でやれば、マジで打ち首獄門の世界だったので、生きて日本に帰るには、ブレーカーが上がったなどという無様な真似をするわけには絶対にいかぬと、当時の日本人技術者が送電能力に余裕を持たせた結果がこれ。

新幹線用の大容量の変電所を韓国に持ち込んだ関係で、東海道新幹線と同じ、交流25kV60Hzで送電することになりました。
余裕持たせすぎだろ。

それでも電車の発着本数を増やせば、変電所のブレーカーが上がる可能性があるということで、もともと省電力設計の103系を車上切り替え付きの交直両用車に改造したものを韓国に持ち込んだという念のいれよう。

日本では新幹線試験用に時速200km運転可能な101系改造通勤電車があったのですが、せっかく送電能力に余裕を持たせたのだからと、この設計を韓国へ持っていく103系改造電車にぶち込んだ結果、韓国の電鉄用電車は、切妻箱型車体ながら、列車線を走る特急列車より速い時速180km運転が可能という変態的な性能を持つに至りました。

この変態高速仕様は、韓国の電鉄線の標準的装備となり、現在に至ります。
ソウル地下鉄1号線が、ソウルからKTXで2駅以上離れた忠清南道牙山市新昌まで運行されているのも、KTXと遜色ない所要時間で走りきるこの変態高速仕様あってのことです。

後に韓国はヨーロッパ製のGEC電車も多数輸入しましたが、GEC電車は、変態高速仕様を盛り込んでいない、ごく常識的な通勤電車であったため、高速運転が必要だった京釜電鉄線や京仁電鉄線では使えませんでした。
また、メーカーが一方的に廃盤にして、部品供給を断って新車購入を迫るという、ヨーロッパ式商法にも辟易した関係で、103系変態改造車は生き残りました。
三菱電機がしぶとく、103系改造用電装品をリリースし続けたことも大いに影響しています。
もうとっくに廃車になっていると思ったら、意外なことに、交通博物館の展示車になったもの以外は、現在も内外装を改造されつつ、未だに使用されています。

 

都市間輸送の「列車」(ヨルチャ)

昔ながらの鉄道。電鉄線が優れているのはわかるが、地方の閑散線まで電鉄化改良ができないので、昔の設備のまま(電化だけはするが)、列車だけ近代化することになった

 

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 都市間輸送列車(KTX山川)

KTXー1導入時に続発したトラブルの反省の上に設計されているので、高性能。正面は大型1枚窓となっているのが特徴。整備にかかるコスト削減を目的として、機関車方式(動力集中方式)にしていたが、出力不足が原因の加速力不足による列車遅延が頻発したため、20両編成の場合、機関車を2両から4両に増やしている。おかげで、電車方式(動力分散方式)と整備コストが大差なくなっている。機関車の4両は乗客を乗せることができないうえに、ソウル-釜山間の運転時間は、時速165kmが最高時速のITXセマウルより30分早い程度。出力全開で、時速300kmを出して運転できる時間が短いためである。

 

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都市間輸送列車(ITXセマウル)

客車列車置き換えを目的に日本から導入された日立製作所製電車(ヌリロ号)が原型。ヌリロ号の車体がよくある鋼製であったため、例によって、日本から輸入する場合、同等のものが世界中にないことを証明しなければならない規制に引っかかったうえ、冷房装置と保安装置を担当したSLS重工業が倒産したため、ヌリロ号の輸入継続ができなくなった。そこで、走行部品や電装品は日本から輸入し、車体は東海道新幹線700系同等のアルミダブルスキン構造で現代ロテムが製造することとなった。正面はKTX山川同様、大型1枚窓となっているのが特徴。
ITXセマウルは、在来線しか走行しないが、電車方式(動力分散方式)になっているため、加速性能が高く、安定した時速165km運転が可能。そのため、ソウル-釜山間の運転時間は、時速300kmが最高時速ながら、列車が詰まり気味のKTXより30分遅い程度。電鉄線電車よりスピードは遅いが、従来からの鉄道施設を改修しなくても運行可能な点が評価されている。
乗り心地も、設備面も、特急列車といった感じ。
これなら、KTXでなくても、ITXセマウルでよくね?といった意見が鉄道関係者の間ででている。現代ロテムが開発した動力分散方式のKTXイウムは、塗装こそ青色だが、見た目はITXセマウルそのまんま。

