『冷麺』は、韓国人が結構馬鹿にする北朝鮮の食べ物
韓国を旅行する日本人が食べたがったという理由で普及したふしがある
日本人はみんなうまいうまいと言って食べるし、冷麺マニアも存在するぐらい非常に好評なのであります。
しかし、朝鮮半島南部の韓国とはあまり関係のない食べ物で、『冷麺』を嫌う韓国人は多く、『冷麺』を馬鹿にする韓国人もまた多いという傾向があります。
最近は韓国人も冷麺を食べるようになりましたが、韓国を旅行する日本人が、空港の食堂で冬に冷麺を扱っていないということでクレームを言ったり、あちこちで盛んに冷麺屋を探しまわったりした影響が結構大きかったりします。
そこまでして食べる必要があるほど、冷麺がうまいものだとは、正直韓国人は思っていないふしがあります。
漬け汁が多い北朝鮮のキムチの付け汁にソバをいれて食べたのが起源か
本来『冷麺』は、キムチの漬け汁が大量にある冬の時期の食べ物です。
よって、冬に冷麺を販売しない韓国の食堂の方が間違いなのであります。
冬に冷麺を扱っていないということでクレームを言った日本人に韓国人が一言も反論できなかったのにはそんな理由があります。
北朝鮮のキムチは漬け汁が多いのが特徴ですが、もうひとつの特徴に、寒い冬を乗り切るため、キムチの付け汁に肉のスープがいれられていたことにあります。
この漬け汁にソバをいれて食べたのが起源ではないかといわれています。
北の麺が真っ黒いのはソバのせいです。
ソバが北朝鮮で食べられる理由は、北朝鮮は寒いので、米や小麦が韓国ほどうまく作れないことにあります。
キムチの漬け汁に入れたソバは、韓国側でも、春川の春川ソバとして現存しておりますが、素朴な郷土料理の扱いです。
春川も寒いので、米や麦の品種改良の進んでいなかった昔は、米や小麦がうまく作れませんでした。
このソバが洗練されたのがいわゆる『冷麺』ではないかと考えられています。
北朝鮮では恐らく玉流館でしか食べることはできないのでないかといわれています。
玉流館で食事できるのは、党の高官や招待された外国人旅行客だけといわれています。
とはいうものの、韓国にも朝鮮半島北部出身者がいっぱいいる関係で、韓国にも冷麺のレシピが持ち込まれており、冷麺をだす店があります。
それとおんなじものが、かつて密輸品売買で知られた釜山の国際市場にあるのは、知る人ぞ知る。
朝鮮戦争の時に、北を逃げ出してきた人々が行き着いた場所が釜山だったということと無縁ではありません。
濃厚鶏ガラダシと牛骨ダシを水キムチで割った、韓国で普通におめにかかる冷麺とはかなり違ったものになります。
冷麺は、北朝鮮出身者にとってはふるさとの味。朝鮮半島南部の韓国の味ではない
北朝鮮の人々はふるさとの味として、大切にしておりますが、韓国の人々にとっては、それほどのことでもないという感じ。
北朝鮮風のあっさりしたスープが韓国ではトラブルになることも多々あるそうで、韓国人向けにコチュジャンと酢が一緒に出されることが多いです。使わなくても充分おいしくいただけます。
焼き肉のシメに冷麺を出すということを始めたのは、どうやら、大阪の在日の人々ではないかといわれておりますが、韓国本土でもこれは無難に定着しています。
焼き肉のうまい店の冷麺はうまい傾向があります。
ただし、焼き肉店の冷麺はほとんどが韓国式にアレンジしたものです。
北朝鮮式冷麺
冷麺には、麺の材料、麺の製法、スープの種類により、複数のレシピがある。
日本人には、水冷麺、ピピム冷麺ともに、咸興式のレシピが好まれる。
韓国で咸興冷麺をオーダーしても、ピピム冷麺しか出てこないのは、単に韓国人が咸興冷麺に水冷麺があることを知らないから。
咸興式の水冷麺を平壌冷麺と言っているケースもある。
咸興式の麺は、緑豆粉や蕎麦粉などを混ぜたものを圧力をかけて押し出す麺だが、平壌式は蕎麦粉を日本と同じ、切って麺にするタイプ。
写真とおなじものを密輸品天国の釜山の国際市場で食べたとき、
これを知らん人が、麺が変だとか、スープが変質しているとか
苦情を言ったのを聞いたことがある。
辛くないとか言ってブチ切れた客もいたなあ。
店の主人は「これだから南の奴らはしょうがねえ」と言ってた。
ソウルの魔界と揶揄される広蔵市場にもこんな冷麺を出す店がある。
こちらは韓国でおなじみの水冷麺（韓国冷麺）
これはこれでうまくて、おもわず２杯食べてしまうぐらいなのだが、同じ食べるなら
そりゃ北朝鮮式の方がはるかにうまい。
