大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

スマホが持てない貧民はGMSで買い物ができない大韓民国

韓国のGMSではスマホでアプリ決済が当たり前

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ホームプラス 比較的小さな地方都市にも出店している。
日本でDIYストアのことをホームセンターと言うが、ホームプラスではDIY用品は売っていない。在来市場の金物屋に行かないとDIY用品は買えない。従来、ホームプラスは、服飾雑貨から食品までを広く扱っていたが、コロナ禍中にネットショッピングが急速に充実したことで、服飾雑貨の売上が大幅に低迷してしまい、ネットショッピングに向かない食品のみの取扱いになる傾向がある。もちろん、クレジットカードを持たない層が一定数いるので、現金商売の在来市場もまだまだ幅を利かせている。

 

日本だと、地方在住者の娯楽はイオンに始まり、イオンに終わる

日本の自動車がないと生活できない地方都市では、イオンやヨーカドーのようなショッピングセンターが普通。
西日本に行けば、ゆめタウンとかサンリブとか、東京ではみかけないGSMもありますが、地方では、GMSが唯一の商業施設であり、娯楽施設と行った感じ。

 

韓国だと、地方在住者の娯楽はホームプラスに始まり、ホームプラスに終わる

韓国のHOME PLUS(ホームプラス)は、さしずめ韓国版イオンなら、ロッテマートは韓国版ヨーカドーといった感じでしょうか。
ロッテマートはどちらかというと都会指向が強く、地方に行けば、ホームプラス一色です。

コンビニ形態のHOME PLUSもあるのですが、日本のミニストップ同様、あまりシェアは大きくない模様。
コンビニ形態のロッテマートは、ソウルを中心に多数あるので、すごくセブンイレブンに似ています。

eマートは、都会を中心に展開する総合スーパーですが、コンビニ形態の店舗が多く、大きな店舗でも食品スーパーとしての性格が強いです。

日本では、会員制というところが嫌われて、さほどシェアのないコストコですが、韓国では急速に店舗を拡大しています。

アプリ決済できない人は、GMSで買い物できないことがよくある

買い物のシステムはイオンやヨーカドーと同一。
ただし、会計は、基本、クレジットカード決済。
ここで現金決済する人はまずいません。

コロナ禍の間に、韓国のキャッシュレス決済化は進みに進んで、物理カード(プラスチックカードのクレジットカード)を使う人もほとんどなくなりました。
携帯電話のアプリ決済で決済する人ばかりになってしまいました。

以前は、韓国人が外出する際、住民登録証の携帯が義務付けられていたのですが、これに代わって携帯電話番号の提示を求められるようになりました。
韓国のネットショッピングでは、『韓国で登録された携帯電話番号』がないと、買い物ができませんし、このシステムが一般店舗にも波及しつつあります

これは、韓国で、コロナ禍の3年間の間に、クレジットカードの不正利用がどうしようもなく増えたことと関係があります。

クレジットカードが不正利用されると、商品は不正利用した人のところへ行きますが、代金請求は不正利用されたクレジットカード所有者のところへ行きます。

以前は、クレジットカード会社が、不正利用被害者に、カード管理不行き届きを理由に、だまし取られた商品の代金全額の支払いを請求していました。
カード決済の契約をしてくれる店舗を1店舗でも増やすために、お店の利益は守のが原則。
これが不正利用だとわかっていても、知らぬ顔で、カード所有者に代金を請求していました。

ところが、コロナ禍の間にネット通販が大幅に普及し、韓国ネット通販最大手、Naiver、CacaoがNaiver決済、Cacao決済をやりはじめました。
Naiver決済、Cacao決済はトラブルが少なかったことから、クレジットカードの顧客を奪い始めるようになりました。
Naiver決済、Cacao決済は、GMSでもレジの機械にスマホをかざすだけで可能です。
こうなると、クレジットカード会社もカード所有者に代金を請求していては、カード解約に拍車がかかってしまうので、お店の方に代金支払い拒否をするようになりました。

こうなると、クレジットカードが不正利用の損害をお店がかぶらなければならなくなるため、お店側は防衛のために、買い物客に個人情報の提出を迫るようになったというわけです。
それが、お店が客に携帯の電話番号を求める(スマホをレジにかざす)という形で行われます

会員制ショッピングモールであるコストコが韓国で急拡大しているのも、携帯電話の番号さえ登録すれば、会員登録は終了という圧倒的な簡便性があるためで、買い物の度に携帯電話の番号を提示してポイント還元を受ける一般スーパーとの差はほとんどありません。

個人情報流出を警戒してコストコは避けるという人の多い日本と対照的です。

日本で進めているマイナンバーカード。
賛否両論があるようですが、支払いが不可能なプラスチックカードである時点で、マイナンバーカードは、とんでもない時代遅れの産物になっています。

韓国では、すべての個人情報は携帯電話番号に紐付けられており、携帯電話ですべての身分証明と支払いが済むようになっています

外国人観光客が来ないような場所、韓国人しかいないような場所にある店舗では、韓国で登録された携帯電話番号がないと、基本的に買い物ができなくなっています。

そのかわり、還元率がアホみたいに高いポイント制度があるようで、韓国人はせっせとポイント集めに励んでいるらしいということがわかっております。

 