 

都市間輸送列車(ムグンファ)

KTX開通前から存在する列車種別。昔は、韓国国内の鉄道が大部分が非電化だったため、大馬力の貨物用ディーゼル機関車で牽引していた。貨物用機関車ゆえ鈍足であったため、俊足のKTX乗り入れ列車や、ITXセマウルと同じ線路を走ると、円滑な列車運行に支障してしまうため、現在は、電気機関車牽引に変更されている。
もともとムグンファ号は特急列車であったが、今となっては鈍足なため、緩行列車の位置づけとなっている。車内設備は、特急列車だった時代のまま現在も使われている。客車は、古いものから廃車が進んでおり、機関車牽引の客車列車のムグンファは、いずれ、なくなる見込み。ソウル-釜山間441.7kmを走破する列車は何本かあるが、日本では絶滅した長距離鈍行列車(各停ではない)で、機関車牽引の旧型客車列車とあって、日本の乗り鉄には人気がある

 

『列車(ヨルチャ)』は、基本的に、通過駅のある急行列車しか存在しません。
最近まで、ローカルな駅に各駅停車していく鈍行がありましたが、単純に廃止されました。
ローカルな旅客輸送は、市外バスに任せるということのようです。
というわけで、急行列車の停車しない駅は旅客営業が廃止されました。ただ、信号所としては現役なので、建物は残っています。

 

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旅客廃止されたローカルな駅
旅客廃止されたとはいっても、信号場として機能しているので、建物もプラットホームも大抵残っている。

やっぱりドタバタになったソウル市庁建て替え問題

 

何事もきちんとスマートにこなすのを理想とする韓国人ではあるが、大概そうはならない韓国七不思議

現在のソウル市庁本館の履歴

現在のソウル市庁本館は、1926年に建設された大日本帝国朝鮮京城府庁でした。
これは、朝鮮を親日国に改造した後、再独立させるため、旧朝鮮王朝にはなかった必要な近代的行政機関を整備する目的で建設されました。

日本陸軍及び、その配下である朝鮮総督府は、そもそも、朝鮮再独立には反対で、京城府庁舎建設にも消極的でした。
従って、京城府庁舎建設は大蔵省主導で行われ、必要最低限の大きさの、法定耐用年数50年のこじんまりとした建物として建設されました。

この建物が京城府庁舎であった年数は、わずか21年で、1947年、大日本帝国朝鮮(実質はGHQが統治)ソウル市発足と同時に、ソウル市庁となりました。
翌、1948年、大韓民国建国と同時に、大韓民国ソウル特別市庁となり、朝鮮戦争のソウル攻防戦にも耐え、現在に至ります。

 



文化財庁とソウル市の攻防戦の幕が切って落とされる

ソウル市庁本館は、2023年現在、竣工以来97年を経過していますが、その大部分の76年間は、ソウル市庁でした。
そのため、2003年6月30日、文化財庁により、国家登録文化財第52号の指定を受けますが、その当時市長であった、後に大統領となる李明博市長の機嫌を大いに損ねることとなりました。
李明博市長は、日本統治時代の清算が政治信念であり、旧京城府庁舎であったソウル市庁本館は、ゆくゆくは取り壊したいと考えていたからでした。

もともと、必要最低限の建物であったソウル市庁は、すぐに手狭になり、その後、6回ほど増築されています。
それでもソウル市の行政事務に支障をきたしたため、ソウル市庁周辺には、議会棟他、分庁舎が数多くあります。

