大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

ソウルのヤミ商街 ソウル乙支路道具屋街

韓国でヤバい物資を調達する際は、ここへ行け
(注:日本では日常的な生活物資が韓国ではヤバかったりする)

日本から輸出が禁止されている物資が取引される闇市場

ソウルの乙支路3街から乙支路4街周辺の清渓川の両岸に、道具や工具を扱う卸商が軒を連ねています。
ここは、日帝時代、日本人居住区があった場所になります。

営業中の商店は大通りに面した部分に限られ、大通りから一歩路地に入ると、スラム化した区画が広がっており、日没後には著しく治安が悪化するという問題を抱えています。
従って、昼間は人々が行き交うこの界隈も、日没を迎えると、人通りが途絶えてしまいます。

隣接する広蔵市場、中部市場と根本的に異る点は、この地域を仕切る興行師がいないこと。
それゆえ、韓国では市場という扱いになっておらず、非常に知名度が低くなっています。

乙支路道具屋街の地区によって、取り扱う品目が異なります

乙支路3街:清渓川北側 電工部品・電動工具・照明器具・電工工具・イルミネーション
乙支路3街:清渓川南側 一般工具・特殊工具・ポンプ・草刈機・チェーンソー
乙支路4街:清渓川北側 電工部品・電動工具・照明器具・電工工具・イルミネーション・包装資材・梱包資材(市場の商店が使うもの)
乙支路4街:清渓川南側 家具・内装材

 

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乙支路の道具屋さんでは、日本のホームセンターで普通に売っているものが並んでいるので、めずらしくもなんともないが、これらほとんどが日本国の戦略物資(軍事転用できる物資)に該当し、日本からの輸出規制品目というのだから恐れ入る。日本のホームセンターで売っているものは、ほとんどが戦略物資(軍事転用できる物資)に該当するので、韓国に郵送することはまずできない。日本の郵便局から発送する時、全品目、1つ1つ、戦略物資に該当しないか、厳しい検査を受けることになる。韓国の郵便局も、建前上全品目、1つ1つ、戦略物資に該当しないか検査することになっているが、韓国の国益上の問題があるので、建前を遵守しているかどうかは知らない。

 

乙支路道具街の危なさの理由は、日本国の外為法を意図的に破っている背景にある

ここのすごいところは、韓国ではなかなか売っていない高速度鋼のドリルの刃や、インパクトレンチなんかが普通に売っているところ。

普通鋼のドリルなら、街の金物屋でも売ってはいるのですが、そんなんで、ステンレスに穴を空けたら、一発でオシャカになります。

そういう、気の利いた専門工具は、日本なら普通にホームセンターで売っていますが、韓国では、ほとんど売っていません。

なぜなら、そういう工具は日本製で、しかも日本国の外為法で定める戦略物資・役務に該当するため、基本的に日本からの輸出には日本製府の許可が必要になっています。
基本、韓国に輸出が許可されるようなものではないので、韓国でそういうものを購入することはできません。

なのですけれど、乙支路3街周辺の怪しい道具屋さんに来れば、そういうものを売っています。
生活に必要なものなのに、真っ当な方法で入手してはいけないなんて、納得できないという義侠心に燃えた方々が、人にはいえない危険を犯して入手した戦略物資を

『正直価格』+『手数料』+『技術料(韓国語マニュアル作成費など)』

で販売しています。
入手が困難なものほど日本での販売価格より高くなる傾向があり、入手が極めて困難なチェーンソー(エンジン部分が戦略物資)なんかだと、日本の価格の2〜3倍が相場です。

なぜ韓国の警察が取り締まらないのかというと、韓国の法律は何一つ犯していませんし、ボッタクリとか、詐欺とは無縁の至極真っ正直な商売をしているためです。

 

卸売専門だが、一般客にも卸値で販売する

卸商といっても、個人商店の多い韓国のこと。
個人にも普通に売ってくれます。
ただし、基本、卸商ですから、懇切丁寧な商品の説明などありませんし、ぶっきらぼうな店主が多いのは致し方なし。

 

入手先は、日本のホームセンター・・・普通に売っているものが、なんでもかんでも戦略物資(軍事転用できる物資)指定で輸出禁止というのが問題の発端

日本のホームセンターで普通に売っているような高速度鋼のドリルの刃や、インパクトレンチなんかは、すべて日本の外国為替法により戦略物資(軍事転用できる物資)として日本からの輸出が禁止されています。

たかが、1本数百円の高速度鋼のドリルの刃を韓国で何で作らないのか非常に疑問に思うところなのですが、要するに、韓国では作れないのです。

このように言うと、必ず特定の韓国人からは、「そんなことはない。作れる」と反論をいただくのですが、日本なら1本数百円のドリルの刃。
乙支路価格で2000円〜5000円ぐらいするわけですが、これを韓国で作ろうとしたら、乙支路価格の10倍以上の値段になります。

日本のホームセンターで1本数百円のドリルの刃を普段見慣れているのからしたら、乙支路価格は、ボッタクリもいいところですが、韓国では、乙支路価格のような安い価格ではまず製作不可能ということなのであります。

