大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

文在寅政権の遺したのもの

最大の功績は、『在任中、経済で日本を超えた』という事実
反米、反日、親中、親北で悪名を馳せたが・・・

不用意な発言で国内外に物議を醸すことが多かったが、経済で日本に勝つという大韓民国建国以来の悲願を達成した実力派の大統領であったということは間違いない

慶煕大学在学中の1975年、朴正煕政権に反対する民主化運動に関わった容疑で逮捕され、ソウル市の西大門刑務所で服役した経歴が大きかったようです。

国政に関与するようになってからは、一貫して旧軍事政権と対立し、民主的政治リーダーとして民衆の支持を広げていきました。
ただ、支持の広がりとともに、極端な親中派親北派支持層が文在寅氏の支持層の核となっていったことから、文在寅氏も過激な親中、親北発言が増えていったように思います。

しかし、韓国国内の内政全般を俯瞰してみてみると、票集め、支持集めの方便だった可能性もまた否定できない側面があります。

 

韓国国内における行政改革
文在寅大統領は、韓国国内向けにも、過激な親中、親北発言を連発し、日々マスコミを賑わせていましたが、一方で、国内の行政改革を黙々と進めていました。

この成果を日常的に見ている韓国人にとって、文在寅大統領は、やはり、実力派の大統領というイメージが強く、退任後も非常に高い人気を誇っているという要因にもなっています。

成果が最も端的にみられた面事務所の改革についてみていきたいと思います。

面事務所
地方では面事務所になるが、ソウルでは、洞事務所が同じ機能を有する。
生活上の困りごとや、申請事項や、保健所業務、ゴミ処理の引き受けまで一切合切を引き受けてくれる。日本における市役所の支所にあたるが、韓国の場合、市役所本庁へ行っても、一般市民相手の業務は限定的なので、日常的に訪れる役所というと、ココになる。

 

軍事政権時代、公務員の給与の遅配、欠配は日常的で、公務員といえば、日々の食事にも事欠いていたこともあって、役所に行くとなれば、賄賂は欠かせなかった。
申請に行く人が窓口の係員に「これで今日の晩飯食ってくれ」と1万ウォン札をこっそり握らせるのが人としての思いやりというものであった。そんな時代があった。
民主化後、公務員の給与の遅配、欠配はなくなったが、賄賂の悪習と、気に入らない訪問客のタライまわしの悪習は、なかなかなくならなかった。
なにか役所に用事で行くとなれば、門前払いとタライまわしはいつものこと。一日仕事だった。

 

文在寅政権になって、政府の顔ともいえる面事務所の刷新が各地で行われた。
命令しても言うことをきかない悪徳公務員の性根を叩き直すには、まず環境を刷新すべしという方針は徹底していた。
なにかというと、お金をかけずに罰則強化、監視徹底、何かといえば、コンプライアンス強化としか言わない当時の日本のやり方とは異なっていた。

オンボロだった面事務所が、機能的きちんとしたものになると、業務が効率的に進むようになるし、なにより、そこで仕事をする人々の意識を変革することになった。
また、面事務所はやはり政府の顔ともいえる役所なので、政府はきちんと仕事をしていると国民が評価するようにもなった。その結果を反映して、新しい面事務所ほど、機能性、デザインが凝ったものになる傾向はある。

文在寅政権以降の韓国のお役所は、日本と違い、原則、ワンストップサービスである。
大まかに仕事の分野別のセクションはあるが、違うセクションに並んだからといって並び直しは特に必要ない。そのようなことは、まれである。
番号札をとって、自分の番になったら、指定されたブースに行って座れば良い。ブースの割り振りの段階で、訪問客の来庁目的別に分類がされ、細かな部分については、担当者の方が自分の業務に該当する訪問客の前に来て応対するようになっている。