大韓民国観察記

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

エゴマ(ゲニップ)

東京都世田谷区の名産であった植物(世田谷の旧地名が『荏原』なのはそのせい)

現在は韓国でしかみられない青ジソと非常によく似た植物

青シソに非常によく似た植物です。
現在、日本ではほとんど食べられませんが、縄文時代早期の遺跡から食用に供されていた痕跡が発見されており、少なくとも、江戸時代までは盛んに食べられていました。

東京都世田谷区の旧地名、荏原郡の「荏」の字は中国語のエゴマを表す文字であり、明治時代までは、日本でもごくありふれた野菜であったことがうかがわれます。

 

なぜ日本からエゴマが消えたのか?

現在の日本ではほとんど食用にされていませんが、これは、エゴマの種子から青シソが生えてきて、それがたいへんおいしかったからという説があります。

エゴマの原産地では、エゴマとシソのあいのこが生えていて、日本にもたらされた時も、このエゴマとシソのあいのこではなかったかとする説が有力です。

日本で自家交配を繰り返すうちに、青シソが分離し、この風味が日本人の嗜好と合致したため、エゴマが駆逐されてしまったのではないかと考えられます。

日本の植民地時代、韓国にシソが入ったはずですが、なぜかシソは定着していません。
新聞のインクのようなエゴマのペリラケトン特有の臭いは、淡泊な日本料理の風味には合わせにくいことも確かで、むしろ癖の強い韓国料理において広く使われるようになったというのもわかるような気がします。

韓国でエゴマは焼き肉の付け合わせに始まり、サシミのツマとして、広く利用されています。
漬け物のチャンアチとしても、ごくありふれたものです。

 

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一般的な食べ方
肉や魚を食べるとき、避けて通れない寄生虫の感染を抑える効果があるとまことしやかにいわれているが、たぶんそんな効果はないだろう(シスト化した寄生虫エゴマの毒くらいでは死なない)。口の中に残る脂を拭い去り、口の中をさっぱりさせ、味覚が麻痺するのを防ぐ効果があることは確かである。シソでも同様の効果はあるのであるが、エゴマが良いか、シソが良いかについては、韓国人と日本人と意見が分かれるところではある。