大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

交通カード

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韓国の交通機関の支払いに便利な交通カード

ソウル限定だったTマネーも、今や韓国全土共通

Tマネーは、当初はソウルの地下鉄、首都圏電鉄、路線バスの乗車カードという位置づけでしたが、タクシーの支払いや、韓国全土での市内バスでの使用が可能になり、現在ではコンビニ等での支払いなどにも対応しています。
変ったところでは、Tマネー専用のコインロッカーが地下鉄駅、鉄道駅で普及しており、コインロッカーを使う時、Tマネーが必要ということはあります。

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交通カードの購入は元トークン売場だったバス停近傍の売店や、バス停近傍のコンビニ(こちらも元トークン売場だった経緯がある)。チャージもここでできる。ちなみに、日本人が「チャージ」と発音すると、韓国語の女性器の核心部分を意味する単語になるので要注意。韓国人は「チャージ」と言わず、「充電(チュンジョン)」と言うように気を付けている。韓国人も「チャージ」と言う方が文法的に正しい事はわかっているが、あまりにも卑猥なので、そうしている・・・という話は、韓国でもずいぶん有名になって、日本人にはあえて「チャージしますか?」と聞いてくる韓国人も増えた。

 

キャッシュレス決済の決定版になれなかった交通カード

この圧倒的利便性により、キャッシュレス決済の決定版として、クレジットカードを駆逐するのではないかとも言われておりましたが、乗車カードという使い方しかしない人が大部分です。
というのも、Tマネーは、基本的にカード内部に残高データーを保存するという方式を採用しており、加えて、このカードも物理的な衝撃で破損しやすいという弱点があるためです。

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地下鉄駅で交通カードを買う場合は、写真左の青色の自販機で購入する。チャージもできる。

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画面左下の紫色のボタンが「Tマネーカード購入」、画面右下のオレンジ色のボタンが「交通カード充電(チャージ)」。
なんで「Tマネーカード」と「交通カード」と書き分けてあるかというと、交通カードとしては、他にcash beeカード、Rail+カードがあるため。

 

カード内部に残高データーを保存する方式を採用

基本的にカード内部に残高データーを保存するという方式を採用しているのは、地下鉄駅や、バスやタクシーなど通信環境が劣悪な場所で扱うことを想定した場合、通信回線が不要なこの方式の方が有利だからです。
データーセンターと通信しないのですから、処理は迅速になり、読み取り装置も非常に単純になり、安く整備することができます。

 

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cash beeカード。当初は釜山、慶尚南道専用交通カードだったが、現在は全国で使用可能。

 

初期型のTマネーは単なるメモリーカード

初期型のTマネーは、なんと、単なるメモリーカードだったそうで、カード内にしか残高が保存されていないため、破損した場合、カードにチャージしたお金を回収する手段がありません。
チャージ可能な金額は無制限のくせに、カードはよく故障するわけなんです。
これで大金をぱっくりもっていかれた韓国国民は数知れず。
「Made in KOREAは信用するな」という韓国生活のイロハが充分身についていなかった若者を中心に、被害が続出した模様。

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Rail+カード。韓国鉄道公社KORAIL)の通勤電車の場合、首都圏や釜山通勤圏を越えて運行されるものが多数あったため、韓国全土の鉄道で使える交通カードとして登場したらしい。現在は、利用できる範囲がTマネーと同じ。

 

メモリーカードだから残高の改竄にも弱かった

おまけに、Tマネーカードの残高を不正に書き換えられても検出が不可能という事態も発覚。
そこで、株式会社韓国スマートカードは、こっそりとTマネーを仕様変更。
カードにCPUを搭載し、不正防止を兼ねて、残高を追跡できるようにしたとのこと。
ちなみに、どれが旧型のTマネーか、どれが新型のTマネーかは、カードにはっきり明示されていないので、まるでわかりません。

 

性能保証期間は1年。1年を超えて使用したカードで残高が消失しても無保証

最新のTマネーカードの性能保証期間は1年。
それ以上使用した場合、チャージした残高の保証はできないとのこと。
しかも、破損した場合、T-moneyを取り扱うコンビニ(セブンイレブンを除く)で所定の用紙をもらい、記入して(当然韓国語で)韓国スマートカード本社へ故障したカードと一緒に送ると、銀行口座(韓国の銀行のみ)に入金されるというしくみ。
海外からの旅行者が消失した残高を払戻してもらうのはそもそも無理です。
しかも、残高賠償限度額が2万ウォン(2千円)のため、2万ウォン以上チャージする阿呆は滅多におりません。

 

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Uパス。ソウル市内バス用カードとして登場。登場は1996年と極端に早いが、中身は残高を記憶するための単なる512バイトの非暗号化メモリー。新品の販売をみなくなってずいぶんになるが、構造が極めて単純なので、なかなか壊れない。現在も使用できるが、ソウル限定。当局はTマネーに切り替えてもらうように画策しているが、よく壊れ、チャージした残高が取り戻せなくなるTマネーが祟って、ソウルでの所有率は高く、未だに使用され続けている。

 

日本の交通系カードは、メモリーカードではない

日本の交通系カードは、みんな1万円以上チャージしていますよね。
というのも、残高が突然消滅するなどという事故はないという信用があるからこそ。
日本の交通系カードの場合、基本的に残高データーはカードではなく、データーセンターのサーバーにあるため、カード内の残高を書き換えるという不正は不可能ですし、破損してもカード番号さえ特定できれば、カードにチャージしたお金を全額回収する手段があります。
そのかわり、使用時にデーターセンターとの通信が必須なため、タッチしてから、ピッというまですごく時間がかかることがあります。