大韓民国観察記Neo

韓国の、どうでもいい、重箱の隅をつつくブログ。

ソウル地下鉄3号線

 


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新型車

 

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1号線、2号線の日本製車両が箱型の不細工な車両だったということで、不評を買い、導入されたのがこの車両。GEC社の作。ヨーロピアンテイストの漂う3号線の旧車両。
3号線の車両限界は大きかったにもかかわらず、デザイン優先でこの車両を導入したら、詰め込みがきかず、支障をきたしたという。2号線でもGEC車両があったが、交換部品をメーカーのGECは、あっさり廃盤にしたうえ、アフターサービスも打ち切ったことから、3号線の新型車での機器流用はされなかった。とにもかくにも、この電車は狭い。以降導入された3号線の新型車は、2号線と共通デザインの広幅のインバーター車で、日本っぽい仕様。

 

見事にお金持ちの住む町を通り抜けていくソウル地下鉄3号線

ソウル地下鉄2号線が、農村の再開発目的に建設された関係で、富裕層の交通事情の改善が求められた影響も大きい

ソウルで地下鉄に乗ると、突然、物売りのおじさん、おばさんが登場して(もちろん無許可ゲリラ営業)度肝を抜かれるのですが、こと、3号線についていうと、物売りとの遭遇率は低めです。

物売りのおじさん、おばさんの売るちゃちな雑貨品を相手にするような底辺層の住人が、そもそもほとんど乗っていないという事情があるからです。

 

f:id:sirius-B:20191123160558j:plain20年前の路線図だが、シンプルなのでこのほうが大まかなことはわかりやすい。
3号線はオレンジ色い色の路線になる。
左上から右下にかけての路線がそれ。
現在の路線図だと、複雑すぎて、3号線のがどこを走っているかぱっと見でわからない。

 

地下鉄3号線の乗客は、日本人の平均所得を超える人ばかり

地下鉄3号線は、ソウルでも屈指の高級住宅街を縫うように走ります。
Korail一山線と相互乗り入れしています。

見回せば、大抵ブランドものの服、バッグ、靴でばっちり決めたおじさん、おばさんばかり。
日本人旅行者がみすぼらしくみえてしまうほどです。

 

景福宮景福宮は3号線沿線にある。地下鉄3号線は、この光化門の下を通っている関係で、3号線景福宮駅は、景福宮に最も近い。光化門の下に地下鉄を通すという大胆なことができた理由は、3号線建設当時、ここには朝鮮総督府庁舎があって、何の遠慮もいらなかったことと、地下鉄建設当時、光化門はこの位置になかったためである。現在の光化門は、朴正煕政権の際、建設されたもので、当時の韓国の経済力では、鉄筋コンクリートの模造品を作るだけで精一杯だった。地下鉄完成後、朝鮮総督府庁舎を解体し、光化門を地下鉄トンネルの上に移設したのである。

起点は板門店横の高陽市の高級住宅団地。終点も江南の人気高級住宅団地、可楽洞

起点は板門店横の高陽市の高級住宅団地で、Korail一山線の電鉄区間で、ソウル市に入ったあたりから地下鉄3号線になります。

江北の高級住宅団地を縫うように走り、江南に入ると、狎鴎亭、高速バスターミナルと、ソウルに住む韓国人の集まる高級店の建ち並ぶ繁華街をもれなく通り抜け、ソウルのトップレベルの学習塾街の大峙洞を通り抜け、江南の超絶人気高級住宅団地の可楽洞まで走ります。

 

韓国雑貨店の集まる仁寺洞も、3号線沿線。仁寺洞へは、1号線、鐘閣駅か、鐘路3街駅から鐘路の商店街を眺めながら行くのが普通だが、結構距離がある。意外にも最寄り駅は3号線の安国駅。安国駅は、鐘路とは反対側の端にある。5号線の鐘路3街駅も、ホームの位置の関係から、意外に仁寺洞に近かったりする。

 

ソウル地下鉄3号線沿線が韓国の超学歴社会の熾烈な戦いの現場

韓国人にとってはわかりきった話なのですが、この3号線沿線が韓国の超学歴社会の現場とも言うべき場所です。

小学校3年生にもなれば、学校が終わると、10kgもの重さの鞄を持ってこの地下鉄3号線に乗り込み、大峙洞の学習塾へ向かいます。
そこで夜11時まで授業を受け、山のような宿題を抱えて、この地下鉄3号線で家に帰るというような生活をしています。
家へ帰り着くと、山のような宿題を片付けるという生活です。
一体いつ寝ているんだろう。

