大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

国民のための国家ではない「大韓『民』国」の悩み

「国家とは国民のためのもの」という日本の常識は、世界の非常識

日本では、国家とは国民のためのものと学校で習うが・・・

日本では行政、立法、司法の府を『公』と呼びます。
日本では、国家は、特定の個人の所有物ではありません。
また、特定の個人の利益を代表することはありません。

 

国家とは、絶対強者が人民を搾取するシステムにすぎない

そんなのあたりまえ・・・と思ったら大間違い。
世界に目を転じれば、サウジアラビアという国家は、サウード王家の私有財産というのはよく知られた話。
朝鮮民主主義人民共和国が、その名前に反し、金正恩私有財産と化しているのはよく知られた話。

 

大韓民国は、絶対強者、李承晩が人民を搾取するシステムとして建国した

大韓民国は・・・というと、これが、かなり際どいのです。
というのも、朝鮮王朝がそうであったように、初代大統領、李承晩が、朝鮮を私有財産化することを目論んで建国した国だからです。

現在の韓国政府が国民のための政府ではなく、財閥のための政府だと揶揄されるのも、この国の出自と深い関係があります。

大韓民国の歴史で頻出する『民主化運動』。
これは、大韓民国を国民のための国家とするための運動だったのです。

 

韓国では一般的な「民主化運動」が日本には存在しない理由

日本に民主化運動が存在しない理由は、明治維新があったためです。
明治維新の目的が、日本という国を徳川氏の私有物から、『公』の性格を持つ国家とするための運動でした。
官も民も、総力を上げて、『公』の性格を持つ国家建設に邁進しました。
この点で、官にも民にも対立点はありませんでした。

昭和15~20年の軍部独裁の期間を除き、『憲政の常道』を合い言葉に『公』としての国家をひたすらに追求した歴史がありました。
日本には自由民権運動はあっても民主化運動の歴史が存在しないのです。

 

アメリカ式民主主義が、戦後の日本にすんなり定着したのは戦前の土台があったから

戦後、アメリカが強権的に民主主義を日本に導入しましたが、すんなり定着した背景には、明治維新以来長きにわたって『公』としての国家をひたすらに追求した歴史があったからです。
日本での成功経験をもとに、アメリカは世界中で民主主義を強権的に導入しましたが、まともに成功した例はほとんどありません。

 

韓国に「国民のための国家」という概念を強権的に導入した独裁者  朴 正煕

ところで、大韓民国政府が最も『公』の性格を持っていたのは、皮肉にも、朴正煕大統領の独裁政権の時代でした。
現在は、大統領による政府の私物化がかなり進んでいる現実がありますが、そうはいっても大韓民国政府が『公』の性格を失っていないのは、独裁政権時代の遺産といっても過言ではありません。

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『私の一生、すなわち、祖国と民族を為すのである。』
数ある韓国大統領の中で、『公』に人生を捧げることを、これほどうるさく言った大統領は、他に金永三大統領、金大中大統領ぐらいしかいない。2人とも朴正煕大統領の政敵で、円満退任した韓国では珍しい大統領である。