また、住民登録など、市民相手の行政事務を行うにはソウル市庁舎はあまりに狭すぎるので、基本的にソウル市庁では市民相手の行政事務を行っておらず、区庁や洞事務所で市民相手の行政事務を行っています。

ソウル市の場合、ソウル市庁の庁舎より、区庁の庁舎の方がはるかに大きい分散型(非集中型)の市役所なのですが、そもそもソウル市庁の本館が小さすぎたことに端を発しています。

 

ソウル市庁新館が、なんでこんな変な形になったのかというと、巨大なひさしで、どうしても隠さなければならないものがあったからなのである

京城府庁舎であったソウル市庁舎をガラス張り庁舎に建て替える李明博市長の計画は、文化財庁もソウル市民も大反対だった

李明博市長によって、それまで分散型であったソウル市庁の行政組織を大改革し、一極集中型の効率的な行政組織とすべく、老朽化したそれまでのソウル市庁舎を取り壊し、地上19階の新庁舎を建設する計画が発表されました。

京城府庁舎であったソウル市庁本館を取り壊すことにしたのは、朝鮮総督府解体に端を発する日本統治時代の清算が目的でした。

ところが、これに噛みついたのがソウル市庁舎を国家登録文化財第52号に指定した文化財庁でした。

さらに、李明博市長は、全体建物の34%ほどの低層階を市民ホールや図書館、レストランとして、市民のための文化・観光施設として利用する計画として、市民に理解を訴えたのですが、市民からは、「首都ソウルの象徴性と歴史性、代表性が不足している」という意見が噴出し、市議会を通すことが不可能となり、廃案となってしまいました。

公文書上では、「首都ソウルの象徴性と歴史性、代表性が不足している」とまわりくどい言い方をしているのですが、要するに、『ソウルの歴史性の象徴である旧京城府庁舎を壊すな』ということで、新庁舎案は廃案となってしまったのでした。

 

文化財庁の反対で没になった22階建て新館建設案。後々騒動の原因となった太平ホール棟を抱え込んだ至極まっとうな建設案。この図にはウソ、偽りが一切ない。物理常識からいって、このような形のビルなら、徳寿宮に熱線攻撃を起こす可能性はゼロといってよい。ただ、ソウル市庁建て替え計画は、反日運動を口実とした文化財破壊が出発点だったので、もともと文化財庁の心証は非常に悪かった

 

京城府庁舎を残しても、ガラス張りの高層ビルを建てる案は徳寿宮への熱線攻撃を懸念する文化財庁によって妨害された

李明博市長は、これ以上ソウル市庁の新館建設の仕事はしていませんが、後任の呉世勲(オセフン)市長により、ソウル市庁の新館建設事業が進められます。

京城府庁舎を保存することにしないと、議会承認がとれないため、旧京城府庁舎は残すこととするのですが、その分、建設用地が狭くなるので、事務スペースの確保が難しくなるので、ソウル市庁の新館は総ガラス張りの近代的な22階建ての高層ビルとし、李明博市長の計画案に沿った形で議会承認をとることとしました。

ところが、またしても、文化財庁がソウル市庁の新館の建設案に噛みついてきました。

ソウル市庁のそばには徳寿宮があるのですが、徳寿宮の目の前に、ギラギラ光る総ガラス張りの22階建ての高層ビルなんて建てられた日には、朝に夕に、熱線攻撃を受けることになるからまかりならんと文化財庁が言ってきたわけです。

ソウル市は、強行突破で応じようとしましたが、徳寿宮に対する高度制限による工事不許可という処分が下され、新庁舎案は廃案となってしまったのでした。

 

事情を知っている人が見たら、肝心なことは何も書いていないソウル市庁新館建設計画図。非常に手間のかかった3Dの写実的な絵なので、すべて包み隠さず書いてあるようにみえるが、前出の没案にはしっかり描かれている太平ホール棟は描かれていない。描かれていないことさえ気づかせないように巧みに構成された構図のあざとさ。太平ホール棟が描かれていないということは、文化財の太平ホール棟を取り壊さなければこうはならないということに気付いた人、どれくらいいたのか、興味がある

