大韓民国の首都、ソウル。命名は1946年。命名者はソウル市長。大韓民国建国前だったので、ソウル市の最初の所属国家はGHQ占領下の大日本帝国というぶっとんだ話ではあった
ソウルは、1972年までは、朝鮮民主主義人民共和国の首都でもあった
韓国の首都ソウル。
1972年までは、北朝鮮の首都でもありました。
もちろん金日成がソウルにいたわけではなくて、書類上の(北朝鮮憲法に定められた)首都ということになります。
なお、ソウルという名前を決定したのは、韓国建国及び北朝鮮建国の2年前。
大日本帝国京城府(実質GHQの占領統治下)が、京城をソウルと変更すると公布したことがソウルの始まりでした。
ソウル市の最初の所属国家はGHQ占領下の大日本帝国であったということなので、韓国政府とも、北朝鮮政府とも関係がありません。
北朝鮮でもこの街をソウルと呼びます。
よど号ハイジャック事件の時、日本赤軍を欺くために、交通部長官白善燁(日本国勲一等瑞宝章受章)の非常識極まる大胆な作戦で、ソウルが一時的に「平壌」になったことはあります。
韓国の国会議事堂。ソウルのシンボル的建物。
昔はソウルに政府庁舎があったので、ここに国会議事堂がつくられた。
今は京畿道果川市に政府庁舎は移転してるが、高速道路で直結している。
「ソウル」とはウリマル(韓国土着のことば)で首都という意味
ソウルの意味は、韓国土着のことば(中国からの外来語ではない)で首都という意味なんですが、これに該当する漢字はありません。
서울という書き方が最も正しく、SEOULという表記もOK。
ソウル市は、このようにしてくださいと対外的にアナウンスしていたわけですが、そうはなりませんでした。
当初、該当する漢字表記がなかったことが大問題に発展
問題は、漢字を使う中国人と日本人。
好き勝手に当て字をしてしまう問題が発生しました。
当て字に使われるのは、ソウルの旧称が多いです。
漢陽(ハンニャン)
漢城(ハンソン)
これは朝鮮王朝時代のソウルの旧名ですが、こう書いてソウルと無理矢理読ませるというパターンがあります。
問題は
京城(けいじょう)
これは植民地時代の名称で、ソウルと改称される前の名前ですが、韓国人の間では、これだけは使ってほしくなかったという名称。
日本人が韓国に対する嫌がらせで使うだけなら問題はさほど大きくなかったのです。
漢字を母国語として使用するする中国人が、「ソウル」が首都なら『京城』で合っているじゃない?と考えたのだから大問題なわけです。
そもそも、大日本帝国政府が、漢籍を引用して「京城(けいじょう)」という名称をつけたのですから、中国としては、「京城(けいじょう)」で何も問題がないし、むしろ良いわけ。
ちなみに、
『京』という字は、中国語で首都を表す字。
『城』という字は、中国語で都市を表す字。
李明博ソウル市長が決めた『首爾』という漢字のセンスの悪さでも一悶着
結局のところ、漢字を指定しなかったソウル市が悪いという流れになってしまい、2005年、李明博市長がソウルの漢字を指定することになりました。
漢籍に詳しい学者を集め、喧喧諤諤の議論になったのですが、やはり、「漢城」「京城」よりもソウルにふさわしい漢字がなくて、なかなか決まらない。
最終的に決まったのが『首爾』。
意味的には「首都」ということになります。
言うまでもなく、漢字を使うセンスがすごく悪い。
日本の特に教養レベルの低い人々が使う
「夜露死苦(よろしく)」「仏恥義理(ブッチギリ)」「魔苦怒奈流怒(マクドナルド)」
と同じレベルと、韓国マスコミが批判したら、ソウル市長(李明博氏)が本気で怒ったとか。
勿論、中国政府からも同様の指摘があり、こっぱずかしいので何とかしてくれと、改善を要請されたようですが、李明博ソウル市長は、頑なに抵抗したようで、最終的に少しはマシな、略字体の『首尔』で表記されることになりました。
ちなみに、韓国人の間での評判もいまひとつで、中国語標記以外で、積極的に 『首尔』の文字を使うことは基本的にありません。
ソウルはこれでもかというほど超高層ビルが多い摩天楼都市でもある。金浦空港とソウル飛行場(軍:ソウル市松坡区)の航空路がソウルの上空に設定されていないので、無制限に高層ビルが建築可能だからである。東京は、羽田空港の関係で建築規制がかかるため、高層ビルが思うように作れない。