大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

平壌式白菜キムチ ・・・北朝鮮式

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[主材料]
白菜 6kg (2株)

[塩]
塩水用       150g(水6リットルに溶かして塩水にする)
白菜の軸への追加用 300g

[副材料(薬味)]
大根        2kg (300gを千切り、残りは角切り)
北朝鮮では、300gを普通の大根、残りはトンチミ大根とする)
細ねぎ       30g(みじん切り)
からし菜      80g(みじん切り)
せり        50g(みじん切り)
梨         200g(1/3個)
栗         4個
長ネギ(白い部分) 20g(みじん切りか千切り)
にんにく      80g(2個 細かく切ってたたいて潰す)
しょうが      30g(1個 細かく切る)
テナガダコ     1杯
牡蠣(生)     80g
イシモチの塩辛(液体) 80g
海老(アミ)塩辛  大さじ3
イカの塩辛    大さじ2
干ししいたけ    1枚
岩茸        2枚
トウガラシ粉    160g
糸トウガラシ    少々
塩         適宜

[肉のスープ]
 流水で充分に血抜きしたブリスケット(牛の肩バラ肉。脂肪が多い)200gを水2リットルで煮る


第二次世界大戦以前は、朝鮮半島の文化の中心地は、現在の北朝鮮平安道でした。
平安道の中心地といえば、柳京と呼ばれた平壌
それゆえ、平壌は、食の都としても栄えていました。

平壌名物といえば、まず冷麺が筆頭に挙げられますが、この冷麺の味を支えるのが、平壌特有のキムチです。
平壌のキムチは、塩辛くなく、漬け汁が多いキムチです。

白菜キムチ + トンチミ + 肉のスープ

というかんじになっています。
氷点下35度にもなる平安道北朝鮮)の厳しい冬の寒さに耐えるには、どうしても動物性タンパク質と脂肪が欠かせませんが、それをキムチで補給できるようになっています。
トンチミ同様、漬け汁は他の料理に使用されることが多く、ご飯にかけたり、麺類にかけたりして使うことも多いようです。
北朝鮮の名物、冷麺は、このキムチの漬け汁と、雑穀(寒すぎて、米や麦がうまく育たない)を挽いた粉で作った麺を合体させたものが起源だといわれています。
イカとは、北朝鮮で採れる小さなイカです。

韓国では入手困難な材料が多く、韓国で、このキムチはまず見かけることはありません。

韓国の常識として、このキムチは日本では絶対作ることができないといわれています。
というのも、肉汁入りのキムチは、発酵異常を起こして腐りやすく、韓国でもよほどの寒冷地で、かつ、達人でなければ成功しないものだからです。

逆説になりますが、平安道で、このような肉汁入りのキムチを作ることが技術的に難しいかといわれると、むしろ、肉汁のない韓国式のキムチの方が難しいようです。
越冬用にキムチを大量に作る晩秋ともなると、日中でも氷点下の日の多い平壌で作られているキムチなので、むしろ、水で漬け汁を作ると、食べる頃にはガチガチに凍ってカメから出せなくなります。
その点、漬け汁に肉汁を使っていれば、氷結をある程度防止できます。
氷温冷蔵庫(これは日本にはたくさんあるが、韓国ではほとんど見かけない)を使うなどの工夫をすれば、恐らく日本でも製造可能なのではないでしょうか。

 

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