 

黄色の部分が図書館、展示室等文化施設。青色が業務用区画と職員用食堂。灰色が駐車場と機械室。公文書を見慣れた人がみたら、絶対なんか隠していると思わずにはいられない、あまりにもあざとさだけが目立つ図面。本館と新館の容積が書かれているが、このような構造なら、本館と新館の容積をあえて書く意味はない。文化施設として一般の人の立ち入り可能な空間が不自然に多く、ソウル市庁舎新館が本当にこの通り作られているかは甚だ疑問ではある。ただ、これだけははっきりしているのであるが、地上に見えている部分より地下空間のほうが広い作りである。そして、肝心の太平ホール棟がどうなるかについての説明は一切ない。これが、太平ホール棟は取り壊すという意味であることに気付いた人、どれくらいいたのか、興味がある。

 

力学に無知な文系の人間が、意地と妥協とメンツのせめぎあいの末生み出したムチャクチャな図面のとおりの建物が、図面と寸分違わず完成しているということは、韓国の建築技術もなかなかたいしたものである。耐用年数?、省エネルギー性能?そんなこと構ってはいられないほど、設計図を持ってこられた現場は、死ぬほど迷惑したであろう。
『後先考えず、とりあえず、いわれた通りに作る』韓国あるあるである。
これが原因で発生する無駄な修繕・改造需要が韓国経済を潤すというカラクリである。
これが当たり前の社会だから、日本品質が韓国品質より2倍3倍優れていたとしても、韓国製の2倍3倍信用されるということにはならない。多少は、日本製の方が高く評価されることはあってもである。つまり、会社に利益をもたらさないオーバークオリティーってことになる。
写真左側、新館上層部の出っ張りは、徳寿宮を熱線攻撃しないよう、光を拡散させるための出っ張りである。


妨害されればされるほどムキになって反発する韓国人魂が炸裂する

日本人なら、これだけ妨害を受ければ、あっさり建て替えはあきらめるところではありますが、韓国人はしつこい。

  • 一極集中化による事務効率の向上
  • ガラス張りのビル
  • 市民のための文化・観光施設

ソウル市は、新庁舎を地上13階に階数を大幅に落とすものの、以上の、当初案を意地でも一切妥協しない解決案をとりまとめます。

階数を減らした分の建物容積を確保するため、新館の地下のみならず、旧京城府庁舎の地下にも庁舎を建設するという難工事必至の建設案をとりまとめてきます。

しかし、地上13階に階数を大幅に落とす以上、新館の容積を確保するには、どうしても新館側に出っ張っている旧京城府庁舎の太平ホール棟が邪魔で、取り壊す必要があります。

太平ホール棟は、旧京城府庁舎の目玉といっても過言ではない重要施設で、これを壊すといえば、文化財庁が意地になって工事を妨害するに決まっています。

そこで、太平ホールは移設するということで、読んですぐにはわかりにくいように文書はとりまとめ、文化財庁には特に説明はしませんでした。

そして、新館にひさしのように湾曲した壁面を設け、文化財庁に提出する図面や模型を一目見て、太平ホール棟の取り壊しがばれないように、細工したのでありました。

万事おおらかでいい加減と評される韓国人の間では珍しい、非常に姑息な手段ではありましたが、結果的にこれが効を奏し、ソウル市庁の新館建設ができることとなり、早速、工事が開始されました。

 

写真中央の煙突横の長方形の建物。これが、問題の太平ホール棟である

太平ホール

 

太平ホール

 

太平ホール棟の取り壊しがソウル市民にバレ、工事がストップする

これまでの事情などまったく知らない解体業者によって、大胆にも、1962年に増築された北館と1986年に増築された新館が取り壊された後、太平ホール棟の取り壊しが行われたのでした。

