見本写真や模型より実際の料理が貧相だったら、大喧嘩になるのが大韓民国
韓国の普通の店では、客との喧嘩を避けるため、メニューは文字で書いてあるだけなのが常識。
料理写真を見せてもトラブルになることがない日本人向けにだったら、料理写真があるケースが結構多いです。
韓国にも、日本には負けないぐらい料理見本模型を作る技術はありますし、料理の見本写真を撮ることができないわけではありません。
事実、空港の食堂など外国人の来そうな場所では、見本写真や見本模型を展示して料理を選べるようになっています。
しかし、韓国人しか来そうもない場所となると、メニューは活字ONLYとなります。
ブテチゲ屋のように、収益率と見た目が豪華さが両立できる料理が出せる店となると別ではありますが。
収益率を考えたら大盛にはできない。見本写真や見本模型を展示するのは自殺行為
日本では、えてして、見本より実際の料理が貧相になるというのが暗黙の了解。
そりゃ、お店にだって収益率というものがありますから。
韓国の飲食店では、通常、客からの厳重なクレームを避けるため、量でごまかします。
安全係数を掛けて、最低でも見本の1.25倍、大抵は2倍近くのボリュームの料理が提供されます。
日本では、最近は、景品表示法の適用が厳格になったせいもあって、見本と実際の料理の差異がだいぶ少なくなってきました。
とはいえ、セブンイレブンの上げ底弁当は、そりゃ日本でも大顰蹙をかっていますが、そんなこと韓国でやったら、店にダンプが突っ込んできます。
料理写真を盛りに盛るのが企業文化であるマクドナルドはセットメニューで防衛
ちなみに、見本を盛りに盛るのが企業文化であるマクドナルドの場合、韓国では絶対タブーの、見本より大幅に貧相なハンバーガーが提供されるという事態に直面します。
韓国のマクドナルドのバイトは、基本、客の過激なクレームに晒される覚悟が必要な、かなりブラックなバイトで、その分、給料が高いという話は聞いたことがあります。
客の過激なクレームを極力避けるため、セットメニューしか店舗に掲示されていないケースが珍しくはなく、全てのセットメニューにポテトがあり、かつ、ポテトが山盛りでケチャップがついてくるという念のいれよう。
韓国のマクドナルドでは、店員があらゆる手段を用いて、特にハンバーガー類の単品注文を阻止してきます。
もし、最も安価なハンバーガー(日本では裏メニューとして知られているプレーンなハンバーガー)の単品注文をしようと思ったら、店員の韓国語での早口で長い説明と、押し問答を覚悟しなければいけません。
店員も客のクレームを恐れて必死になります。
韓国人向けの店では、料理名も非常に謙遜
ちなみに、韓国人向けのメニューに書かれている料理の名前は『味噌汁(テンジャンチゲ)』とか、『キムチスープ(キムチチゲ)』といった、非常に謙遜な名前になっています。
決して、味噌汁だけが出てきたり、キムチスープだけが出てくるわけではないのです。
そんなこと韓国でやったら、店のテーブルがひっくり返され、窓ガラスが割れ、警察のおまわりさんがやってくる事態になりますがな。
ケチな店でも以下のサービスは常識
・ごはん、おかず、キムチはおまけでついてくる
・ご飯とキムチは、おかわり無制限
ただし、うまいか、まずいかは運次第。
料理がまずくても、量が充分であれば、文句を言ってはいけないのが韓国での暗黙の了解。
これは、つい最近まで食糧難だった韓国ならではのローカル・ルール。
腹一杯食わしてもらったなら文句を言ってはいけないということです。
全羅道では、驚愕の36皿以上おかずがおまけという店もある
愛想の良い店になると、『味噌汁(テンジャンチゲ)』というメニューで、驚愕の36皿以上(全羅道に限る)という膨大な料理が並びます。
もし、それでサービスが足りないと文句を言う人(いったいどんな変人か理解に苦しむが韓国にはたまにいる)がいても、店の人は料理の名前を指差して
