実は、韓国人の理想は、日本みたいに、きちっとしていることなのであります
・・・それが、なぜかできない・・・それが大韓民国
ある日のソウル駅でのこと。
KTX発車25分前。
なのに、ホームにはKTXの姿はなく、電光表示板には特に異常が表示されている気配はなく、乗車ホームの表示もない。
機関車牽引列車のKTXは、トップスピードこそ速いものの、加速、減速が大の苦手。
構内の入れ替えにも時間がかかるので、他の列車の準備の邪魔にならないよう、始発駅では、早めにホームに入線して、出発の準備を万端に整えておかなければいけません。
「すみませんが、KTX275はどこで乗ればいいんですか?」
と近くの案内所の若い女性職員に確認すると・・・。
KTX275の発着番線の表示が抜けた掲示板
ちなみに、横の赤字は「亀浦」と書いてあって、これは釜山のローカルな地名。
東大邸から在来線を走る列車ってことを表していて、遅延とか運休とかいう意味ではない。
発車直前のはずのKTX275が行方不明。駅員も知らない。何で?
「掲示板を見て・・・あれ、ないですね」
おもむろに、トランシーバーを取り出して、
「放送室、放送室。KTX275が表示されてません。表示してください。えっ? 表示できない?」
「すみません。お客様。すこしお待ちください。」
「放送室。表示してください。発車まで時間がありません。列車が来てない?」
ほらみ。いわんこっちゃない。
乗客の問い合わせで発車直前のはずのKTX275行方不明が発覚
「すみません。お客様。すこしお待ちください。」
「放送室。表示してください。発車まで時間がありません。まだ決まってない? じゃあ、列車は? 待機中?」
案内所の職員、ようやく、たいへんな事態になっていることに気づく。
日本の鉄道マニアなら、すぐに理解できると思うのですけれど、KTX275の存在が、ソウル駅の駅員全員の頭からきれいさっぱり忘れられていて、当該列車は駅に進入できず、幸信車両基地から回送中の京義線本線上で立ち往生という、日本でやったら国土交通省からドン叱られる重大インシデントが発生しているらしいのです。
ちなみに、韓国でやったら、なおのこと、政府からムチャクチャ怒られます。
いい加減さを激しく嫌悪する韓国人社会だからこそ、日本以上に厳しく叱責される
意外にも、韓国人は、こういういい加減さが大嫌いなのであります。
実は、韓国人は、日本みたいに、きちっとしているのが理想なのであります。
こういういい加減さをみんな激しく嫌悪するのだけれど、なぜかいつもいい加減になる、ここが韓国という国の不思議さであります。
「すみません。お客様。すこしお待ちください。」
「放送室。表示してください。放送室。表示してください。放送室。表示してください。放送室。表示してください。」
只今、案内所の職員、パニックに陥っている模様。
韓国人の土壇場のリカバリー能力は賞賛もの。絶対にあきらめない
15分後ぐらいにKTX275の発着番線がようやく表示され・・・って、発車時間まであと10分じゃん。
「皆様、たいへん長らくお待たせしております。KTX275便、7番線に到着します。大至急、ホームに移動の上、ホームでお待ちください。」
8、9、10番線にKTXは止まっているのに肝心の7番線(一番左)にKTXが止まっていないってどういうこと?と女性職員がトランシーバーでガンガン怒鳴っていた。基本体育会系の韓国人女性は、怒らせると大抵怖い(ただしネチネチはしていない)。
ホームに行くと、車掌とういうか、パーサーというか、そんな感じの綺麗な若い女性職員がトランシーバーでガンガン怒鳴ってます。
7番線にKTXの姿はなく。
発車時間まであと5分じゃん。
韓国鉄道公社(KORAIL)の列車部門(電鉄じゃない方)の緩さは有名だが・・・
韓国鉄道公社がゆるいという話は、新聞紙上を賑わせているので、韓国人ならよく知っていることで、驚くほどのことはないです。
何も問題ない時でも、ソウルから釜山までいくと、10〜15分遅延が発生します。
そうすると、ソウルからKTXを発車させる場合、10〜15分間隔で発車させないと渋滞してしまうので、日本の新幹線のように3分間隔で発車させられないわけです。
そのせいで、KTXの1日の発着本数は需要に対して大幅に少なく、切符は乗車1ヵ月前でないと確保できないプラチナチケットになってしまっています。
ちなみに、韓国の鉄道すべてがゆるいのではなく、韓国鉄道公社の電鉄部門やソウル交通公社(地下鉄)は、東京メトロみたいに、きちっとしているので、日本の地下鉄のように3分間隔で走っていますし、韓国にきても違和感なく地下鉄に乗ることができると思います。
韓国では、わからないことがあったら、基本的に、スタッフに聞くというのが鉄則です。
忘れている場合が往々にしてありますから。