大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

韓国人は集合住宅がお好き

韓国で高級住宅といえば、高層集合住宅

一戸建ての家が嫌われるのには、韓国の厳しい冬の気候が背景にある

韓国の街で最も目につくのが高層住宅の団地。
特にソウルではものすごい数の高層住宅の団地があります。
一戸建ての家があるにはあるのですが、どちらかというとみすぼらしく、高層住宅の清潔感とは雲泥の差があります。

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韓国語で高層住宅の団地のことを『アパート』といいます。韓国で『アパート』が好まれる理由はいろいろあるとはいうものの、なんといっても、ー20℃以下に冷え込む冬の気候にあります。

 

ソウルで冬に水を液体に保つことは非常に困難

ー20℃の気温では、水はみるみるうちに凍ります。
冬の間、水は保温しておかない使えなくなります。

凍った水は、もはや砂や石と大差ありません。
ー20℃の屋外で水で大根を洗う実験をしてみればわかります。
2~3分もしないうちに水はジャリジャリしだし、大根は傷だらけになります。

 

冬に水道管を凍結させたら、修理代は20〜100万円(それ以上のこともある)

一戸建ての場合、配管が地下1メートルくらいのところを通っていて、水道メーターが外気と接触しているので、水道メーターのところから凍ります。
水道が凍結した場合、業者を呼んで、水道メーターを加熱してやって、凍結を解除します

15分もすれば、凍死する可能性のあるー20℃の気温の中、雪を掘り、氷を割って、メーターを露出させる作業は発注者の仕事。
私もやったことはありますが、生命の危険を感じるほどの危険な大仕事。
「日本人のくせして、生きてかえりやがった」とは業者の韓国人の弁。
寒さ慣れしている韓国人でもメチャクチャしんどい仕事なのです。
事情を知っている人が掘り起こしたって、それだけで所要時間は3時間。
配管事情のわからない業者は、危険すぎてやりません。

さらに、4〜6時間もかけて、屋外で水道の凍結解除する作業は過酷以外のなにものでもなく、実際、凍結解除1件につき、日本円にして20万円という超高額な料金は致し方なし。

配管探索まで業者にお願いしようとすると、業者探しは非常に難しくなりますし、仮に、受けてくれた場合でも、100万円単位のお金がかかります。

 

これが気温がー30℃にもなってしまうと、一戸建てではお手上げ

ソウルで一戸建ての家を持つということは、こういう管理をすべて自分でやらなければいけません。
もちろん、さらに気温が下がってー30℃にもなれば、一戸建てで水道の凍結を防ぐことは、どうがんばってもできません。

また、冬の韓国では、部屋の中を常に暖房していないと凍死する危険があります。
温水ボイラーは一度止まると、ボイラー本体や床の配管がガチガチに凍って割れてしまうので、不在中でもつけっ放しです。

一度凍ったら、よほど運が良い場合は別として、ボイラーを取り替えてもオンドルは春まで使用不能となります。

冬の間、ボイラーが止まらないように管理するのもひと仕事です。ガスは値段が高いので、灯油にするとなると(それでも1リットルあたり日本の2倍の値段)、灯油を切らさないように発注するのも結構神経を使います。

 

『アパート』の場合、地下3~4階くらいに受水槽があるし、管理は業者任せなので、安心で超お手軽

『アパート』の場合、地下駐車場の下、地下3~4階くらいに受水槽があるので、気温がー30℃になっても凍りません。

暖房の管理についてみてみた場合でも、『アパート』の場合、地域暖房センターがあり、ここで暖房用温水の管理を一手に引き受けてくれるので、手間がかかりません。

 

超寒い韓国の冬の間は、どうがんばっても部屋の気温が上がらないので、床暖房のオンドルにしてある

外の気温がー20℃だと、部屋の温度は暖房してもせいぜい5℃前後までしかあがらず(それでも25℃温度を上げている)、ストーブ方式では寒すぎるので、床暖房のオンドルにしてあるのです。

床の温度は、保温性がよく暖かい『アパート』の場合40~50℃前後。

隙間風の入るような低層オンボロアパートや伝統家屋では、部屋の気温がどう頑張っても氷点下なので、床の温度は70℃ぐらいにあげます。

韓国に引っ越してきたばかりの日本人駐在員がよくやる失敗は、スーパーで買った野菜、肉、魚を床に置きっぱなしにして腐らせるというパターンです。