 

狎鴎亭は、地下鉄3号線の沿線として最も有名。韓国が北朝鮮より優れていることをアピールするために、開発され、国策として異様なまでの発展を遂げた繁華街だった。現在はその役割を終え、商店街としては閑散としている。物を買い飽きた大金持ちが執着するのは、不老長寿、美と健康である。それゆえ、撤退した商店の後継テナントとして、美容整形外科が入居する事例が相次ぎ、現在では、狎鴎亭といえば美容整形というぐらい、美容整形外科が多い。公的医療保険のない韓国では、美容整形外科と普通の病院の垣根がなく、美容整形外科の集積が進むにつれ、狎鴎亭には普通の有名個人病院もかなり集積し、病院の街に変化しつつある。

 

過酷な学習塾通いが原因で体を壊して再起不能になる子供を『落ちこぼれ』と言う

実際、学習塾通いが原因で体を壊して再起不能になる子供が跡を絶たない現実がありまして、そういう子供を『落ちこぼれ』と言うのだそうです。

まるで落ちこぼれる子供が悪いような言い方ですが、そうやって落ちこぼれた子供をなじる親と、そういう親の態度に絶望する祖父母との終わりのない壮絶な喧嘩は、韓国上流社会の日常風景でもあります。

祖父母の世代は朝鮮戦争を経験した世代で、こういう不毛な受験戦争とは無縁の世代ゆえに、超学歴社会には相当批判的であるという背景があります。

ソウル高速バスターミナルも地下鉄3号線沿線。ソウル市民が江南の高速バスターミナルに行くと言ったら、ほとんどの場合地下鉄3号線を使う。駐車場も大きいから、荷物運搬の都合で、自家用車で行く人も多い。高速バスターミナルに併設されている巨大なデパートや地下街は、江南に住むソウル市民が、普段、買い物に行く場所でもあるので、平日でもたいへん混み合っている。

 

一応、韓国政府は、不毛な受験戦争を非常に問題視している。徴兵の都合上、一人でも健康な若者を確保したいから

そういうところから、性格の歪んだエリートが出てくるわけね。
日頃の鬱憤を反日行動で晴らそうという連中のもっとも厄介な中核層もこの辺に位置しています。
だいたい嫌な韓国人というと、だいたいこういう出自のエリートだったりするわけで、大部分の韓国人というと、日本の嫌韓厨がことさらに言いたてるほど性格は歪んではおりません。

徴兵の都合上、一人でも健康な若者を確保したい兵務庁(韓国政府)は、こういう不毛な受験戦争を非常に問題視しているわけですが、とどまるところを知りません。

小学校3年生というと、だいたい体重が30kgですからね。
その体重の1/3の教科書を抱えているところからして、体を壊すような無茶をしているわけですが、睡眠時間3〜4時間でその体重の1/3の教科書を抱えて地下鉄3号線で行ったり来たりしているわけですから。

徴兵検査の20歳に到達した時点で、体がガタガタになる若者が大量発生するのも無理はなかったりします。

ソウル南部バスターミナルも3号線沿線。高速バスターミナルから2駅先なので、高速バスターミナルのサテライト的位置付けのバスターミナル。釜山や大田に行くバスがちらほらあるが、大部分は、韓国の辺境・僻地へ行く市外バス。大抵の目的地が、そもそも外国人観光客どころか、韓国人でも一般的な都市住民が行くような場所ではないので、基本、韓国語ONLY。常連接客が横行している。


ソウル最大の農産物卸売市場の可楽市場。可楽市場は3号線の東端付近にある。水産物卸売市場も併設する。周辺は超絶人気の高級住宅街。もともと、ソウルの東の外れの何もないところにあった卸売市場で、空き地に農産物を満載したトラックが集まり、これをトラック毎に仲買人が値付けしていくスタイルの卸売市場だった。トラックも平ボディーから箱車になり、農産物もダンボールで梱包するようになり、荷下ろししてから競りがかかるようになり、現在のような上屋が整備された。専ら卸売市場なので、一般消費者の購入はできないのが建前。横流し業者が、扱いに困った規格外品を通路で商いをしていることが多い。