大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

『地上の楽園』と呼ばれる地獄

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韓国でキリスト教会に行った青年が、牧師に、
「僕は死後に天国も地獄もないと思います。もし、あるというなら証拠を見せてください」
と言ったんだそうである。

すると、牧師は
「少なくとも、ここから30kmほど行ったところに大きな川があって、その向こうに、『地上の楽園』と呼ばれる地獄がある。私の知っている人は、何人も騙されて、大きな川の向こうに行ってしまった。私達が生きているこの世でさえ、このような有様だから、死んだ後に天国も地獄もない・・・なんてこと言っていると、おまえは絶対に騙されるぞ!!」
と言ったんだそうである。

臨津江は、『この世の楽園』と呼ばれる地獄と、我々の住む世界を隔てる大きな川。
仁川国際空港を離陸する飛行機は極力、臨津江から離れて飛行するが、天候と風向きの関係で、スレスレを飛ぶことがたまにある。
そんなとき、臨津江の向こうの、朝鮮民主主義人民共和国京畿道開城市が、眼下に見えることがある。

空の国境線

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美しい夕焼けは、時に、パイロットから方向感覚を奪い、空間識失調を誘発してしまう。

これはソウルの松坡区上空の写真で、仁川国際空港を出発した旅客機は、ソウル飛行場(軍用空港:松坡区牡丹にある)の電波標識を目印に飛んで行く。

旅客機のA席からの撮影で、つまり、北側を写した写真で、わりとすぐ目の前に、北朝鮮との軍事境界線があるが、とてもそうは見えない。
空に国境線は表示されていないが、だからといって、地上の国境線をイメージして飛ばないと、とんでもないことになる。

太陽の位置は、季節によってかなり変わるので、ソウル上空で太陽を目安に機首方位を決めてしまうと、あっというまに北朝鮮領空に飛び込んでしまうことも起こりえる。

雲海

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激しい暴風雨が、まだおさまりきらないうちに仁川国際空港を離陸した旅客機は、しゃにむに高度を上げていく。

雲を抜けると、決まって、えもいえぬ美しい雲海が現れる。
魂を奪われるような芸術的な空の風景には、安定した順調な天候よりも、空中分解の危険をはらんだ悪気象条件下に、遭遇することが多い。

昔聞いた機長の話で、台風後のフライトで、ロータークラウドというあまりにも美しい雲を見たフライト後、地上で機体を点検したら、主翼の外板にシワが寄る重大事故になっていたため、始末書を書かされたという話を聞いた。
主翼の外板にシワが寄った飛行機は、そのままだと主翼が折れる可能性があるので、主翼を分解修理するまで飛ばせなくなるのだそうだ。
年配の同僚から、飛行中、美しい雲を見たら、直ちに逃げろ、逃げられなければ、極力距離をとれと言われたのだそうだ。

乗客の目には、ただの美しい風景も、パイロットからみれば、心底肝を冷やす恐ろしい光景なのかもしれない。

雨がやんで

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旅立ちの朝に限って、欠航便がワンサカ発生するような大荒れの天候になる。

釜山の金海国際空港は、予備機がほとんどないので、日本へ飛んでいったっきり帰ってこない飛行機がでると、続行の国際線、国内線が軒並欠航になる。

そんなときは、KTXで仁川国際空港へ行けと、空港職員から案内がある。
携帯でKORAILのサイトにアクセスすると、なるほど、昼過ぎにソウルに到着するKTXに空席が出ている。

ならばと、夕方、仁川国際空港を出発する便に金海国際空港で振り替えてもらってから、予約したKTXに乗ってソウルへと向かう。

仁川国際空港も、大雨の降りしきる、なかなかの修羅場だったが、予備機が多数常駐する韓国の航空会社の便は、確かに欠航がほとんど出ていない。
離陸した飛行機は、乱気流の中をどこまでも上昇を続け、揺れが収まると、雲の間から陽がさしてきた。

五月の空

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韓国から日本に飛来する飛行機は、大抵、航路が競合する飛行機の少ない日本海上空を飛び、空港が近くなると、日本列島を横断し、着陸体勢に入る。

