大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

違法物資取引で名を馳せた、釜山 国際市場

釜山の魔界といえば、国際市場

どこからどこまでが国際市場なのかはっきり区切れないのも国際市場らしさ

国際市場(クッチェ・シジャンと発音すると通じる)とは、南浦洞(ナンポドンと発音すると通じる)に存在する在来市場のことです。
ハングルから正確にカタカナに転記すると、(クックチェ・シジャン)(ナムポドン)なのですが、パッチムリエゾンがあるので、当の韓国人はそのように発音はしてません。

 

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ソウル在住の韓国人に尋ねて釜山の国際市場の位置を正確に言える人は少ない
映画、テレビ、旅行案内でも、違う場所の写真が使われることがある
1990年代の違法物資が溢れていた頃の国際市場の活気は現在とはまた一味違った
その頃の違法物資は現在も販売されているが、法律の変更でほとんどが合法化された

本来というか、狭義の国際市場とは、中区路沿いの国際市場ビルのことを指し、1階には、食器店、電器店、雑貨屋などが入居し、2階には韓服屋(チマチョゴリ屋)が入居するという、他の在来市場でもよくある構成となっています。

 

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国際市場の写真でよくでてくる場所
国際市場の北の端あたりの古い家屋が密集するあたりで国際市場ビルではない
ここでは韓服(チマチョゴリ)は売っていない

 

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国際市場ビルの中。暗い
店の間の狭い階段を上がって2Fに行くと、韓服(チマチョゴリ)屋がある

 

「国際」という名前の由来は、福岡や下関から密輸された違法物資にある

ところで、「国際」という名前は、市場ビルの周辺の住宅地で、主に福岡や下関からのフェリーを使って密輸された違法物資が販売された経緯にありまして、まっとうな在来市場であった国際市場ビルは違法物資の販売とはあまり関係がありません。

今はそんなことないのですが、昔は釜山税関職員の給与の遅配欠配は慢性的であって、貿易商から賄賂を受け取らなければ生活できなかったという事情があり、密輸品の見逃しは、これまた日常茶飯事だったという事情が、国際市場を拡大させていきました。

違法物資として販売されていたのは、小型エンジン、炊飯器、ストーブ、こたつ、クロムバナジウム鋼を使った日本製高性能工具にはじまり、ショーワのゴム手袋からママレモンまで。
日本のホームセンターに普通に売っているようなものが、韓国の国産品製造業保護政策のため、軒並み違法物資でありました。

 

政府が使用を奨励する韓国の国産品の品質が、実用に耐えない粗悪品だったから、違法物資取引は拡大に拡大を重ねた

しかし、言わせていただくと、韓国人だって、誰も好き好んで日本からの違法物資に手を出すわけではありません。

政府が使用を奨励する韓国の国産品の品質が、実用に耐えるものであればよかったのですが、そうじゃなかった。
日本からの闇物資が、韓国では生活必需品だったので、国際市場は周辺の住宅地を飲み込み、拡大していきました。

一向に改善しない韓国の国産品の品質が原因で、結局、韓国は、日本からの闇物資を合法化せざるをえなくなったのであります。

 

・・・あれは、ほんとうにひどかった

例えば扇風機。
30分以上連続運転すると、モーターが焼けてウンともスンともいわなくなる・・・とか。(大宇の扇風機は特にひどかった)
今でも韓国人で家電製品の長時間連続運転を生理的に嫌う人が多いのは、これで火事になった家がかなり多かった経験からきています。

例えばテレビ。
リモコンがないと使えない構造なのに、リモコンのボタンの接触が悪く、テーブルに叩きつけないと電源が入らない・・・とか。(サムソンも古い製品はひどかった)
今でも韓国人で不調の家電製品を叩くひとが多いのは、これで治ったケースがかなり多かった経験からきています。

例えば炊飯器。
3回に2回はご飯が炊けてない・・・とか。
飯が炊けるか炊けないかは運次第・・・とか。

例えばエアコンプレッサー。
ドレンコックを開けると二度と閉まらなくなるので、ドレンコックが開けられず、エアタンクに水がたまって動かなくなる・・・とか。

 

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市場ビルから外を見ると、ビルの周辺の方(場外)が賑わっているのがわかる
これが、釜山の国際市場の特徴である

 

本来、国際市場とは、正規の在来市場周辺の闇市場の名前だった

「国際市場」のネーミングも、実はおかしなことになっております。
現在「国際市場」を名乗る、正規の在来市場は、もともと国際市場ではありませんでした。

今でも「南浦洞」と呼ぶ人も多いのですが、それがこの市場の名前であったようです。
そして、周辺の闇市場の名前が「国際市場」だったんです。つまり、場外の闇市場の名前を、正規の在来市場がパクったような格好になっています。
ですから、国際市場ビル周辺の比較的広い地域一帯を、「国際市場」というのが正しい。

現在も、国際市場ビルより、その周辺の方が賑わっています。
日本人目当ての射撃練習場が国際市場ビル周辺あることからもわかるとおり、未だに怪しさ満点の雰囲気は残しています。

 

隣の富平市場も、堂々と「国際市場」を名乗ることが多い

隣の富平市場も、違法物資を扱っていたので、釜山在住の韓国人の間では「国際市場」と言われることが多いようです。

富平市場は、料理屋や、食料品店が多いという特徴があります。
富平市場の料理屋といえば、韓国有数のゲテモノ食の販売でも有名でありまして、「国際市場」に負けず劣らず怪しい雰囲気満点でした。

ただ、ゲテモノ食の販売は、外国人観光客を集めるのはソウルの広蔵市場を見てもわかるとおり。
最近では、近隣のチャガルチ市場でもゲテモノ食の販売をやりはじめ、人気を集めています。
いいんだろうか?