ミンチョゴリという韓国ではほとんど市販されていないチョゴリが、チョゴリの基礎となっている




朝鮮王朝時代といわず、現在もそうですが、チョゴリは脇の下や袖口に別布をあてて飾るフェジャンチョゴリが一般的です。
しかし、そういう飾りのないシンプルなチョゴリのことをミンチョゴリといいます。
「ミン-」は「飾ったり付いたものがない」の意を加える接頭辞です。
したがって、「ミンチョゴリ」は他の色の布で飾らずに、一つの色で作ったチョゴリを意味するものです。
現代のチョゴリは、基本的に袷仕立てで、別布で袖口を飾ることが一般的であることから、街中でミンチョゴリを見かけることはほとんどありません。
とはいえ、韓国の女子教育の家庭科(被服)授業のなかで、ミンチョゴリ製作は必修であり、韓国人女性ならば、一度は作らされた嫌な思い出があるでしょう。
しかも、ミンチョゴリは、作らされるだけでなく、中間試験、期末試験(ペーパーテスト)にも出る。
かくいう私も、教科書を見ながらミンチョゴリの図面を作図しているわけですが、腹立たしいことに、教科書の中で用語が統一されておらず、図面が不正確で間違いもある。
しかも、寸法を合計すると各部に矛盾が生じる。
結局、形状優先でCADで作図して、出てきた数値をもとに再計算して、教科書の数値とつじつまを合わせてから再度図面を書き直すという恐ろしい手間が発生しました。
教科書の挿絵通りに型紙を作ると、絶対にまともな型紙ができないというトラップが仕掛けられていたのでありました。
ここに載せた図面では、日本製の型紙の水準の精度になるように、可能な限り矛盾は修正したつもりですが、原図の形状を変えないことを優先したため、原図にある誇張された表現や矛盾は残っています。
とはいえ、いくら日本製の型紙の水準の精度の型紙を使用しても、布地に転写すると、布地には伸びや縮みがある関係上、少なからず誤差が生じるので、縫製の時に、誤差を強引に修正して縫い付けるという力技はどうしても必要です。
まあ、韓国人女性の経験する家庭科授業のミンチョゴリ製作は悲惨です。
デタラメな教科書の挿絵を元に型紙を作って、それを布地に転写すると、修正が効かないほどに誤差が集積するので、縫い付けているうちに何を作っているかわからなくなるという、韓国の家庭科授業あるあるのシチュエーションが展開されます。
もちろん、感受性豊かで、感情表現がストレートかつ力技大好き大雑把、体育会系気質の韓国人女性のことですから、学校の被服室で発狂する生徒が続出する日常風景が目に見えるようであります。
ちなみに、韓国で、家庭科授業の悪夢とさえいわれる古くさいデザインのミンチョゴリがなぜ重要かというと、現在市販されているチョゴリは、すべて、この古臭いデザインのミンチョゴリのアレンジだからです。
ちなみに、中国製のチョゴリがなぜ偽物感、パチモン感満載なのかというと、出来合いのチョゴリを買ってきて、現物コピーで作ってしまうからです。
市販のチョゴリは、すべて原型(ミンチョゴリの型紙)をアレンジしたものであり、どこをどうアレンジしたのかわからないまま、見よう見まねでコピーしても、更なるアレンジを加えることができません。
それを無理にアレンジすれば、チョゴリの基本ルールから外れたチョゴリではないものになってしまうのです。