大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

韓国のお香典の相場

日本人が韓国人の葬式に行く時、気をつけること
(1)知らせを聞いたらすぐに行け
(2)葬儀場は病院の地下
(3)香典の額は日本の約10倍

日本人が、韓国人の葬式に行かなければいけないということは、まずめったにないことですが、私は行かなければいけなくなって、えらい苦労をしたので、その時の経験からのお話し。

 

日本と違って、葬式は死んだらすぐにやる

日本と違って、葬式は死んだらすぐにやります。
火葬場の順番待ちということはほぼありません。

韓国の葬儀の正式なものは、儒教式の葬式で、3日葬(サミルチャン)と呼ばれる葬儀です。
3日3晩弔問客を迎え入れて食事を振る舞うもので、基本的には1日目は各所への連絡などの準備、2日目は日本でいう通夜、3日目が告別式となります。

現在は、3日葬(サミルチャン)を1日に短縮して行うやり方も普及していて、訃報を聞いたら、すぐにすっとんでいかないと、葬式が終わっていたということはよくあります。
韓国では、訃報を聞いたら、その場で仕事を放り出して葬式に行ってよいという暗黙の了解があります。

ちなみに、死者を崇拝する要素を多分に含む儀式である3日葬を、人口の過半数を占めるキリスト教徒は否定し、拒否している関係で、キリスト教徒のお葬式は、さらにスピーディーです。

喪服は洋装の場合、日本と同じです。

 

葬儀場は病院の地下にある

韓国の街を歩いていて、葬儀場を目にすることは、まずないと思います。
というのも、韓国の葬儀場は病院の地下に設置されていることが多く、死んだらすぐに病院の地下の葬儀場行きになり、そこからお墓へ直行というのがよくあるパターンとなります。
火葬する場合は、病院から火葬場へ直行となります。

 

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 韓国の葬儀場は、病院の地下にあることが多い。これは、キリスト教の死生観を反映していて、人間はいつか死ぬので、病院で死を隠す必要はないという考え方と、遺体は『魂の抜け殻』にすぎないという考え方からきている。
火葬時の遺骨の処理にも色濃く反映されており、日本では違法な山野への散骨も合法とされ、広く行われている。

 

香典の額は日本の約10倍

韓国にも、お香典の制度があります。
お香典の難しいところは、少かったら『ケチ』と言われるし、多く出したら出したで『世間知らず』と言われるところにあります。
これは韓国も同じ。

日本のお香典の相場は大雑把に
・親族 1万円
・親しい関係 5千円
・義理 3千円
てところ。

韓国の場合は、日本の約10倍と心得ておけばいいでしょう。
・親族 10万円
・親しい関係 5万円
・義理 3万円
・完全なるお付き合い 1万円
葬式に参列するとなると、かなりの出費になります。

なぜこうなるかというと、葬式代は葬儀の参列者全員で負担するという建前があるのがその理由。

 

生前に並みならぬ人徳がある故人の葬式は参列者が集まり、大儲けになるのだが・・・

故人が生前に並みならぬ人徳があれば、参列者は事前の予想を超えてはるかに多くなりますから、喪主は、実際、ほとんど葬式代を工面する必要がなく、大儲けになるという現象も発生します。

故人が生前に並みならぬ人徳があれば、親類縁者がいなくとも、どこからともなく喪主が現れて、盛大に葬式が挙行されることになります。
韓国で、善人は、孤独死を恐れる必要なしといわれるゆえんです。

もっとも、その逆の場合、面目丸潰れです。
参列者が事前の予想を超えて大幅に少くなるという悪夢のようなお葬式も、実は少なくありません。
そうならないように、葬儀屋さんが、親類縁者に香典を請求するメールを送りつけるサービスが実はあって、韓国人が最も厄介だと考える迷惑メールは、香典の請求メールだといわれています。

 

韓国での御香典の作法

ちなみに、韓国でお香典を渡すとき、日本式の白黒の水引の封筒を使用してよく、表書きは『御香典』でもOK。
韓国人は形式よりも、ココロを重視するので、韓国人の形式でなければ失礼などということはありません。
ちなみに、韓国では白封筒に『賻儀』と書くそうです。
なお、キリスト教徒の比率が非常に多いので、『御花料』でも可ですが、韓国仏教は葬式とは無関係なので『御佛前』はやめた方が無難です。

 

キリスト教徒は焼香禁止が徹底している

また、キリスト教会は焼香を禁止している関係で、韓国人の過半数を占めるキリスト教徒の葬式の場合は焼香はありません。
儒教式の葬式、3日葬(サミルチャン)の場合、クジョルという韓国伝統の焼香はあります。
キリスト教徒は儒教式の葬式に参列しても、焼香を拒否することが多いです。
キリスト教徒なら、お香典を持って馳せ参じるだけです。

 

韓国では仏式の葬式はない

仏式の葬式という制度は日本独自のものらしく、韓国のお寺は、檀家の葬式を出してはくれません。
キリスト教会の牧師は死んだ人のところに来て葬式をやってくれるのに、お坊さんは死者の穢れを嫌って、死んだ人のところには来ません。
仏教徒は、儒教式の葬式、3日葬(サミルチャン)を、100%自力で開催しなければいけません。
死にそうな家族のいる仏教徒キリスト教に転向したがるのも、無理なからぬところではあります。