この順番で解体されたのは、単に、業者が解体した瓦礫の搬出の手間を考えてのことでありました。

工事は入札で発注されますから、業者も最もコストが安い工法を採用するに決まっています。
しかしこれは、絶対に逆にやるべきでした。
でないと、地下鉄市庁駅の出入口のある世宗大路から、太平ホール棟の取り壊しが丸見えになってしまうからです。

ただ、入札の過程で、太平ホール棟の取り壊しからやることを仕様書に書いておくと、文化財庁には絶対にバレるので、ソウル市としても、太平ホール棟の取り壊しからやるようには業者に指定できない弱みがありました。

 

ソウル市民の通報により解体工事がストップしたソウル市庁舎。太平ホール棟の解体がバレたのである

 

太平ホール棟の解体を知り、ソウル市庁の工事現場に駆けつけたソウル市民(とマスコミ)。この後、韓国政府に通報され、事件となる。市庁を取り囲む異様に高い防護壁は、太平ホール棟の解体を市民に見せないための細工であったことがバレ、これはこれで市民の怒りに火を注いだ

 

これを見て、文化財庁が、文化財を壊しやがったなと怒り心頭となる。ソウル市は、新館の地下2階に移設すると説明したが、「これのどこが移設なのだ!!」と文化財庁は納得しなかった。ソウル市は、太平ホールのコピーを新館の地下2階に作れば良いと考えていたが、文化財庁は、この壊されているホールそのものが貴重であり、意匠のコピーでは不十分だと考えていたのである

案の定、太平ホール棟の取り壊しにソウル市民が気づき、大騒ぎとなり、大勢のソウル市民がソウル市庁を取り囲む騒ぎとなります。

通報を受けた文化財庁が、ソウル市が騙しやがったと、大急ぎで駆けつけ、即刻工事停止を命令してしまったのでありました。

復旧不可能なほど取り壊してしまっていた後だったので、今さら工事を中止しても、どうにかなるものでもなかったのですが、韓国人のメンタリティーとしては、こういうとき、意地になっても元に戻せと言い張って、絶対折れないのです。

この後、文化財庁とソウル市との間で、「騙された」、「騙してない」の大喧嘩となり、半年ほど工事が中断してしまうことになりました。

ソウル市は、太平ホールは移築するという計画となっていて、文化財庁の承認は受けたと主張し、
「きちんと文書を読んでいなかった文化財庁が悪い」
の一手で押し切り、太平ホール棟の取り壊しを行って、一件落着しました。

その後、新館建設へと工事は移っていったのですが、韓国政府をコケにした以上、韓国政府の協力を得られるはずもなく、工期は1年以上も延び、苦心惨憺の末、ソウル市庁新館は完成しました。

ちなみに、ソウル市庁新館は、観光地として申し分のないほどたいへんきれいな場所で、レストランや展望台などを完備しているのですが、そうなったのも、ソウル市としての意地があったのでしょう。
なお、国の外郭団体である韓国観光公社は、ソウル市庁を観光地としていませんので、日本で出版されているソウルの観光案内書でも、ソウル市庁新館は、2023年現在、今のところ、完全に無視されています。

 

ソウル市庁新館内部。これが最高と考える価値観の人に、本館の文化財としての価値を説いても、恐らくは、まったく理解されなかったのではあるまいか。恐らく、理解不能であっただろう。ソウル市庁新館に行ってみてそう思う。そういう意味で、今の形で本館が残せただけでもアッパレであったと思う。

 

ソウル市庁新館内部

 

ソウル市庁新館内部

 

ソウル市庁新館内部

 

