大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

ホワイトなソウルに人は集まり、ブラックなド田舎から人は去る

韓国の首都と地方の格差は大きい。特に辺境との格差はひどすぎる

ホワイトな首都圏の生活。超絶ブラックな辺境の生活。ゆえに、田舎生活にあこがれてひどいめに遭う人が跡を絶たない

都落ち

日本では古来より、文明的に進んだ首都から、原始的生活を余儀なくされる田舎へ行かなければならないことをこのように言います。
もっとも、東京と地方の格差が少なくなった現在では、死語になりつつあります。

しかし、韓国では、首都ソウルと、地方との生活格差があまりにも大きいことはよく知られています。

 

ソウルの生活水準は東京以上。恐らく東アジアで最もホワイトな社会を確立している

近代都市ソウル。
韓国で最もホワイトな社会を確立していると言われている先進都市。
家も広く清潔で、ある面、日本より近代化が進んでいます。
韓国ドラマですら、地方との格差を考慮し、住宅設備をあえてソウルの水準より落とす必要があるぐらい。

完全電化住宅は当たり前。
外出先からスマホをいじると、家の中の家電製品がひとりでに動き出し、ご飯が炊かれ、食洗機が皿を洗い、洗濯機が洗濯物を洗って乾かし、家に入った時に寒くないよう、暖房がONされるという具合。

ソウルの氷点下25℃という猛烈な冬の寒さ、最高気温45℃(エアコンの排熱が盆地状のソウル市街に淀んでこうなる)の夏の暑さに対する対策もさることながら、燃料費、電気代ともに、日本の約3倍以上の高コストという事情があって、こういうシステムがあると、電気代が大幅に節約できるという経済的事情があるためでもあります。

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ソウルのよくある住宅。ある意味日本より綺麗で先進的。
ソウルの物価の高さも、日本人には信じられないぐらいだが、それでもここに人が集まるのは、極めてしがらみの少ないホワイトな社会だからという理由がある。
2000年以降に生まれたソウル出身の若者が、日本に来てまずびっくりするのが、日本人の生活水準の低さと、しがらみの多さというのはもはや定番。

 

地方都市の生活水準は一気に下がる。
しがらみの多さという点でもかなり暮らしにくい

ところで、一歩ソウルを出ると、急速に生活水準は低下します。しがらみの多さという点でもかなり暮らしにくくなります。

地方都市在住ともなれば、氷点下25℃という猛烈な冬の寒さをまともに喰らうのはあたりまえ。

生まれて一度も地方都市を経験したことのないソウルっ子ともなると、軍隊で、初めて冬の寒さに震え上がるというケースも、実はめずらしくない。

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地方都市のよくある住宅。
ソウルより軍事的にずっと安全ではあるが、それを差し引いてもなんだこれというレベル。確かに生活コストはソウルより格段に下がり、リーズナブルに生活はできるが、生活水準の低さは歴然としている。

首都と地方の格差の生まれた原因は、極めて短期間に経済発展した社会の歪み

こうなる原因は、韓国がきわめて短期間に経済発展したから。
地方が経済発展から完全に置いてけぼりをくっているのです。

朝鮮王朝時代のカマドから、段階を踏んで、ソウルの豪奢なシステムキッチンになったわけではありません。

漢江の奇跡と呼ばれる超過激な経済発展のせいで、朝鮮王朝時代のカマドが、いきなりソウルの豪奢なシステムキッチンになったのです。

つまり、貧乏で、豪奢なシステムキッチンが買えなかった田舎では、今も朝鮮王朝時代のカマドが現役というすごいことになっています。

 

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昔懐かし、オンドル釜のある台所。韓国の辺境。ド田舎では、まだまだ現役。水道と電気が長期間止まった場合、これでないと生活が成り立たない。
停電と断水は、往々にして、隣家との争い事に伴う破壊行為によって引き起こされるので、市役所や電力会社に相談しても無駄なことが多い。
警察に言ってもあまりの件数の多さが原因で相手にしてくれない。

初めて韓国へ行った頃は、この使い方を覚えるのに苦労した。
今では使い方がわからない韓国人の方が多くて、韓国人に使い方を教えるケースも多々ある。
一見汚れているようだが、全部吹き上がったカマドの灰なので口に入っても問題なし。
ソウルから来たこの家のいとこは、頑としてまったく箸をつけず、ソウルから持って来たお菓子とカップ麺しか食べなかったのだが。
ド田舎のオンドル釜が、すこしでもマシになる可能性は、ド田舎がホワイト化しない限り、基本的にない。

 

韓国の辺境となると、ようやく電気がとおったというレベルの生活環境。水道はないか、あってもよく断水するという驚愕の生活環境

さて、市外バスも1日1本しか通らないようなド田舎。韓国の辺境。
こういうド田舎でよくあるのが、朝鮮王朝時代と何ら変わらぬ封建的な生活環境。

とりあえず電気は通ったものの、水道はないか、あってもよく断水するという驚愕の生活環境。
市役所が水道敷設を住民にお願いしても、水に払う金などないと断られるケースが結構あります。

田舎では水道は自力で敷設するものという常識があるのですが、他人の水道設備を夜中に破壊するということが田舎では日常的にあって、私も破壊の現場を発見して乱闘したことがあります。
田舎では水道設備破壊が住民同士の報復手段として活用されているということです。
市役所が破壊不能なくらい頑丈な水道施設を作ったら、隣家を懲らしめる手段がなくなるから水道は作ってほしくないらしいです。

ソウルの人にこんな話をしたら、あきれていたけれど。

 

裕福になるということは、『物やお金を独り占めにする犯罪である』という集落独自の掟がまかりとおる韓国辺境の田舎

韓国のド田舎は、ソウルと較べたら、話しにならないくらい泥棒が多い。
いや、盗難ということが当たり前すぎて、泥棒という概念が、そもそも存在しないといってもよいです。
というのも、『個人の所有物』という資本主義の基礎を理解していない人があまりにも多いから。

他人の所有物を勝手に持っていったり、使ったり、売り飛ばしたりということが平気であって、お金がなくなれば、隣の家から持ってきてしまうということがよくあります。

警察が入っても、
「あいつが物やお金を独り占めしているのはおかしくないか?悪いのはあいつだろう」
「法律、法律というけれど、あいつが一人で生活しているんじゃない。そんなわがまま、ここで通用するとでも思っているのか」
と村人全員で猛然と抗議するというのもよくある話。
こうなると、警察も、集落の自治権上の問題から、手が出せなくなります。

集落全体がブラック化している場合、自分だけ下手に生活の改善を図ると、他の人からひどいめにあわされるだけなので、なにもしないということが蔓延しています。

そういう夢も希望もないド田舎に、若者が定着することはまったくないのであって、韓国の中で、最もホワイトな社会環境が確立しているソウルに人口は集中します。