大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

市場メシで有名なソウルの魔界、広蔵市場

大韓民国建国前で、日本の植民地統治成立前、朝鮮王朝時代に開設された近代的市場

というわけで、在刑法定主義の原則に基づけば、この市場を規制できる法律は韓国には存在しないハズ

ソウルの江北地区の東、東大門市場の隣に広がる広蔵市場は、朝鮮王朝末期1905年に開設された韓国最初の近代的市場。

実は、有名な東大門市場は、1969年に廃止されたソウル市電の車庫跡に、広蔵市場の場外市場として開設されたもので、広蔵市場が親市場ということになります。

日帝時代、大韓民国時代を含む3つの時代を経ていることから、建前上、市場内では、道路交通法、消防法、食品衛生法等々、大韓民国時代に制定された法律の多くが適用除外となっており、興行師の自治に任されている部分が多いといいます。

もっとも、広蔵市場の掟は、韓国一厳しいともいわれているので、市場外で、韓国の法律に従って商売した方がずっと楽とはいわれています。

消防車が市場入り口に待機しているのは、ボヤの発生がしょうもなく多いため。
いざ火事となれば、屋台や路端の商品を蹴散らし、市場の中に入っていきます。
消火が何より最優先なのはこの市場の掟。

いわば、韓国の現代版楽市楽座なのであります。

2018年現在では、ソウルで最も観光客の集まる市場ですが、2000年代までは、わけのわからない厳しい掟が支配する怪しげな伝統市場というイメージが先行しました。
今でも、広蔵市場は上級者向けのディープな観光地という趣きがあります。

 

f:id:sirius-B:20191020233813j:plain

広蔵市場の正面入口(広蔵市場ビル)
正面入口前には日帝時代走っていたソウル市電の駅があったのだが、鐘路の地下に地下鉄1号線が建設された際、鐘路3街駅と東大門駅の駅間距離の調整の関係で、広蔵市場は無視されたので、正面入口前に駅はない。どうしても正面入口に行きたければ、隣接する乙支路道具屋街の東側中程にあたる地下鉄2号線の乙支路4街駅から歩いていく。比較的離れているので注意が必要である。
ココを入っても、食べ物屋はないので注意。食べ物屋は東門の周辺にある。

 

韓国人が敬遠する理由は、店員の話す品のない韓国語が原因

この市場に立ち入ったことがない韓国人は非常に多く、ここに行くと言うと「だいじょうぶ?」と間違いなく心配されます。
というのも、韓国人の間では、怪しげな伝統市場というイメージが払拭し難いためです。

外国人にはあまりわかりませんが、市場の店員の話す韓国語が品のないこと品のないこと。
客にイヤミを言う、暴言を吐くのは当たり前。

かといって、こちらがお金を払ってお願いしたことは、オーダーした通りに絶対に間違いなくやってくれるので、韓国語の理解できない外国人には神のごとき市場も、一般のソウル市民ならば、行っただけで胸クソが悪くなる市場と感じるというわけです。

 

f:id:sirius-B:20191020235035j:plain

東門(裏門)。地下鉄1号線 鐘路5街駅のすぐ前
長らく裏門前は、市電の車庫が存在していた関係で、開けてはいなかった。
1969年に市電の車庫が廃止。跡地に東大門市場が広蔵市場の場外市場のような形で開場。1974年、地下鉄1号線鐘路5街駅が東大門市場との境の裏門前に開業。
以来、広蔵市場の事実上の入口は東門となった。ここを100m入っていったところが、韓国市場メシの本場。
また、東大門市場側にはタッカンマリ、カムジャタンなど東大門市場名物料理の店が集中する。
東大門市場が広蔵市場の場外市場であった名残は、2007年まで残っていて、東大門野球場が東大門市場のど真ん中にあった。

 

韓国で市場メシといえば広蔵市場

韓国で市場に行ったら、どこへ行っても、そりゃ豪勢にメシが食えるであろう・・・とおもったら大間違い。

ソウルの広蔵市場、釜山のチャガルチ市場。
この2つ以外で豪勢に市場メシを食べられるところはまずありません。

全州の中央市場の観光夜市という存在もあるのですが、常設というわけではなく、まだまだ台湾の夜市のパクリのレベル。営業している店も、まだ屋台に毛の生えたレベルなのでありますが、今後の発展に乞うご期待。

全州市といえば、韓屋村の夜(特に雪の降る冬の全州は風情があって最高)遊びの方が圧倒的に有名ですし、品格もあります。
しっとりと落ち着いたなんともいえない風情のある夜のそぞろ歩き。
事前に観光案内所で予約しておくと、普通の民家としか思えないような韓定食屋に夜に招待され、出される絶品の料理の数々。
値段は高めだけれど、こっちのほうが、ソウルより格上であった往時の全州の品格を感じさせられます。

話が逸れました。

市場メシが韓国で流行らない理由。

それは、一般市民が道端でメシを食うということは、品がないという意識が強く残っていることによります。

そこで基本、市場の飯屋は、市場で働く人達のもの。
大抵は市場内のビルの2階か3階の奥のほうで、ちょこっとした腹の足しになるような、うどんや肉饅頭などを売っている店、これがほとんどです。

  

f:id:sirius-B:20191020235509j:plain
市場メシの食える場所なんて、韓国にまずなくて、台湾とかタイに行けばこういうのがあると韓国人は思っているので、ここ広蔵市場に韓国人を連れて行くと、ビビる。お客の大部分は中国人で、日本人、欧米人が少々。韓国人は興味関心は示すものの、やっぱりちゃんとした店で食べようということになってしまう。真昼でも、太陽の光が差し込まない広蔵市場内は真っ暗で、まるで夜中のようにライトアップされている。