韓国人の夫婦喧嘩

韓国人の夫婦喧嘩は世界一激しいという噂が・・・

基本、体育会系女子の韓国人女性は、気性が激しい

喧嘩好きの噂の絶えない韓国人にあって、夫婦喧嘩は壮絶です。

基本、体育会系女子の韓国人女性は、なかなか気性が激しい。

日本人の感覚からすると、韓国ドラマの夫婦喧嘩はなかなか壮絶ではありますが、実際の夫婦喧嘩と比べると、2割にも満たないマイルドさ。
本物の韓国人夫婦の喧嘩は、激しすぎて、絶対に放送できるようなものではありません。

韓国人夫婦の場合、喧嘩の火蓋を切るのは妻と相場が決まっていますが、喧嘩すると、お互い口をきかなくなる日本人夫婦とは対照的に、韓国人夫婦の場合、徹底的に口論します。
論理性もへったくれもありません。
とにかく、あるだけ、言いたいだけ、全部吐き出してしまいます。

さらに、本物の韓国人夫婦の喧嘩では、暴力の応酬となります。
ここの部分は、韓国ドラマではカットされています。
日本国内ならDVが成立し、警察が出動してしまうレベル。
が、韓国国内では合法水準。
このことが、韓国の様々な家庭内不和、不幸の原因となっていたりしますが、警察が出動することはありません。

つい最近まで政治的混乱の渦中にあった韓国では、社会に暴力や自己中が普通に蔓延していました。
韓国人女性は、小さい頃から社会に蔓延する暴力を肌で経験してきていますし、『男性の家庭内暴力に屈するようではいけない』『先手必勝』と教育されてきていますから、とにかくメチャクチャ喧嘩が強い。

男は男で、妻をフルボッコにして大怪我させる腐れ外道も少なからずいますが、韓国人女性は「暴力を振るう男」=「小物」と教育されているらしく、妻に絶対手を上げない専守防衛を旨とする男は、韓国人女性は好感をもつようです。
そして、十中八九、和解の方向に舵が切られます。

 

仲直りに成功したら、日本人女性では絶対ありえないレベルの絶対的な忠誠を示す韓国人女性。日本人男性のメンタルでは、仲直りの成功はなかなか難しいのであるが

で、問題はここから。

お互い、腹の中をさらけ出しあったら、3秒前まで格闘戦していようと、なんであろうと、終了。
仲直り。
おしまい。
後になにも残らない。

それどころか、韓国人女性は、日本人女性では絶対ありえないレベルの絶対的な忠誠を示すことすらあります。

この壮絶な落差。

実は、中国人もこの傾向が強く、中国で韓国ドラマがバカウケする大きな理由となっています。

もっとも、普通の日本人男性のメンタルだったら、3回喧嘩したら、耐えられず、離婚かな?

 

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韓国でも、夫婦喧嘩で主導権を握るのは、口が達者な女性。これだけ怒りを爆発させても『愛してる』って言うし、献身的に尽くして嬉々としているんだから開いた口がふさがらない。

 

腹の中の怒りを吐き出すのが韓国式。基本、生理的な嘔吐と同じ

基本的に、相手の話なんか、全然聞いていない。
とにかく、自分の言いたいことを徹底的にまくしたてる。

喧嘩を早く終わらせるには、ダンマリを決め込んで我慢する・・・というのは逆効果。
かえって話がこじれます。喧嘩は一種のガス抜きですから。

こちらも負けじと、あるだけ、不満を全部吐き出してしまうのが吉。

確かに、皿が飛びます。
本が飛びます。
怪我します。
ときには流血します。

相手を怪我させたり、流血させたりはよくないよね。
あと、相手の面子を潰すと、面子がなにより大事な韓国人の場合、さすがに根にもつ性悪な奴もいるから、相手の面子を潰すのは危ないからやめよう。
いくら相手がこちらの面子を潰して挑発してきても、乗ってはいけません。
うっかり乗って、こっちが相手の面子を潰したら、相手の卑劣な攻撃に、正当防衛のお墨付きを与えるようなものです。

 