クレジットカード払いだと、消費税がチャラになるほどのポイント還元率

日本のクレジットカードを使った場合、韓国で買い物をした分についても、日本の景品表示法及び消費税法が適用されるため、韓国のクレジットカードほどポイントはつきません。

韓国のクレジットカードで支払すると、消費税(付加価値税)は品目により異りますが、だいたい10%。
ポイント還元でこの消費税額が、ほぼ、ほぼ、チャラになると宣伝しているようです。

ちなみに、こういうことを日本でやるのは違法です。

 

アプリ決済が標準的なステータス。ゴールドカードを使うとびっくりされる

社会的信用度がなく、貧乏なほうから韓国人をカテゴライズすると次のようになります。

  1. スマホが持てない人、クレジットカードが持てない人
  2. スマホが持てない人、プラスチックのクレジットカードを持てる人
  3. スマホも、クレジットカードも持てる人

3.が韓国人の標準的なステータスになります。
ステータスが標準以下になれば、社会活動の幅が大きく狭まることになります。
また、ものを買う時の値段も、ステータスが下がれば、ポイント還元も受けられなくなりますので、その分高くなります。

カテゴリーによって、購買行動にも、以下のような制約が生じます。
誰でも、現金さえあれば、カスハラ・モラハラ何でもありで、神様気分で何でも買える日本とは事情が違います

  1. 農協、在来市場でしか買い物ができない
  2. GMSで買い物は可能だが、ネットショッピングは不可
  3. どこでも買い物できて、ポイント還元率が大きい

たとえ、生活費があっても、もし、支払い遅延を起こしてブラックリストに載ったら、韓国では、最下層貧民に転落決定となります。
5年間は這い上がることができません。

スマホの扱い方がわからず、クレジットカードなど持ったこともない現金主義者。
スーパーホワイトな人は、たとえ、財産を何億持っていようが、韓国では最下層貧民の扱いとなります。
スマホを買おうと思ったら、1日数本の市外バスに乗って、1泊旅行の必要な辺境に住む高齢者に、えてしてスーパーリッチな最下層貧民がいっぱいいます。

韓国でお金持ちとは、単に『お金をたくさん持っている人』ではなく、『お金をたくさん使える能力を持つ人』のことを指します
これも日本と違います。
これを社会の歪みと言うべきかどうかは私にはよくわかりません。
韓国では、広大な土地を所有し、資産家といわれる人のなかにも、GMSで買い物をすることすらできず、乞食のような暮らしをしている人はいっぱいいます。

見栄っ張りなら、所持金が多かろうと少なかろうと、意地でも、アプリ決済するに決まっています。

こうなると、クレジットカードが一般カードかゴールドカードかということはどうでもよいはなしで、韓国では、ゴールドカードというものは、ソウル江南のお金持ちの街でもまず見かけません。

もっとも、日本と違って、韓国では、ゴールドカードの審査が信じられないくらい厳しいようです。

カードを持ちたがらない人の多い日本では、クレジットカードを日常使いするような人だと、カード会社はすぐに、ほとんど年会費なしでゴールドカードをくれるので、ゴールドのありがたみなんてほとんどないのですが、あちらでゴールドは、半端でないお金持ちの証。

韓国でゴールドカードを使うと、店員がびっくりするということがよくあります。

『ゴールド持ってるくらいなら、アプリ決済しろよ』ということです。

 

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大都市(ソウルを除く)のホームプラスはこんな感じ。大田、光州にこんな感じのホームプラスがある。大都市の真ん中にあるのに、駐車場併設型のショッピングセンターというのがすごい。

ビニール袋はペナルティー料金込みのお金がかかるので注意が必要

ビニール袋は有料なのは日本と同じですが、値段は30円程度と日本の10倍ぐらい高いです。
しかも、店員に「ビニール袋ください」とあえて言わないと、くれません。
そういうビニール袋使用にペナルティー料金を掛ける変な法律を作った政府が悪いとしか言いようがないのですが。
そこで、大量に買う人ほどビニール袋を買わずに、店の提供する中古段ボールを使用することが多いです。
店内のエスカレーターとか階段付近に、段ボール集積場があって、ここの段ボールを客が勝手に持っていって、買ったものを詰め込んで持って行くわけです。
田舎だと、この段ボールがオンドルの焚き付けに重宝します。

 

GSMが進出するといっても、地元商店街にまず反対運動が起こらない大韓民国

韓国特有なのは、市の中心部にあった工場が撤退したような場合、その跡地がマンションにならず、ショッピングセンターになるケースが多い点。釜山、大田、光州など、大都市でも、ホームプラスとか、ロッテマートとか、ショッピングセンターが街の真ん中にデーンと建っていることが多いのです。

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ロッテマートはソウルにもある。大型店舗から、コンビニサイズの小型店舗まである。大型店はロッテ百貨店の隣にあるケースが多い。単独店舗の場合、小型店舗であることが多く、ソウルを離れれば離れるほど、ホームプラスの方が強い。

従来の商店街が客をとられるとか言って反対運動しないのかって?
くさい、汚い、危険の3拍子揃った3K在来市場だった東大門市場に、ファッションビルができて、韓国一のショッピングゾーンにグレードアップした(地価の関係でファッションビルのできなかった押鴎亭がすたれた)前例があるので、ショッピングセンターができることは基本的に大歓迎らしいです。