大韓民国観察記

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

韓国人の登山好き

韓国人に登山愛好家は多い

国土の半分以上が平坦であり、特に高い山がない韓国ですが、登山愛好家は多いです。
韓国の山は総じて標高が低いですが、勾配が急峻で、トンガった岩峰が多く、無難に登山道を歩き回るだけでも楽しい山が多いのです。
日本の山と比べると、登山道からの眺めは、総じて良い傾向にあります。
しかも、標高が低いため、朝、10:00頃登山道入り口から出発すると、正午頃、山頂に達し、15時頃には登山道入り口に戻ってこれるというお手軽さ。

 

 

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全羅南道 月出山(この山は、いわくつきの山として韓国人の間では有名)
標高は低いが、ド派手な岩峰群から構成される山で、麓には、この山を御神体とする新興宗教の道場が多数立地している。
この山は御神体ではなく、この山から『気』を授けてもらうのだとする怪しげな団体も多数ある。
もちろん、仏教寺院も多数あって、この山で修行をして悟りを開くのだと。
この山の反対側に、この山の『気』を利用して世界的銘茶(紅茶)の山地にするのだと息込んだ日本の農協職員W氏が、1980年代後半に、韓国人を指導して開墾した大規模な茶畑があるのだが、日本人を招聘したと言ったら逮捕されかねない反日一辺倒の時代のこと。韓国政府には内緒だったと。
反骨の全羅南道らしい韓国の黒歴史である。
W氏の意に反して、ここで採れた茶葉は品質が伴わず(W氏が紅茶の正確な萎凋・発酵技術までは実は知らなかった)、アルマイト(アルミ)の硫酸鉄染色用のタンニン酸塩の原料にされたそうである。W氏のプライドは傷ついたが、結果的にそれはそれでかなり儲かったらしい。
月出山は、比較的安全にアプローチできるルートに登山道があって、奇岩を眺めながら頂上までアタックできる。
もちろん、ミスコースしたら、とんでもなく危険なのはみればわかる。

 

韓国の山事情は、九州とよく似ている(九州人も総じて山好き)

九州の山岳も、韓国の山とよく似ており、九州にも登山愛好家が非常に多いのです。
福岡から大分の九重連山、或いは、祖母・傾山に遠征して福岡に戻るにしても、日帰りで充分に楽しむことができるのです。
本州のように、登山の対象が3000m級の山だと、登って降りてくるまで10日かかる(北アルプス縦走)ケースもあり、誰もが気軽に楽しむレジャーというわけにはいきません。

 

韓国も九州も、短時間で登れる超絶難易度の山が多い

ただし、九州の山岳でもそうですが、山自体は急峻で、場所によってはヒマラヤ登山と変わらない技術を要する場合もあります。
阿蘇の鷲ヶ峰、根子岳天狗岩縦走ができたらヒマラヤに行けると言われ、実際に阿蘇で鍛えてヒマラヤに行った人が多数いますが、韓国の低山も、似たような難易度の尖った山です。
ミスルートをした場合は、両側100m以上の絶壁となっているナイフリッジを渡るというような場所もあって、滑落による死亡事故リスクはかなり高くなってきます。
ただ、韓国の場合、登山者は九州とは比較にならないほど多いですから、午後から山に入るとか、変な登山を強行しない限り、先行する登山者の後についていけば、危ないということはありません。

 

登山は韓国で最もメジャーなアウトドアスポーツ

それと、韓国人にとって、山はおしゃれを楽しむ場所。
最新のド派手な色彩の登山ウエアを着て、老若男女、両手にストックを持った男女が、三々五々登山道を登っていきます。

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登山の場合、天候の安定した午前中に頂上アタックする必要があることから、出発可能な時間は限られる。すると、韓国の山の場合、午前8:30〜10:00頃に登山者のラッシュアワーが起こる。日本の場合、欧米のアルパインスタイルの影響で、装備は極力シンプルであることをもって是とするが、アルパインスタイルの影響のない韓国では、3000m級の登山で使うような過剰装備で800m級の低山を登山する人が多い。その分、高齢者登山でも装備不充分で遭難するといった話はまず聞かない。

頂上までの短時間登頂命のピークハンターの多い日本人なら、ハアハアゼイゼイ言いながら頂上往復2時間でやっつける山でも、韓国人の歩くスピードは総じて遅く、だいたい、5時間ぐらいかけて、楽しみながら歩いていくんですよね。
日本の海水浴場(例えは湘南の海水浴場)で、ストイックにバタフライの練習をする人がまずいないように、韓国の山でピークハンターは野暮の極みといったところ。

 

韓国では意外に海は不人気

ところで、韓国の夏の海に、水着を着た海水浴客は・・・実はほとんどいません。
釜山の松島とか、海雲台に行けばいるにはいるけれど、山の賑いとは比較にならないほど小規模なものです。

 

実は韓国人のカナズチ率は非常に高い

なんで? と聞いたら、韓国人のカナズチ率は非常に高いとのこと。
だから、海に行くかわりに、山へ行くのだと。
夏でもホームプラス(衣料品スーパー)には登山用品売場は大々的にあるのだけれど、水着売場はないか、あってもホテルのプールで使うような競泳水着ぐらいしか売っていません。
ロッテ百貨店へ行けば売っているのかな?
でも、三愛の水着のようなお洒落水着は、本当に日本の三愛からの輸入品しかなくて、ド高いという噂も。

 

韓国の学校には、基本、プールがない

ちなみに、韓国の学校にはプールがないのです。
一部の学校にはあるようですが、プールの設置率は1%程度。
基本、ホテルのジムのプールとかに通って、個人的に泳ぎを覚える努力をしないと、泳ぎを覚えることは不可能。

最近韓国の小学校では、セウォル号沈没事故の教訓から水泳の授業が必修となり、大学やホテルのプールを借りて水泳授業が始まっているそうですが、プールの絶対数が少ないので、なかなかプールの予約がとれないのだそうです。

 

本の学校にプールが整備されたのは、国鉄宇高連絡船の紫雲丸沈没事故が原因

ちなみに、日本の学校にもれなくプールがあり、水泳の授業があるのは、昔、国鉄宇高連絡船の紫雲丸沈没事故で、修学旅行中の小中学生が多数死亡したということがあったせい。
船が沈没しても生還できるようにする目的で、水泳の授業が開始されたのだそうです。

紫雲丸はもともと小さな船であったこともあり、他船との衝突から沈没までに数分しかなく、偶然甲板にいた生徒ぐらいしか助からなかったといいます。
子供用救命胴衣は船内にあったので、物凄い勢いで浸水中の船内には救命胴衣を取りに戻れなかったうえ、偶然甲板にいた生徒であっても、カナヅチだった生徒は、目と鼻の先の救助船にたどりつけず、多数溺死したということがあったからなのだそうです。