怒りを徹底的に吐き出したら、すぐに仲直りするのが基本ルール

一応、基本的に、お互い、言うだけ言ったら、尾を引かないのが韓国人の喧嘩。

というか、言うことを言わないで、いつまでも尾を引く喧嘩をする人を、卑怯だとか、根性がねじ曲がっているとか言います。

言うだけ言ったら、後、仲直りするよう努力をするというのが、韓国人同士の一つのルールとなっているようです。

 

論理的にいかに正しくとも、皆の反感を買ったら負け、それでオシマイという韓国人の社会の掟には逆らえない

そんなわけで、韓国人と喧嘩する時、やってはいけないのが、勝つために、理詰めで相手の矛盾点を突く、理詰めスタイル、論破スタイルの喧嘩。

日本人同士の喧嘩なら、理詰めで始まり、理詰めで終わる、論破しまくって、どっちが勝つか白黒をつける傾向が強いですが、これをやると、話がこじれる。

というのも、韓国人の喧嘩の勝敗は、喧嘩の事情を知る人達の同情をどれだけ集めたか、多数決で決まります。
論理的にいかに正しくとも、皆の反感を買ったら、それで負け、オシマイ。

相手の挑発に乗って、こっちが相手の面子を潰したら、相手の卑劣な攻撃に、正当防衛のお墨付きを与えるようなものです。
こうなると、こちらの論理的にいかに正しくとも、皆の反感を買うので、それで負け、オシマイ。

韓国人のなかでも、この韓国社会の掟が全然わかってなくて、周囲の憎悪を一身に集め、喧嘩に負け続ける愚か者も少なくはありません。
ですから、今回紹介したような綺麗なパターンで夫婦喧嘩が進まないケースもよくあります。

ちなみに、夫婦喧嘩にとどまらず、韓国の政治に至まで、論理的にいかに正しくとも、皆の反感を買ったら負け、それでオシマイということが韓国社会の掟となっています。

韓国が『治国家』ではなく、『治国家』であると揶揄されるのも、こういった韓国ならではの社会の掟が背景となっています。

 

韓国の草花 カスミザクラ(チョウセンヤマザクラ)

この桜は、日本では高山帯に自生しするため、あまり目にすることのない珍しい桜です。
気候の寒冷な韓国では、低山で比較的普通にみられるため、めずらしくはありません。

桜は、日本固有種で、韓国には存在しないと、特に日本の右翼政治運動家が力説しております。
しかし、韓国にも桜は自生しています。

桜という植物は、春に一気にピンク色の花を咲かせるバラ科の樹木という点では外見がよく似ているのですが、遺伝的変異体の幅が非常に広く、外見が似ていても遺伝子を分析してみると、木ごとに別種の植物であるというケースもめずらしくなく、種の同定が現在もあまり進んでいないという事情があるため、桜については、はっきりしたことがいえないことが多いです。

ちなみに、江戸時代に日本で作出され、今も接ぎ木で増殖される園芸種のソメイヨシノは、人為的に植えたものしかなく、韓国どころか、日本にも自生していません。

日帝時代に持ち込まれたソメイヨシノは、韓国にも散見されますが、土壌があわないのか、あまり大きくならないうちに幹が腐って枯れるケースが多いようです。

カスミザクラは、日本に自生する10もしくは11種あるサクラ属の基本野生種の一つです。

カスミザクラの名前の由来は、日本では高山帯にしか自生しないため、遠くから眺めるしかないケースが多く、霞のように見えるため、カスミザクラと言われるようになりました。

韓国では、低山で比較的普通に自生する山桜であるため、チョウセンヤマザクラと呼ばれ、長らくカスミザクラとは別種と思われていたのですが、遺伝的にはカスミザクラと同一であることが最近になって明らかになりました。

花柄に短い毛が生えているためにケヤマザクラ(毛山桜)とも呼ばれます。

比較的乾燥に強く、土壌の乏しい岩石地のような場所でも生育しやすく、韓国では、非常に大きな大木になります。

花の時期は遅く、5月上旬にならないと花が咲きません。

 