一事が万事そんな具合で、韓国で何かまともな仕事をしようとすれば、日本で輸出禁止となっている戦略物資に手を出さないと、仕事にならないのであります。

そうなると、そういう、ちょっとした専門工具を買おうと思ったら、乙支路の道具屋さんに来なければいけません。

こんな状況は、50cc以下の小型エンジン、レアメタルマグネットを使用する高性能モーターなどなど、枚挙のいとまがありません。

韓国を旅行すれば、日本製の50cc以下の小型エンジン、レアメタルマグネットを使用する高性能モーターなど、腐るほど存在するのを目撃すると思いますが、全部ヤミで入手された戦略物資という具合。

 

ヤクザといわれる興行師が関わりたがらないリスキーな戦略物資取引

こういった戦略物資を扱う店が韓国の警察から摘発を受けることは絶対にありません。
韓国の国益上、日本からの戦略物資(軍事転用できる物資)調達は、必要不可欠なので、韓国政府は100%合法と規定しているためです。

また、日本領土内では合法物資のため、日本のホームセンターでブツを仕入れても逮捕されることはありません。

しかし、日本領土から一歩出た瞬間、麻薬・銃器に匹敵する違法物資となります。

持ち出そうとした人は凶悪犯となります。

ところが、韓国領土に入った瞬間、再び合法物資となります。
所持している人は逮捕されることはありません。

つまり、国境線をまたぐときが、最も危険ということになります。

なにも貿易商ではなくても一般人が戦略物資違法輸出で逮捕される危険性は、実際存在します。

仕事でどうしても必要だといって、ポケットにドリルの刃を1本隠して日本を出国しようとしても、非常に面倒な事になります。

i Phonだって戦略物資なので、未使用品を持って日本の国境線を越えたら凶悪犯です。

基本的に、未使用状態のi Phonを持って海外旅行しようとする日本人はいないと思います。
しかし、未使用i Phonをコレクションしているような好事家は危ない。

空港や港では、パソコンや携帯電話を検査されると思いますが、メモリーのなかにエロ画像やエロゲーがあるかないかなんてことはさしたる問題じゃないです。
そのi Phonが未使用状態かどうかが大問題なんです。

 

なぜ乙支路の道具屋さんが日本製府から摘発を受けるのか?

乙支路の道具屋さんが日本製府から摘発を受けることは頻繁にあります。
反復して違法物資の輸出を手がければ、当然足がつきます。
物資の調達のため、日本に入国したタイミングで摘発されます。

乙支路の道具屋さんも馬鹿ではないので、巧妙に違法物資の輸出とならないように工夫を重ねていますが、日本の警察には別件逮捕という手もあるので、日本に入国中はいつ、摘発されてもおかしくありません。

少なくとも日本から玄海灘を通過する戦略物資は日本政府だけでなく、アメリカ当局が目を光らせているので、米国から日本の警察当局へ通報があるということは想定しておいたほうがよいと思われます。

韓国では現在、実店舗でそういう物資を扱うのはあまりにも危険ということで、戦略物資は取引は、インターネット上に舞台を移しつつあります。
また、最近では日本国領土外から、安全に日本製戦略物資の調達を行う貿易ルートも確立されつつあり、『上に規制あれば下に対策あり』ということが実感できます。

 

乙支路の道具屋さんは、ソウルのド底辺職といわれている・・・乙支路道具街の怪しさの理由は、韓国独特の職業差別が背景にある

乙支路の道具屋さん・・・というと、実はソウル在住の韓国人はほとんど縁のない場所。
乙支路に行くというと、魔窟か、お化け屋敷に行くぐらいの目でみられます。

この道具屋さん・・・ていうのは、韓国では下賤の職業という捉え方があって、実は好かれていません。
もともと、乙支路周辺は、植民地時代、日本人の住居が密集していた場所で、第二次世界大戦後、ここに被差別民が集まったことに端を発しています。

今は清渓川が整備されて明るい雰囲気になっていますが、少し前まで、清渓川高架道路の下の薄暗くて汚いスラムのような場所でした。今も綺麗とはいえない街並みですが、とても一般人が、近づけるような場所ではなかったのでした。

こうなったのも、朝鮮王朝時代、実業が非常に軽視されていた歴史がありまして、文学や法律などの専門家は身分が高く、優遇されていたのに対し、技術者は全般的に、被差別民の仕事というカテゴリー分けがなされていました。
なぜかというと、文学や法律などの専門家は体を動かさなくても稼げますが、技術者は全般的に体力的にきついからという理由です。

今でも、韓国では技術者は徹底的に馬鹿にする人が結構いて、引きこもりニートの方が、技術者よりマシなんていう暴論を吐く韓国人が少なからずいます。ここは日本とすごく違うところですね。

かつて、朴正煕大統領は、著書、「朴正煕選集1 韓民族の進むべき道」で、韓国人の『怠惰と不労働所得観念』『開拓精神の欠如』『企業心の不足』『悪性利己主義』『健全な批判精神の欠如』を指摘していますが、乙支路道具街は、それが目に見える形で明らかになっている場所でもあります。

ですから、観光客はあまり来てほしくない場所でありますが、ここが韓国の経済を支える重要な役割を担っているという大いなる矛盾が存在する地域でもあります。

室町時代までの日本も、だいたいそんな社会だったのですが、戦国時代の織田信長が登場したあたりから、日本では技術者の優遇が始まっています。
鉄砲だ、大砲だなんてものが南蛮から渡来してきたのがきっかけで、技術力の差が戦国大名の実力の差となったという故事に由来しています。

朝鮮王朝では、日本の戦国時代にあたる時代がなかったので、古くからの価値観が残ったと捉えることができます。