大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

韓国ではユッケ(肉膾)は合法(広蔵市場)

韓国では、ユッケ(肉膾:牛肉)は合法

合法でも完全アンダーグラウンドなものであることに注意

日本では犯罪でも、韓国では合法なものはいくつかあります。
拳銃の射撃練習もまたそうですが、ユッケ(牛肉)の提供もまたそうです。

ユッケ(牛肉)提供が違法なのは日本国内の話であって、韓国国内では100%合法です。
しかし、韓国国内でユッケ(牛肉)は、完全アンダーグラウンドなものであることに注意しましょう。
韓国では、ゲテモノ食だという確固とした社会的共通認識があり、普通の韓国人は、そもそも食べないものです。
もちろん、ユッケ(牛肉)が大好きな韓国人もいて、家族に内緒で、一人こっそり食べるものです。

 

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韓国式ユッケ(広蔵市場スタイル)
これで1人前(200g)。肉の下に梨の千切りが敷いてあって、梨の千切りと肉を一緒に食べることで、オエッとならずに、200gを平らげることができる。かけてあるゴマ油の香りが秀逸。マッコリでユッケを流し込むのが通のスタイル。店にもよるが、普通にユッケで食事をしたい人向けに、普通のピピンパプもサイドメニューで出す店もある。スープとキムチがおまけでついてくる。これがまた絶品。ピンデトックと一緒に食べてもよい。
ユッケ自体の店ごとの味の違いはほとんどないが、サイドメニューに大きな差があって、客の入りが分かれる。名店といわれる店でもサイドメニューが自分的には外れだから、あえて入らないというケースも少なくない。

基本的に1人飯は避ける韓国国内にあって、食通の集まる広蔵市場は1人飯大歓迎の変わった場所。
というのも、家族に内緒で、ユッケを一人こっそり食べに来る韓国人がいるため。一人飯は、男性とは限らない。ユッケを一人で3皿平らげる、文字通り、肉食美人女性も、実は多かったりする。

 

ユッケは、広蔵市場に行くと、本場物が食べられる

広蔵市場は、東大門市場の西の外れ、鐘路5街駅の西に広がる在来市場。
ここは、チマチョゴリの販売を行う広蔵市場ビルと、通路のアーケードで営業する食品市場で構成されています。

ユッケを提供している飲食店は、広蔵市場ビル入口付近の街路に存在しますが、広蔵市場に行く人のほぼ9割以上がユッケを提供している店とその周辺の屋台を目的に行くので、朝から晩までものすごい人だかり。
平日は外国人(特にユッケ好きの日本人)率が非常に高いですが、土日は物珍しさから、韓国人観光客も、ドッと押し寄せるので、ものすごいことになります。

 

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テレビなどで有名になりましたが、ここは伝統的には市場外の道路。
写真はスケルトンアーケードで明い一角。この市場は、基本撮影禁止なんだけど、市場外の区画では、なし崩しでみんな写真を撮っている。客寄せになるので店主も怒らない。ただし、さすがに営業を邪魔したら怒られるのと、提供された料理の写真を撮りたいこっちの事情は一切無視になるので、そこんとこヨロシク。

この市場、アーケードのせいで真昼間でも真っ暗です。

道路の屋台はスンデとか、チジミとか、焼肉とか、オデンとか加熱系の食べ物。
道の両サイドの店舗にユッケとか、サムナクチ(手長ダコの踊り食い)の店があります。

ソウルの明洞でも、確かに観光客目当てにユッケを提供する店はありますけれども、衛生的に大丈夫かなあという感じであることは否定できません。

広蔵市場の人が言うには、ユッケを食中毒を出さないように提供するには、かなりのノウハウがあって、その最も重要なノウハウである新鮮な牛肉の確保は、数量が出る広蔵市場ならば簡単なのだけれども、明洞でそれができるのか、恐らくできないのではないかとのこと。

 

ユッケの店が広蔵市場の目立つところにないわけ

広蔵市場内に存在する広蔵市場カーストで言うと、チマチョゴリの販売を行う業者が上位。
次いで家具販売店
ユッケを提供する店のある食品市場は相対的に下位となります。
特に、市場の端っこで、常設店舗を持たない通路で商いをしている屋台が最下位ということになります。

 

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広蔵市場ビルのチマチョゴリ
(基本撮影禁止。市場内になるので、ここでは撮影禁止のルールが結構厳しい)

壁に掛かったチマチョゴリは見本。本気でチマチョゴリを作る気なら、見本を下ろしてみせてもらうべし。
店主がぶっきらぼうで、入りにくいのは、韓国全土の全てのチマチョゴリ屋に共通する。韓国人相手でも同じ。
縫製後、日本へEMSで発送してもらうことが通常は可能。
近くで見ると、見本用のチマチョゴリは、埃と、クモや虫の糞が付着していて、結構ひどく汚れていることが多い。
注目すべき点は縫製の上手下手。
エラそうなこと言う割に、縫製の下手な業者も多く、縫い目が曲がっていても頓着ない店に注文してはいけません。ただし、下手なら下手で、あー、残念。せっかく気に入ったデザインなのに。近くで見たら縫い目曲がってるじゃん・・・なんてこと言って渋っていると、バンバン値段を下げてきて、6~7万円以上はするチマチョゴリを半値以下の3万円程度まで下げてくるので、侮れない。
ちなみに、ソウル江南の韓服店で買うと、16〜22万円するのが普通なので、6~7万円でもスーパーディスカウント価格には違いない。

 

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ユッケを提供する店
ただし、店の名前はチジミ屋だったり、ピピンパプ屋だったりする。
正面切ってユッケというのは、はばかられるというのが韓国人の共通認識。
店の入り口にあるユッケの写真が符牒。「육회」の文字も目印。
店に入ると、ユッケ、ユッケ、ユッケの山。

市場内の道路は、法律上ソウル市道ということになっているのですが、その法律も、大韓民国建国後に後付けで作った法律なので、朝鮮王朝時代末期にできた広蔵市場の場合、事実上無効。
道路の占有権は広蔵市場の興業師がもっていて、場所代を徴収し、管理しています。

日本では、イオンとかヨーカドーが興行師にとってかわって、ショッピングモールを作っていますが、韓国は、まだまだ、的屋(まとや)、香具師(やし)、三寸(さんずん)の類が幅を効かせている感があります。
 

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営業日、営業時間が店それぞれ違うので、全部が揃ってオープンしていることは稀。とはいえ、土日は稼ぎ時なので、開店率は高い。

昼間っから酔っぱらいが多いんで、場末という言葉が非常によく似合う広蔵市場飲食店街ですが、みんな金回りの良い人たちの経営する店なので、味は江南の高級店よりはるか上のことが多いっていうんですから、世の中わかりません。
世界の食通にはよく知られたソウルの一角になります。