韓国の草花 キランソウ

キランソウは、韓国ではありふれた多年生草本です。
農村では、一面紫色になるほど、そこらじゅうに生えています。
原産は日本ですが、西日本を中心に分布し、朝鮮半島、中国にも広く分布しています。
花の色はスミレに似ていますが、花の大きさはずっと小さく、シソの仲間です。

なぜ、これほどまでに韓国にキランソウが生えているのか、謎ですが、この植物は薬草としてなかなか強力な薬効があるがゆえ、朝鮮王朝時代、日帝時代、李承晩時代、軍事政権時代と長らく続いた混乱期にあって、貴重な薬草として大事にされ、場合によっては、増殖されたのではないかと思われます。

この草は薬草で、開花期の全草を乾燥したものは、筋骨草(きんこつそう)とよばれる生薬となります。
薬効は収斂作用(血管を収縮させる)という、なかなかえぐいものであり、分量を間違えれば毒となる西洋医学の薬のような作用があるものゆえ、漢方薬には使用されません。
高血圧、鎮咳、去淡、解熱、健胃、下痢止め、切り傷などに効果があるとされますが、収斂作用のある毒物をそんなものに使用していいんかいという疑問は拭いきれず、民間薬としての利用にとどまっています。

内服薬としては、花が咲いていないと、他の植物との見分けがつかないので、花の咲く4月頃に全草を採取して、水洗い後に天日乾燥して調製されます。
高血圧、解熱、下痢止めには、乾燥品1日量5 - 7グラムを水300 ㏄で半量になるまでとろ火で煎じるか、1日量15グラムを500 ccの水で煎した汁を、1日3回分服する用法が知られています。

外用薬としては、火傷、切り傷、毒虫の刺傷による腫れ、あせもなどに、生葉汁を直接つける用法が知られていますが、これは収斂作用による止血、炎症の沈静化をねらったものになります。
腫れ物、打撲には、火であぶって柔らかくなった葉や茎を、紙に広げて張り付けるという用法もあります。

 

韓国の草花 ケイリンシロタンポポ(コウライシロタンポポ)

韓国のタンポポといえば、白い花が一般的で、最近は黄色のセイヨウタンポポも増えてきていますが、少数派です。

韓国の白いタンポポは一般的に、ケイリンシロタンポポ(コウライシロタンポポ)といわれていますが、日本固有種のシロバナタンポポと外見はまったく同じであるため、見分けがつきません。

ちなみに、染色体数を調べれば、2n=32がケイリンシロタンポポ、2n=40がシロバナタンポポという具合で、交雑もできなければ、雑種もできない完全な別種となっています。

染色体を調べるには、種子を発芽させて、生えてきた根を8ーオキシキノリンで前処理した後、酢酸で固定し、塩酸で解離処理した後、染色して顕微鏡下で観察するという非常にややこしいことをしなければならないため、おいそれと調べるわけにはいきません。

というわけで、韓国に自生しているケイリンシロタンポポといわれるものが、果たしてシロバナタンポポではないと言いきれるかどうか、非常に疑問ではあります。

なにせ、種子に付いた綿毛でフワフワと空中を漂って生息域を広げるタイプの植物ですから、人間の移動に紛れて遠隔地まで運ばれる可能性があるためです。

韓国の草花 シロスミレ

韓国のスミレには、白色のものも数多く存在します。

これは、シロスミレ Viola patrinii というもので、紫色のスミレとは別種です。

中国大陸東北部、サハリン、ロシア沿海地方が生育の中心地で、朝鮮半島にも広く分布しています。

韓国ではごくありふれたものですが、日本では珍しいもので、北海道、本州の岐阜県以東の太平洋側の山の中に偏って分布しています。

日本にも白色のスミレがありますが、純白のシロスミレよりも、やや薄紫のアリアケスミレが多いようです。