高速バス・市外バスは韓国の基幹公通手段
外国人も、基本、簡単に乗ることができるように整備されている
韓国の基幹交通手段だけあって、システムはとてもシンプル。
どこのバスターミナルに行っても、ルールは共通。
高速バス・市外バスの禁止事項
ただ、一点。注意すべき点。
最近、韓国人のバスの乗車マナーの悪化が問題になっていて、高速バス・市外バスへの
(1)キムチの持ち込み(臭い汁の垂れる食べ物全般という解釈もある)
(2)テイクアウトの飲食物の持ち込み
(3)車内喫煙(意外にも、昔から禁止だった)
(4)車内飲食
が法律で禁止されることになりました。
辺境の田舎のバス会社のバスの場合で、オンボロの汚いバスで運行している場合にあっては、比較的鷹揚に扱うケースもありますが、基本、韓国の高速バスや市外バスは基幹公通手段だけに、そもそもバスが非常にきれいなので、扱いも厳しいことが多いです。
それでも禁止事項を破って、運転手に強制降車(切符は無効になる)させられる人(韓国人)が相次いでいます。
運転手と喧嘩している乗客がいたら、これをやったんだなというふうに理解するとよいです。
高速バス・市外バスの乗り方
(1)バスターミナルに行く
東ソウルバスターミナル
日本人旅行者が高速バス・市外バスを使うなら、ソウル発着の全路線が発着しているので、ここが便利・・・ちなみに、韓国人で、ここは嫌という人は多い。
住宅地の真ん中にぽつんとあって、ついでの買い物をするのに不便だから。
とりあえず、行き先を言って切符を買えば、高速バス・市外バスどっちかに乗れる。
(2)こんなものを作っておくと便利
3カ国語で書いてある理由は、窓口の係員でこういうものに慣れていない人が多いから。
韓国語だけだと、ココに日本人が正確に買いたい切符の内容を書いていない可能性があると心配する。
私達が間違えて書いてしまうことを心配しているのね。
枠線も大事。
読み間違えが絶対ないようにする工夫。
あと、余分なことは一切書かない。
頻発運行の直行市外バスの場合、第3希望、第4希望まで書く意味がない。
(出発1時間前に切符を買えば、まず間違いなく第1希望だけでOK)
(3)壁に掲示してある時刻表を調べます
時刻表はこんな感じ。
バスターミナルが大きければ電光掲示板のケースもある。
日本と違ってバスは大抵パターンダイヤになっておらず、時刻表の改訂が多いので、そのたびに電光掲示板を修正するのはコト(間違い表記が多発して収拾がつかなくなる)なので、電光掲示板があっても、消灯して、こういう印刷物を掲示しているケースが圧倒的に多い。
時刻表は、往々にして、大部分に修正が入っている。
これを見て乗りたいバスを探す。
直行市外バスは、便数がべらぼうに多いので、乗りたい当日バスターミナルに行けば大抵すぐに乗れる。
優等高速バス、鈍行市外バスは本数が少ないので注意。
とんでもない辺境のオンボロバスターミナル行きの便もあるが、そういう便は1日1本程度なので時間は事前にターミナルに来て調べておく必要がある。
(4)切符を買う
売票所はこんな感じ
上で作ったような紙を渡して切符を買うのは勇気がいる。
韓国語ができたらいいなと思う瞬間。
韓国人は何と言っているのかというと、
「○○まで、次のバスで」
と言っている。すると、係員が
「次は△△時で、□□経由ですけど、どうします?」
と聞いてくるので、
「直近の直行でお願いします」
と答えると
「△△時××分になりますがいいですか?」
と聞いてくるので、
「お願いします」
と答えると、
「●●●●ウォンです」
と係員が言ってくるのでお金を渡す。
こんな流れ。
ちなみに軍服を着た軍人は、お金を払わずに切符が買える。
というわけで、韓国でミリタリーグッズを身に付けるのは違法(いろんな犯罪を同時に犯すことになる)。