「わかりました?」
と言うだけです。
値段が値段だけに(大抵お得な設定になっている)文句を言う人はほとんどいません。
田中角栄元総理と切っても切れない「飯食ったか!」の挨拶
「ご飯食べましたか?」が韓国人独特の挨拶
韓国人同士でしか使わない挨拶ですが、
「パンモンニ(ご飯食べましたか?)」
という挨拶はよく使います。
基本的に、韓国人と会う前に食堂に行って腹いっぱいに食べておくという小細工が必要な場面は多々あります。
これは韓国の企業文化ではかなり重要な習慣で、
「飯食ったか(パンモゴッソ)」
と部下に言えない上司は、ほとんどの場合、人格を疑われます。
部下が即答できなければ、即座に飯を食いに連れて行くのも韓国の流儀です。
もっとも、ソウルを中心に、こういう旧弊な習慣は賄賂接待の温床になるのでやめようという運動は存在するのですが、地方ではまだまだ健在です。
「ご飯食べましたか?」という韓国の文化を日本で実践したのが田中角栄という人
ちなみに、この文化を韓国で覚えてきて、積極的に日本で実践した有名は人が田中角栄です。
太平洋戦争中、大田に理研の工場を作る時にこの流儀を覚えてきて、日本で実践しました。
自分の乗ったタクシーの運転手や、同行した新聞記者にも
「飯食ったか」
と言ったという話は有名です。
ちょっとでも返答が遅れると、メシでも食っていけと、カツ丼の『上』が出たというんですから、すごい話です。
田中角栄の寝起きする母屋にある応接間に通され(ちょっとやそっとの陳情客は田中角栄邸の母屋に絶対に立ち入ることができなかったが)カツ丼の『上』を供されました。
カツ丼は、『上』でも、国家公務員法に禁止される饗応接待には該当しないため、国家公務員といえども断ることができません。
まして、もっとルールの緩い民間企業の人間が断ることは絶対できないという匙加減も絶妙でした。
敏腕新聞記者が、うっかりカツ丼の『上』を母屋にある応接間に通され御馳走になってしまったら、田中角栄の批判記事を書くことはできなくなったといいます。
田中角栄が現役だったとき、批判記事を書くことは難しいといわれていて、田中角栄に脅されるからとか闇に葬られるとか、まことしやかな噂があったのですが、実は、敏腕新聞記者が、うっかりカツ丼の『上』を母屋にある応接間に通され御馳走になってしまう失態をやらかしただけであったということでありました。
「たかが1000円で、人は尊敬してくれるようになるんだよ。オレの家を腹ペコで出て行くのはオレが許さん。ガッハッハッ」
とは田中角栄の弁。
他人に飯をおごって一人前の韓国人
他人に飯をおごるのは、所得の大小とは関係ない。インスタントラーメンでも可
他人に飯をおごって一人前という考え方は、実は騎馬民族や遊牧民に共通するアイデンティティーで、現代では、特にアラブ人の多い中東で顕著にみられます。
実は遊牧民であるユダヤ人にも、お祭りの時に、街行く人に無差別に飯をおごるという強烈な文化があります。
韓国人ももともと騎馬民族ですから、飯をおごる文化があります。
韓国人同士で旅行するとき、お金のない若い学生でも、みんなに振る舞うため、インスタントラーメンを5袋程度カバンに入れて持っていくということはよくあります。
ですから、もし会社で、社員の昼食に、貧相な冷めた折詰弁当を食べさせたら、翌日、従業員は全員辞表を書くことを考えるでしょう。
韓国の社会で『冷や飯を食わせる』ということは、礼儀知らずも甚だしく、他に特に問題がなくてもブラック企業のレッテルを貼られ、とんでもないトラブルを招きます。
また、日本に来た韓国人がとても不幸になるというのは無理もない話。
ご飯の冷めた弁当は当たり前。
どんな高級レストランで料理を注文しても、メニューに書いてあるものしか出てこないのですから。