大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

韓国のバスターミナル

韓国の人の流れはバスを中心にまわっている

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バスターミナルは街の中心にある

韓国を旅行する外国人旅行者にとっては、なにかとありがたいバスターミナル。
というのも、日本なら、鉄道駅を中心に街が発展しているので、繁華街に行きたければ、鉄道駅を目指すのがデフォルト。
ところが韓国の場合、概ねバスターミナル中心に街が発展しているので、繁華街に行きたければ、バスターミナルに行くのがデフォルト。

 

バスに乗らなくてもバスターミナルに行ってみた方がいいことは多い

バスターミナルの利用法としては、
(1) 長距離バスに乗る
(2) バスの出発時間を調べる
(3) 食堂を利用する

なにぶん、韓国では長距離バスが移動の主力なので、バスターミナルには人が集まります。

 

バスターミナルの食堂は、味はともかく、安いことが多い。

なかでも、物価が恐ろしく高いソウルにあって、バスターミナルの食堂は、地方とそうたいして変わらないリーズナブルな店が多いので、旅の上級者でも「(3) 食堂を利用する」という目的だけでバスターミナルを利用することはよくあります。
バスなど、とてもとても・・・という旅の初心者でも、バスターミナルは訪れる価値はあります。

 

地域に根ざした韓食堂は、バスターミナルの周辺に点在する

パリス・バゲット(パン屋)とスターバックスとかばっかじゃん・・・確かに、韓国人の普段食べているものは、日本人の食生活よりかなり欧米化しています。
街中華ならぬ、地域に根ざした韓食堂を探すなんて、普通は至難の業なんです。
そうはいっても、ある程度そういう店が生き残っているのがバスターミナル周辺だったりします。

 

性格の異る2つのバスターミナルが韓国にはある

なおバスターミナルには、真新しい外観の国営の『高速バスターミナル』と、道営と私営が混在するオンボロ『市外バスターミナル』があります。
街の中心にあるのは『市外バスターミナル』の方。
旅行者にとっても利用価値が高いのが『市外バスターミナル』。

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全州高速バスターミナル(国営)
たいへんきれいで清潔感のある建物が特徴。市外バスより25%ほど運賃は安く、発着するバスの設備も良い。ただし、周辺は住宅地。降りたらタクシーを拾って、全州市内に移動しなければいけない。一応、高速バスターミナルの前には、市内バスの停留所がある。よそから市外バスで全州にやってきた場合、高速バスへの乗り換えの便宜を図るため、高速バスターミナル前の市内バスの停留所で下ろしてくれる。その逆パターンはないので、高速バスから市外バスへの乗り換えは厄介。

 

高速道路インターそばの僻地にあることの多い国営の『高速バスターミナル』

国営の『高速バスターミナル』は、インターのそばの住宅地の真ん中とか、なんにもない農地の真ん中にぽつんとあるケースが目立ちます。
発券所と待合室とトイレだけの殺風景なバスターミナルも目立ちます。
そんな不便な立地の国営の『高速バスターミナル』発着のバスが旅客を集める最大の理由は、運賃の安さ。
バスの設備の奇麗さ。
市外バスと、高速バスが両方同じ区間を走っているケースだと、高速バスの方が25%程度安く、3列シート車が多いです。

高速バスの場合、辺鄙な場所にある『高速バスターミナル』を出発すると、すぐに高速道路に入って、目的地の辺鄙な場所にある『高速バスターミナル』に直行します。

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全州市外バスターミナル(道営)
もちろん道営だから、道によって、かなり経営方針の違いはあるが、概ねこんな感じ。汚い、狭い、ボロい、臭いの4拍子揃った典型的な市外バスターミナル。ただし、写真にもあるが、ターミナルの周囲の臭気の原因は、ターミナルに隣接した飲食店、カラオケ店、酒場のせい。しかも、バスの駐車場後方は韓式旅館街(予約不要)。ゴチャゴチャした場末感は否めないが、夜遅くバスを降りても、食べ物と宿の心配は基本的にしなくてもよい。市外バスは、まず高速バスターミナル前の市内バスの停留所に停車して、高速バスへの乗り換え客を下ろしてから、このバスターミナルにやってくる。

 

繁華街の中心にあることの多いオンボロ『市外バスターミナル』

『市外バスターミナル』は、大抵繁華街の中心にあり、バスターミナルがあまりにもボロく、発券所と待合室と臭いトイレだけであっても、隣接して数多くの商店、食堂、韓式旅館があるため、初めて行く街に夜中遅くに到着しても、バスを降りて途方に暮れるということはないという利点はあります。

辺境に行く場合、若干、この基準に満たない変な『市外バスターミナル』がないわけではないですが、ひどい目に遭った韓国人の怒りの告発がSNSに殺到・炎上する事態になりますので、停留所に降格とか、行政指導とか、過酷なペナルティーが課されるようです。

市外バスの場合、街中のオンボロ『市外バスターミナル』を出発すると、市内の主要停留所でお客を拾いつつ高速道路に向かい、高速道路に入ったら、高速バスと同じ経路で目的地を目指します。
長距離路線だと、2〜3カ所で高速道路を途中下車して、客を乗降させる路線も結構あります。
目的地に着いたら、市内の主要停留所でお客を下ろしつつ街中のオンボロ『市外バスターミナル』に向かいます。

利便性からいくと、本数の多い市外バスが圧倒的に便利で、降りた後の食堂探しと宿探しが圧倒的に便利なんですが、バスは基本的に4列シート車が普通で、往々にしてボロという問題点はあります。

最近、繁華街の中心にある『市外バスターミナル』を廃止して、高速バスターミナルと合併して『総合バスターミナル』にする都市もいくつかみられます。

釜山は有名ですね。『総合バスターミナル』になって、便利になったという話はあまり聞きません。
実際釜山は、山の中にあるだけでなく、構内に食堂や売店がろくにない『総合バスターミナル』より、繁華街のド真ん中にあって、食堂・デパートが併設されている天一旅客が経営する沙山市外バスターミナルの方が人気があり、ここから相当の本数のソウル・セントラルバスターミナル行き高速バス、市外バスが発着しています。

 

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ソウルのバスターミナルの場合、全部のバスターミナルが旧ターミナルから郊外移転してしまっているので、ターミナル周辺に普通はあるはずの場末感満載の食堂街、旅館街が欠落してしまっている。各バスターミナルでは、フードコートを整備して、乗客の要望に応えているが、終夜営業はしていない。旧ターミナルがあった、鐘路、新村には、今も場末感満載の旅館街、飲食店街が残っている。