大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

田舎の既得権の権化 クモンカゲ (よろずや)

f:id:sirius-B:20190930013343j:plain

韓国には意外とコンビニが多くて、昔、クモンカゲの果たしていた役割を担っている

 

クモンカゲ(よろずや)は韓国人の生活環境を象徴する文化だが、嫌われものでもある

コンビニが日本から上陸すると、クモンカゲのコンビニ化が起こった

コンビニが韓国に普及するまでは、町内に1つは必ずあったのがクモンカゲ(よろずや)です。

駄菓子屋の延長線上にあるような雑貨屋で、昔はそれなりに繁盛していたようですが、なにせ殿様商売。
上から目線が鼻に付き、汚い、賞味期限の切れた食い物を売っている etc. の悪評は尽きず。

クモンカゲなんて、そうそう日本人が利用する種類の店じゃないんで、これは現地に住む韓国人が言っていることなんですけど。
韓国人でも、クモンカゲというものが、とうの昔に絶滅した近代都市ソウルに住む人はあんまり知らない話。

コンビニチェーンが日本から韓国に上陸すると、クモンカゲの利用者がコンビニに殺到。
これを座視できなかったクモンカゲがコンビニに転換していきました。
今もコンビニで、大量のミネラルウォーターの調達が可能だったり、煙草や交通カードの販売とチャージを行っていたりするのはクモンカゲであった時代の名残りです。

 

高額なロイヤリティー料を払えないド田舎のクモンカゲは、そのまま残った

ただし、コンビニチェーンの最大の欠点は、非常に高額なロイヤリティー料。

低廉なロイヤリティー料をうたう韓国独自のコンビニチェーンが増加中であり、日系のコンビニチェーンは、契約更新を機に韓国独自のコンビニチェーンに模様替えするケースが目立っています。

ちなみに、韓国独自のコンビニチェーンにすらロイヤリティー料を払えないような経済成長から取り残されたようなド田舎には、昔ながらのクモンカゲが残っています。

 

f:id:sirius-B:20190930013422j:plain

クモンカゲはこんな感じ。タバコ専売シールが目印。
タバコ専売シールはすごい場末感を醸してる。
なお、韓国では昔から年長者の前での喫煙は厳禁で、一人、隠れて吸うもの。
オンドル着火用にライターを買うのだって、女性が一人でライターを買いに行くと、店員から「タバコを吸うのか?」と詰問され、販売拒否を含めた不快なめにあう。
女性の場合、基本、ライターは知り合いの店から融通してもらうもの。これがクモンカゲだけで通用する常識。韓国の一般社会では非常識極まりない接客態度。

 

百戦錬磨のタクシーのおっちゃんでも、田舎のクモンカゲは極めつけ厄介という 

客が寄り付きもしないクモンカゲが何で残っているかというと、これまたド田舎の既得権のせい。
クモンカゲの前が、大抵、1日2本ぐらいの割合で走っている緩行市外バスのバス停だから。

田舎じゃバスの停留所の標識は基本ありません。
発車時刻だって、クモンカゲのぶっきらぼうなオバチャンに聞かないとわかりません。

もっとも、時間を聞こうものなら、何か買ってけとブツブツ言われます。

ある時、たまたま乗った田舎のタクシーのおっちゃんにそのことを話したら、アホと言われました。
なんでも、百戦錬磨のタクシーのおっちゃんでも、田舎のクモンカゲは極めつけ厄介な存在なのだそうで、バスの時間のきき方にも、ネイティブの韓国人でも想像のつかない、ぶっとんだ作法があるのだそうで。

「おい、何してる?(直訳すれば、『おい、生きてるか?』)」

「まだくたばってねぇぞ。何が知りたい?」

「8時のバスは今日も来るか?」

「おまえにゃ教えない」

「来るんだな?」

「自分で考えろ」

[答えは、今日も来る・・・が正解]

素人が、まともに相手になる相手ではないとのこと。

バスの発車時刻を聞くだけで、ここまで嫌がらせをされなきゃいけないのかね。

もっとも、クモンカゲの主人に言わせれば、昔は他に店がなかったので、みんな頭を下げて買いに来たので、たいへん儲かったとのこと。
今じゃ厄介者扱いで誰も買いに来てくれやしない。
たまに来るのはバスの時間を聞きに来る人ぐらい。
てめえみたいな奴が増えたせいで、こっちは商売あがったりだ。
バカにするなということらしい。

タクシーのおっちゃん曰く、韓国の田舎に住んでいたら、近隣住民の嫌がらせの過酷さはこんなもんじゃないよ、とっとと安全な都会に帰りなとのこと。
まあ、ド田舎の既得権にしがみつくクモンカゲは、近所からも相当嫌われていたりしてね。

 

f:id:sirius-B:20190930013516j:plain

クモンカゲの中

ダメなクモンカゲはそんな感じだが・・・観光都市、全州の韓屋村に景観保全上残っているクモンカゲは、韓国標準のクモンカゲとは似ても似つかず、一つの観光アトラクションとして、丁寧接客、行き届いた商品の品質管理で繁盛しているようだ。