釜山港の規模は、東洋一と言っても過言ではない
開港したのは大日本帝国
釜山港というと、国際的に広く知られた貿易港ですが、その実態は一般人の常識をはるかに超える巨大港湾で、だいたい、大阪港と神戸港をあわせたよりも広いくらいの巨大な港湾です。
そもそもは、江戸時代に建設された日本人居留地であった倭館の跡地を整備し、大日本帝国が大陸侵略の橋頭堡として、軍事上、難攻不落の土地に建設した港でありました。
朝鮮戦争における北朝鮮軍の猛攻に耐えたことから一気に見直しが進み、それまでソウルに近いという理由から重要港湾であった仁川港を差し置き、優先的に整備が進められました。
現在の釜山港は、日本の港湾をぶっちぎりで引き離す東アジア最大の貿易港にまで発展しています。
釜山港には韓国の命運がかかっているから巨大化させた
韓国がなぜ釜山港をこんなに巨大化させたのかというと、世界2位と3位の経済大国、中国と日本に挟まれた天然資源のない小国であるという地理的要因が非常に大きく作用しています。
何か破天荒なことをしなければ、韓国には産業が育つ余地はまったくありません。
なぜなら、世界一安くて大量生産が得意の中国、世界一高品質で高性能なものを作るのが得意な日本と隣接しているという悪条件が揃っているからです。
しかも、半端なことでは、この2ヶ国と競争にはなりません。
産業がなければ、お金は稼げず、お金がなければ、韓国は国家としては独立するなどというコストのかかることを続けることはできません。中国か日本に吸収合併されるしか、生きる道はありません。
日本は先の大戦で、韓国を吸収合併するとどうなるか、散々懲りていますから、韓国を吸収合併するのは中国以外ありません。
韓国は、日本が大嫌いですが、中国はもっと大嫌いです。
韓国の独立を守るためには、何か破天荒なことをしなければいけないわけです。
韓国が目をつけたのが、貿易の中継点としての役割。
中国と日本の間にあるという地理的条件が非常に有利に作用します。
釜山港に韓国の命運がかかっているといっても過言ではないのです。
当然、軍事拠点的要素も兼ね備えているので、うかつに写真を撮ることができない地区も実際あります。そんな場所は特に情報公開があるわけでなく、一般人の立ち入りを許してはいないので、韓国人でも、その筋の専門家でないと、その全貌を知っている人は少ないという実態があります。
釜山北港 市街化が進んでいるので、土地が狭いのと、陸揚げされた膨大なコンテナを1個づつトラックで陸送しなければならないのが北港の弱点。
釜山北港 釜山駅が近いので、旅客扱いには向く
一般的に知られている釜山港とは、専門的には、釜山旧港、または、釜山北港といわれる地域で、釜山駅前に広がっている港湾です。
漁港的性格の強い影島の裏側の比較的小さな『釜山南港』
このほかに、影島の裏側の漁港的性格の強い比較的小さな港湾を釜山南港と呼ぶことがあります。
ここには、海産物市場で有名なチャガルチ市場、海産物取引で知られた富平市場があります。
釜山南港
チャガルチ市場
軍事施設としての性格の強い『甘川港』。北港から移転してきた漁港もある
甘川港は、昔、北港にあった漁港としての機能が大部分ですが、石油貯蔵施設があったり、韓進コンテナターミナルがあったりします。甘川港は、軍事拠点的要素が結構強く、関係者立ち入り禁止の区画が多いですし、カメラを持ってウロウロしない方が良いと思います。
甘川港
軍用飛行場の『金海国際空港』は、釜山港を形成する物流施設として一体整備中
金海国際空港も、実は釜山港を形成している物流施設です。
元々、金海空港は軍用飛行場で、北方の密陽市に民間空港として新たに釜山新空港を建設する構想もあったのですが、釜山港のど真ん中という立地から、釜山港を形成している物流施設として一体整備すべきという話になり、現在では物流拠点化が進んでいます。
わざわざ釜山港のど真ん中に航空機進入路に伴う制限空域(大規模建築規制区域)が設定されているのもそのためです。
金海空港の西にある『釜山新港』
金海空港の西側には、釜山新港があります。日本からも釜山新港へは多数のコンテナ定期航路が運航されています。
釜山新港 敷地が広く、鉄道と直結しており、大量のコンテナを一気に捌くことができる
韓国の鉄道は標準軌で車輌が大きく、海上コンテナを無駄なく直接搭載できる。釜山新港では、通関したコンテナを埠頭から直接鉄道で一気に輸送することが可能
釜山新港貨物ターミナル
韓国の鉄道は、もともとアメリカからの技術供与、資材供与により近代化され、つい最近まで、アメリカ製の低速だが馬力の強い機関車が多かった。速度面では高速バスに大きく劣ったため、旅客輸送は二の次で、貨物輸送の比重が大きかった。従って、もともと重量級貨物列車を頻発運行できる比較的先進的なアメリカ式の貨物輸送インフラをもっている。
こちらも軍事拠点的要素が結構強く、関係者立ち入り禁止の区画が多いですし、カメラを持ってウロウロしない方が良いと思います。
こちらは鉄道と直結したコンテナバースが並んでおり、巨加大橋(高速道路)を走ると、眼下にその巨大な姿を見ることができます。