天気の良い日は、日本海の海岸あたりから徐々に高度を落とし、太平洋側に達する頃には、低空に達し、遊覧飛行のようになる。
5月の空は、上空には、まだ冬の乾燥した空気が残っているので、澄みわたっている。

とはいえ、もう半袖シャツでも汗ばむほどの季節のことである。
強い日差しで温められた空気との境には、いくばくかの雲が漂い、そこに乱気流帯があることを教えてくれる。

成層圏

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旅客機は、ほぼ音速に近い時速1000キロメートル(マッハ0.81)で飛ぶことができる。
とはいえ、空気の濃い低空で時速1000キロメートルを出すと、空気抵抗で恐ろしく燃料を消費してしまうので、国際線の飛行機は、空気のうすい3万9千フィート(だいたい1万2000メートル)を飛行している。
このぐらいの高さだと、成層圏に入ってしまい、地上ではどんなに嵐が吹き荒れていても、飛行機には影響がない。

韓国行きの飛行機は、飛行距離が短い関係で、成層圏を飛ぶことはまれだ。
しかし、台風が近づいている時ともなると、事情は変わる。
空港では、離陸できるんだろうかと心配になるほどの大雨であったが、乱気流の続く雲の中を、どこまでも空高く舞い上がった飛行機は、雲の上に出た。
そこは、真っ黒な空が広がる成層圏であった。

日本人ロス(コロナ・ウイルス騒動)

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街から人の気配が消えた。

平和ボケでノー天気な民、日本人の韓国民主化に与えた意外に大きな影響力

街から平和ボケの民、日本人旅行者が消えた

コロナ・ウイルス騒動で、日本人旅行客が韓国の街中から消えました。
平和ボケしていて、そこらじゅうで場違いな行動を繰り広げ、そこかしこで韓国人を失笑させていた底抜けにノー天気な人びとが韓国からいなくなりました。
ある意味、韓国旅行初心者の日本人は、平和とは何か、自由とは何かを教えてくれる生きた教材でもありました。

 

平和ボケの民は、自由と平和とは何かを教えてくれる生きた教材でもあった

韓国では日常茶飯事の大喧嘩も、トラブルを嫌う韓国旅行初心者の日本人の前では御法度。
この人達を満足させ、また観光に来てもらえる努力をしているうちに、市場で物を買うときには喧嘩しないことが当たり前になりました。
それまでは韓国には希薄であった他人のプライバシーを守る習慣も定着し、韓国人の日常社会は間違いなく暮らしやすくなりました。

 

韓国の日常は軍事政権時代に逆戻りしつつある

韓国旅行初心者の平和ボケ日本人を満足させるような努力は、今は必要ありません。
少しずつ、軍事政権以前の社会生活に戻りつつあります。
そして、韓国人の日常も、間違いなく暮らしにくくなりました。

 

しかし、自由と平和の味を知った民衆は、世相に不満を抱えている

街からは、お祭りのような明るい雰囲気がなくなりました。
日本人旅行客が街をうろちょろしていたときは、家にいても、バスターミナル近辺に出かければ、お祭りのような賑わいがありました。
今は、バスターミナル近辺に出かけても、コロナ対策のポスターがあり、保健所が繁華街を消毒している姿を見かけるだけです。
軍事政権の頃、銃を構えた兵士がバスターミナルや鉄道駅を警備していたのと比べればましですが、少なくともこの平和な何十年かの間に、お祭りのような明るい雰囲気がないと我慢できないようになってしまった生活習慣の変化に気付かされます。

 

「日本がなくても大丈夫だ」と必要以上に繰り返す大統領

韓国で、今、起こっている事は、治安の悪化です。
コロナ・ウイルスの不安に加えて、IMF危機を超える不景気がやってくる恐怖感で街は沈んでいます。
大統領閣下は、
「日本がなくても大丈夫だ」
を繰り返しますが、そんなくだらないことを、あえて繰り返し言わなければならないくらい、韓国人の心のなかにある日本人ロスは大きいということになります。