韓国のタンポポといえば、白い花が一般的で、最近は黄色のセイヨウタンポポも増えてきていますが、少数派です。
韓国の白いタンポポは一般的に、ケイリンシロタンポポ(コウライシロタンポポ)といわれていますが、日本固有種のシロバナタンポポと外見はまったく同じであるため、見分けがつきません。
ちなみに、染色体数を調べれば、2n=32がケイリンシロタンポポ、2n=40がシロバナタンポポという具合で、交雑もできなければ、雑種もできない完全な別種となっています。
染色体を調べるには、種子を発芽させて、生えてきた根を8ーオキシキノリンで前処理した後、酢酸で固定し、塩酸で解離処理した後、染色して顕微鏡下で観察するという非常にややこしいことをしなければならないため、おいそれと調べるわけにはいきません。
というわけで、韓国に自生しているケイリンシロタンポポといわれるものが、果たしてシロバナタンポポではないと言いきれるかどうか、非常に疑問ではあります。
なにせ、種子に付いた綿毛でフワフワと空中を漂って生息域を広げるタイプの植物ですから、人間の移動に紛れて遠隔地まで運ばれる可能性があるためです。