クレジットカード専用発券機。日本語もOK。
これがあるところでは、基本、窓口に並ぶ必要がない。
田舎のバスターミナルにはない。
操作法にかなりの癖があって、慣れが必要。
OSはUNIXではなくWindowsというところが癖の原因。
アクセスが遅いとか、ボタンを押してもたまに認識しないとか、
たまにブルースクリーンになって止まっているのもある。
標準的なバス乗車券はこんなかんじ。
バスの出発10分前にはバスに乗車して待つ。
出発10分前ぐらいに運転手がこの切符を回収しに来る。
切符は二次元バーコードが印刷されたレシートに移行中だが、辺境に行くほどシステムは古くなる傾向があり、藁半紙にゴム印と手書きで記入して鋏で切り離して発券するような前世紀的切符も残っている。
これは記入枠完全無視で、乗車区間と料金だけがゴム印で押してあるというパターン。
さすがにこれは、韓国人でも驚いてしまうくらい誠意のカケラもない酷いレベル。
こういう乗車券を渡されたら、乗車バスの指定も座席指定もナシ。
正式には半券をちぎることになっているが、大抵半券をちぎらず、全部もっていかれる。
ここで運転手は、降車する人のいる停留所と、何人降車するかを確認する。
座席指定番号は守るべし(これが韓国の標準)。
座席指定番号が空欄の場合は自由席。
自由席の場合は、壊れた椅子が未修理で放置されているケースが多々あるので、座る前に壊れていないか確認する。
直前に乗車すると、壊れた椅子に座らなければいけないケースも多々ある。
韓国人で座席指定を守らない人が多いが、大抵運転手から怒られる。
なお、バスの運転手の言うことには素直にしたがおう。
反抗して得することはなにもない。
運転手に徹底的に反抗して、出て行け、とか言われて降ろされる人もある(わりと頻繁にある)。
もの売りのおばさんが、出発前、勝手に乗り込んで来ることがあるが、違法なので無視して構わない。
(5)乗るべきバスを探す
おおよその行き先を表示した表示した案内板がバス乗降場にはぶら下がっている。
その近辺で目的地行きのバスを探す。
直行バスというのは、まっすぐ目的地に行くというくらいの意味で、途中停車する停留所はある。
本当に目的地にノンストップ運行するのは直通バスという。
ちなみに緩行バスとは、迂回運転するバスということ。
直行バスが目的地付近では緩行運転するケースは多い。
行こうとしている目的地がバスの終点ではないことが多い。
そのときは、経由地に、行こうとしている目的地がないか探す。
出発時間の表示器は、日本の高速バスにもあったら便利だと思う。
似たようなバスがサービスエリアで沢山止まっていて、完全に迷った場合、出発時間が迫っている順に中を確認すれば、自分の乗ってきたバスに確実にたどりつけるから。
高速バスの途中休憩の際、バスを降りたら、バスを離れる前に、ココを確認しよう。
(6)バス乗車中の注意事項
途中、高速道路の休憩所等で休憩しながら目的地に行きます。
休憩時の出発時間は運転手が口頭で言います(休憩時間はおおよそ10〜15分)。
休憩所には似たようなバスがたくさん止まっています。ナンバープレートなどを覚えておき、時間までに必ずバスに戻るようにします。乗り遅れ確認は原則してくれません。細かい性格の運転手だと、トラブル回避を目的にしている場合もあります。
高速バス・市外バスには基本、車内トイレはありません。
出発前にトイレを済ませ、極力目的地までバスを降りないとか、ソウル・釜山のような長距離移動の場合、一気に移動するより、途中、大田あたりで食事下車を入れて、経路を2つに分けるなどしたほうが体力的にも吉です。
若干料金は高くなりますが、そもそもバス料金は基本的に安く、差額も大したことなく、バスの便数が半端でなく多いので、乗り継ぎも簡単なため、韓国人も大抵そうしています。