キムチに韓国料理らしい磯臭い風味をつけるのに欠かせない食材
最近の韓国人は意外と存在も使い方も知らなかったりする
単独では、無味無臭です。
キムチに混ぜると、キムチに本物らしい韓国風の磯臭い風味をつけることができます。
これが入らないキムチは、いくら韓国人が工夫をこらした薬味(ヤンニョム)を使っても、所詮、変わった白菜漬けです。
それで、韓国の家庭のキムチでは、カキを入れたり、タチウオを入れたりするのですが、どちらかというと、異常発酵の原因になったりして逆効果になってしまうことが多いようです。
カキや、タチウオは、異常発酵の原因になって、家庭のキムチが汲み取り便所のような臭いになる最大の理由なのですが、それはアカンと言っても、頑なにカキや、タチウオを使う人は絶えないのであります。
それゆえ、韓国人は、基本、他人の家のキムチには箸をつけないといった行動にでることは日常的にあります。
意外に韓国人でも、宮廷キムチには必ず入る、海松(ミル)(韓国名:チョンガッ) の存在を知らない。
実は、日本でも古代から中世までは常食されていた海藻
ミル(海松、Codium fragile)は海藻(緑藻)の一種で、世界の熱帯から温帯の海に広く分布し、浅い海中(干潮線より下)の岩礁上などに生育します。
1つの個体は、一つの巨大な細胞質からできてきて、中に多数の核を有するという異形の生物で、細胞という構造がはっきりしないという特徴をもっています。
すべての生物は1つまたは複数の細胞からできているという中学・高校で習う生物の定義から外れる生物であるため、中学・高校の理科の教科書ではまず出てこない特殊な形態の生物です。
現在の日本ではほとんど食用にはしていませんが、古代から中世までは一般的な食用海藻で、租税としても納められていました。
平安時代の和歌も頻繁に詠まれ、独特な深緑色は「海松色」と呼ばれています。
また、屏風絵や蒔絵に「海松模様」なんてものがありますが、海岸に生える樹木の松の葉をかたどったものではなく、海松をかたどったものになります。
現在でも神饌(しんせん)としては欠くことのできない海藻であり、例えば伊勢神宮の神嘗祭(かんなめさい)や宮中の各種祭礼などでは海藻のひとつに海松が用いられます。
ミルの酢の物
日本でも、神饌(しんせん)の文化のある伊勢などでは食用に供されます。ポン酢との相性は良い。